ブックタイトルメカトロニクス8月号2019年

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概要

メカトロニクス8月号2019年

MECHATRONICS 2019.8 920-7000倍の倍率と6種の観察方法を瞬時にかつワンタッチで切り替え可能なリチウムイオン電池に使用される電極シートの研究開発に貢献するデジタルマイクロスコープを発売電極抵抗測定システムを発売 オリンパス(株)は、科学事業の新製品として、電子部品や金属材料など、様々な欠陥の観察や解析に用いられるデジタルマイクロスコープ『DSX1000』を発売した。 同製品は、8種類の高解像度対物レンズに加えて、新たに超長作動距離対物レンズと高解像度/長作動距離レンズの計7 種類の専用対物レンズをラインアップに揃え、20-7000倍の幅広い観察倍率をたった1台で、高精細に観察できる。高解像度と長作動距離の両立により、従来諦めていた自動車部品や機械加工部品などの凹凸が大きいサンプルの観察/解析も可能。ヘッド本体の傾斜角度とXYステージの回転角度をそれぞれ±90°調整できるため、様々な欠陥をスピーディに捉えることができる。また、各種対物レンズはスライド式ノーズピースによりワンタッチで交換可能。多彩な観察機能を内蔵した電動ズームヘッ 日置電機(株)は、リチウムイオン電池(LIB)の主要材料である電極シートの抵抗特性を、「合材層抵抗」と「合材層と集電体の界面抵抗」に分離し、数値化/計測する電極抵抗測定システム『RM2610』を発売した。 同製品は、電極シートの表面にテストフィクスチャ(検査針)を当て電位を計測し、同社独自の解析手法で「合材層抵抗」と「合材層と集電体の間の界面抵抗」を見える化する。いままで見えなかった抵抗特性の数値化により、電極シートの特性、品質傾向を掴むことや合材の材料、組成変化による抵抗特性の変化が見えるようになるため、リチウムイオン電池の品質と開発効率の向上に貢献する。 リチウムイオン電池(LIB)とは、リチウムイオンが正極と負極の間を移動することによって充放電を行う二次電池である。電極シートとは、集電体に活物質や導電助剤などをドにより、明視野、暗視野、MIX、偏射、簡易偏光、微分干渉の計6種類の観察方法とコントラストUP機能をワンタッチで切り替え可能なため、欠陥の見逃しを防ぎ、微細な欠陥も瞬時に捉える。さらに、高精度測定機にも採用されているテレセントリック光学系を搭載することで、すべての対物レンズで信頼性の高い測定が可能。 同社製『DSXシリーズ』は、同社が培ってきた光学技術による高い信頼性とデジタル技術による直感的な操作を両立した製品で、電子部品や金属材料など、様々なサンプルの観察や計測に用いられている。高度な専門知識を身に付けたり、複雑な操作を覚えたりしなくても、サンプルを置くだけで3D 観察から測定、レポート作成までの一連の操作が可能である。今回の製品は、従来の特徴を踏襲しながらフルモデルチェンジしている。混ぜた液(合材)を塗工したもので、リチウムイオン電池の電極として使用されている。リチウムイオン電池は、内部抵抗が低いほど高出力/高寿命といった電池性能の向上につながるため、電池の主要材料である電極シートの抵抗特性を考察することは非常に重要である。しかし、従来はリチウムイオン電池そのものを完成させなければ電極シートの評価ができず、試作品を作成する手間や時間がかかっていた。また、従来の計測手段(貫通抵抗の測定、4探針による体積抵抗率測定)では電極シート全体の抵抗特性の計測にすぎず、電極シートの合材層抵抗や合材層と集電体の界面(接触部)の抵抗を知る手段は存在しなかった。これらの抵抗特性がわかると、どの材料、組成、製造条件によって性能が向上するかを細かく考察できるだけでなく、電極シートの段階で評価できるため、品質や開発効率が大幅に向上する。 同社はこの点に着目し、同製品を開発した。2019.8 同社では、2019 年6 月3日から全世界で販売を開始している。請求番号H5004請求番号H5003請求番号H0007