ブックタイトルメカトロニクス6月号2019年

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概要

メカトロニクス6月号2019年

8 MECHATRONICS 2019.6重電、航空機、自動車などの大型部品/金型加工の生産性と精度を向上する操作性や安全性を大幅に向上させたワイヤ放電加工機2機種を発売精密万能試験機を発売 三菱電機(株)は、同社独自技術の搭載と電源制御の改良などにより、重電、航空機、自動車などの大型部品/金型加工の生産性と精度の向上に貢献するワイヤ放電加工機MVシリーズの新機種『MV4800S』、『MV4800R』を発売した。 今回の新機種は、同社独自技術『サーマルバスター』の標準搭載により、加工時における機械本体の熱変位を抑制し、高精度加工を実現。高板厚材料加工時の自動結線動作の改良などにより、複数金型の連続加工性能が向上。また、加工時の電圧を安定化することで、1 回あたりの部品加工速度を従来比で最大20%向上し、3回加工時のトータル加工速度は従来比で最大66%向上。加工中の板厚検出機能改善により、材料の厚さや事前設定したノズルの高さに依存しない形状精度の向上を実現。さらに、標準搭 (株)島津製作所は、業界トップクラス(同社調べ)の測定能力を実現し、操作性や安全性を大幅に向上させた精密万能試験機『オートグラフ AGX-Vシリーズ』を2019 年4月15日に発売した。 同シリーズは、サンプリング速度が従来製品の2倍となる10kHZに向上したことで、1 秒間に10000 回の試験力を採取できる。ISO6892で規定されるひずみ制御方式での試験については、制御周期を10 倍に高め、応答性を向上させた。測定精度保証範囲を1/1000からさらに広げ、1/2000まで保証する機種をラインアップし、オプションのアナログ入力ユニットを増設すれば、最大20チャンネルのアナログ信号の取り込みが可能となるなど、高い拡張性を備えている。また、タッチパネル液晶画面を備える新しいコントローラを導入し、様々な試験の設定が容易載の同社製制御装置『D-CUBES(ディーキューブ)』には、加工条件検索項目に加工回数を追加する機能改良を行い、加工条件の検索時間を従来比で最大30%削減。同じく『D-CUBES』の19インチ大画面タッチスクリーンでの操作ナビゲーションにより、段取りから加工までの操作数を従来比で最大40 %削減している。 近年、重電や航空機の部品に加えて、自動車の部品や内装品としても用いられるプラスチック成形品の大型化/複雑形状化により、大型部品/金型を加工するワイヤ放電加工機の需要が高まっている。また、加工速度向上による生産性向上や高板厚材料の加工寸法の安定性向上、長時間自動連続運転の信頼性向上が求められている。 同社では、2019年4月17日より販売を開始しており、2019 年度『MV4800S』は100 台、『MV4800R』はになった。装置が動作する際には、操作音でオペレーターに装置の状況を伝え、試験容量20kN 以上のモデルには、つかみ具などの試験治具の接続にマルチジョイントを導入したことで、重量のあるジョイントの交換が不要になり、安全性と作業性を高める。さらに、装置の状態をチェックする自己診断機能を新たに導入し、使用時間や操作ログを装置が自動で記録するとともに、部品交換が必要な時期を自動で通知する。誤操作による治具同士の衝突を防止する機能など、様々な機能が標準搭載されている。 近年の試験機には、鉄鋼業界における金属材料引張試験の国際標準規格に準拠したひずみ速度制御精度や、自動車および航空機などの業界で研究開発が加速している複合材の試験で重要な軸心精度といった性能面での要望が高まっている。また、分野や熟練度によらずオペレーターが増えたことで、操作性や安全性に優れた装置が求められており、データの信頼性を保つ機能なども必要とされている。 同社では、世界トップブランドの確立を目指すとともに、発売から1 年間でシリーズ合計600 台(国内外)の販売を計画している。50 台の販売を目標にしている。2019.6請求番号F5001請求番号F5002請求番号F0005