ブックタイトルメカトロニクス12月号2019年

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概要

メカトロニクス12月号2019年

10 MECHATRONICS 2019.12 御社の概要などについてお聞かせくだ さい髙木 : そもそも私の父が脱サラをし、1970年4月にツカサ工営株式会社を設立したのが始まりになります。この会社は、当初ものをつくるというよりは商社的立場でスタートし、元々父はベアリングメーカーに勤めていた関係で、ベアリングや油圧管などの機械要素部品を中心に販売を行っていました。 ただ父の中では、「人任せではなく、自分で何かものをつくってみたい」という思いがあり、はじめに機械要素の中の本当の要素となるフィルタにチャレンジしていきました。そして、試行錯誤しながらも自動車や産業車両などに使われるストレーナをつくり、当時大手建設機メーカーの数社が小型フィルタを探していることを聞きつけ、その開発にトライすることを決断しました。それがきっかけとなり、研究開発を行うフィルタメーカーとして、1989 年4 月に当社を設立しています。当社が開発/設計/販売 産業機器向けのフィルタメーカーとして、飛躍し続ける株式会社ツカサ。最近では、横浜市都筑区に研究開発センターを設置し、省人化や自動化に向けた製品に力を入れている同社の概要と技術、製品などについて、代表取締役 髙木 研志 氏にお話を伺った。代表取締役髙木 研志 氏様々なニーズを参考に独自性のあるユニークな小型フィルタを開発~幅広い分野に対応する数多くの製品をラインアップ~を行い、製造に関してはツカサ工営が行うといったスタイルで、グループとして事業を展開しています。 基本的には、色々なニーズをもとに当社が開発/設計/性能評価を行い、お客様に売り込みを図っていきます。そして、興味をもたれたお客様と技術的な打ち合わせなどを行い、最終設計、図面作成、生産設備設計を行います。そこからは、ツカサ工営がその図面や生産設備などをもとに製造および生産管理を行っていきます。 生産設備は、元々どこかで販売しているものでもないため、できる限り社内でつくっています。理由としては、自動機メーカーにお願いすることも可能ですが、生産設備をつくる過程で何らかのノウハウが生まれるケースもあるので、それを社内に蓄積していきたいという狙いから内製化を進めています。 また私自身は、大学卒業後数年間、別の会社に勤めており、色々と忙しくなることから当社設立のタイミングで入社しています。入社後は、開発/設計を行っていき、2010 年に父に代わって代表取締役に就任しています。 それから拠点については、横浜市泉区に本社を設置しており、今まではこちらで開発/設計などもすべて行っていましたが、最近では開発スペースがキャパを超えるような状態となったため、2017 年に横浜市都筑区に研究開発センターを新設しています(写真1)。こちらは、本社よりも交通の便が良く、お客様が打ち合わせなどで来社される時にもお越しやすい環境であることから、この場所を選択しました。将来的には、ショールームも設置したいと考えており、お客様が気軽にお越しいただけるような拠点にしていきたいと思っています。 御社のコアとなるフィルタの技術につい てお聞かせください髙木 : 先程も少しお話しましたが、当社がフィルタメーカーとしてスタートするきっかけとなった、ショベルカーなどの建設機械に使われる小型フィルタのノウハウがコア技術になっています。 当時、ショベルカーなどの建設機械は精密制御を求められるような時代に差し掛かっており、乗り心地は自動車並みで、動作も人が動いているようなスムーズさが要求されていました。それに対応して、油圧機器の小型/高圧化、サーボ化が図られ、これに伴って油圧機器のクリアランスが狭小化した結果、精密化した各機器を守るための対策が必要になりました。 そのため、それに対応する小型フィルタの開発に株式会社 ツカサ写真1 都筑研究開発センターの外観写真2 自動洗浄機能付きラインフィルタ『FF』