ブックタイトルメカトロニクス9月2020年

ページ
46/52

このページは メカトロニクス9月2020年 の電子ブックに掲載されている46ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

メカトロニクス9月2020年

46 MECHATRONICS 2020.9 産業革命は18 世紀後半のイギリスに始まる、木綿工業(綿工業)での手工業に代わる機械の発明、そしてさらに蒸気機関の出現とそれに伴う石炭の利用という生産技術の革新とエネルギーの変革であった言える。 木綿工業から始まった技術革新は、機械工業、鉄工業、石炭工業といった重工業に波及し、さらに鉄道や蒸気船の実用化という交通革命をもたらすこととなる。産業革命として急速に発展していった。その中で、機械産業として主に発展していったが、日本に目を移すと、1950年代に工業会が設立され、連合体となり、機械産業全体を取りまとめるようになった。 一般社団法人 日本機械工業連合会(略称:日機連、英文名:The Japan Machinery Federation)は、日本の代表的な機械工業の全国的総合団体で、機械工業の総合的な進歩発達を図り、経済発展に寄与することを目的に1952 年4月2日に任意団体 日本機械工業会として設立された。 その2 年後の1954 年には日本機械工業連合会となり、1958年に社団法人 日本機械工業連合会に、そして2011年に一般社団法人となった。現在、法人会員50社、49団体、10 会員で構成されて活動している機械関係の連合会である(表1)。1. 日本機械工業連合会の事業 事業として以下の内容について実施している。(1)機械工業の振興に関する対策の樹立および実  現推進(2)国会、政府等に対する意見の具申その他機械業  界総意の表明(3)機械工業に関する行政施策に対する協力(4)機械工業に関する調査および研究(5)関係団体との連絡協調(6)その他前各号に付帯する事業 この会は、上記事業を推進するため、統括審議委員会、研究委員会、特別委員会および専門部会を中心に問題を検討し対策を協議するとともに、関係団体と連携を密にして問題の解決に当たっており、本部は東京タワー近くの機械振興会館に置いて活動している(写真1)。 〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館 507号室 TEL 03-3434-5381(代表) FAX 03-3434-26662. 技術委員会/特別委員会 日本機械工業連合会の中に“ 技術開発研究委員会”、“ 循環型社会研究委員会”、“ 事業基盤研究委員会”、“ 経営課題研究委員会”、“ 関西事業活力研究委員会” 及び税制金融政策特別委員会、機械安全標準化特別委員会、機械安全推進特別委員会、優秀省エネ機器・システム審査特別委員会、ロボット大賞審査特別委員会などが存在し、委員会ごとに活動している。3. 国際標準化活動 国際標準化活動として、国際標準化機構(ISO=International Organization forStandardization)と国際電気標準会議(IEC=International ElectrotechnicalCommission、IEC)の2つの標準化組織に対して協力しており、「機械類の安全性」の規格に係わる国内審議団体として、ISO/TC199、IEC/TC44の国際会議に参画している。 最新情報の入手と国内産業界への伝達、我が国主張の国際規格への反映のための標準化活動を展開するとともに、国際規格のJIS化のための原案づくりや国際規格への新規提案に向けた技術開発活動、国内における機械安全の標準化普及活動を展開している。3-1. ISO/TC199 ISO/TC199 は“Safety of Machinery” を扱う技術委員会で、投票権のある参加国は25ヵ国(Pメンバー:Participating)で24ヵ国が非投票権Oメンバー(Observing)で参加している(写真2)。 北米からは米国、カナダが、欧州からはフィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペイン、英国などが、アジアからは日本(Pメンバー)、韓国、中国、マレーシア、フィリピンなどから参加している。3-2. IEC/TC44IEC/TC44 はSafety of Machinery -Electrotechnical Aspect(機械類の安全性- 電気的側面)を扱う専門委員会の一つで、その作業範囲は、機械類の危険源から人を安全に保護するための電気装置及びシステムに関する規格化を審議して策定している。 投票権ある参加国は日本を含めて17ヵ国(Pメンバー)で、非投票権のOメンバーは19ヵ国が参加している(写真3)。4. 工業連合会の構成 各工業会をまとめての横断的に連携している工業連合会となっている。機械工業の実態を認識して頂くために、どのような工業会が連携しているかを紹介する。 法人会員は表2に示すように法人会員、団体会員、賛助会員で構成された連合会である。多くの関連工業会が関係しているかが分かるかと思う。まさに各工業会を横断的に束ねた形となっている。 さて、日本の機械産業の生産金額を示すと図1のようになる。ピークは1991 年で91.6 兆円の生産規模となっている。直近の2019 年では75.9兆円で国内での生産規模が落ち込んでいることである。 1991 年は、自動車生産の国内でのピークであったことからも機械産業の統計資料に見事に反映されていることになる。第3回 機械産業の市場動向市場の生産統計とそのヒストリーちょっと気になる連 載写真1 機械振興会館表1 日本機械工業連合会の歩み年 度内 容1952年任意団体 日本機械工業会を設立1954年日本機械工業連合会となる1958年社団法人 日本機械工業連合会となる2011年一般社団法人 日本機械工業連合会となる写真2 ISOのロゴマーク写真3 IECのロゴマーク