ブックタイトルメカトロニクス6月号2019年
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メカトロニクス6月号2019年
10 MECHATRONICS 2019.6 御社設立の経緯や概要などについてお 聞かせください木下 : 当社は、画像処理装置の開発/製造/販売を目的として、1998 年12月に設立し、昨年で節目の創立20周年を迎えており、今年は21期目に入っています。 創業者は、現在代表取締役社長を務めている関で、以前は大手時計メーカーの生産技術本部におり、そこで画像処理技術に携っていましたが、ある時期を境に独立を志すようになり、当時同じ画像処理技術を担当していたメンバーの4人で新たな可能性を追求するため、「画像処理を専門に行う会社」として立ち上げたのが設立の経緯になります。私は、その起業メンバーの4 人には入っておらず、会社設立から半年ほど後に入社しています。 設立当初の事業は、画像処理メーカーとして、主に半導体装置メーカー向けに画像処理装置のOEM供給を3 年間ほど行い、基板の位置決めを行う画像処理のアライメント装置として使われていました。一番多い時で、年間2,000~3,000 台を出荷しており、数十社の半導体装置メーカーと取り引きしていました。ただ、その当時は4 年に一度の半導体不況という波があり、ちょうどその波に入った時には、当社も出荷台数が減るなど影響を受けました。そのため、半導体不況の波に影響されないよう新たなビジネスが検討され、2002 年3月にエンドユーザー向けの外観検査ビジネスに参入していくことになりました。 これが当社の大きな節目になっていくのですが、当時はすでに競合メーカーが数多く参入している市場だったので、何年かは非常に苦労したことを覚えています。その後、このままでは事業形態が伸びていかないと判断し、2004 年に事業の見直しを図りました。具体的には、外観検査装置単体では価格競争になることが多く、画像処理の外観検査の場合は搬送と排出の合理化が必ず求められるため、そこを 高度な画像処理技術で外観検査装置や表面検査装置などを開発している株式会社デクシス。最近では、3つのプロジェクト体制を構築し、その業界に特化した製品開発を進める同社の概要と事業展開、また新技術開発などについて、取締役 経営企画室長 木下 裕敬 氏にお話を伺った。取締役 経営企画室長木下 裕敬 氏画像処理技術と搬送/自動化技術を両立したプロジェクト体制を構築~要素技術と3つのプロジェクトをリンクさせ事業を展開~装置化することにより付加価値も上がり、技術的なバックアップやアフターフォローにも対応しやすくなるので、装置単体販売からシステム装置販売に切り替えていきました。 これにより、競合他社との差別化が図れ、今ではこのビジネスが当社年間売り上げの8割を占め、残りの2割は創業当時から行っている半導体装置メーカーを対象にしたビジネスになっています。 また、当社の拠点については、本社を千葉県船橋市に置いて営業と管理、あとは画像処理のハードウエア開発を主に行っています。それから、京都市下京区に京都事業所、山形県天童市に山形・天童事業所、福岡市博多区に九州営業所を設置しています。京都事業所では、営業スタッフのほかにソフトウエアの開発スタッフもおり、営業だけでなくソフトウエア開発も行っています。先程お話したシステム装置の製造拠点となるシステム工場は、山形・天童事業所に設置しています。 以上が国内の主要拠点になりますが、2017年7 月にはタイ・バンコクに現地法人DECSYS(THAILAND)CO.,LTD. を設立し、海外にも拠点を置くなどビジネスの領域を広げています。 御社の事業内容や技術などについてお 聞かせください木下 : 当社では、2013 年から市場別のプロジェクト体制を構成しており、その業界に特化した製品づくりを行っています。 システム装置事業を立ち上げた時は、主にボトルやキャップなどの樹脂容器に特化した外観検査装置を開発し、これが基本的なベースになっていました。当時は、成形容器メーカーに成形直後の外観検査を受け取りから検査して排出まで一括した事業だけをずっと行っており、お客様も医療資材が中心で、国内ではメーカーもある程度決まっていました。 そのため、売り上げをさらに拡大していく目的でプロジェクト体制を構成し、今までの医療資材向けはそのまま1つのプロジェクトとして継続するとともに、新たに「容器内の医薬品検査にも目を向けていこう」ということで、医薬向けプロジェクトを立ち上げています。医薬メーカーの製造ラインにおいて、今まで人が容器に充填されている液体や粉体を振って中に異物が混入していないかを目視で検査していましたが、これを合理化するために、液中検査装置や粉体検査装置の自動機開発などを進めています。 それから、創業時からのコアとなる画像処理技術を利用し、医療資材/医薬以外の市場に向けたプロジェクトも立ち上げています。特に最近では、シャフトやプレス部品など自動車部品関連に力を入れて進めています。 この3つのプロジェクトが、現在当社の主幹事業になっており、画像処理を生業にしている会社が装置自体を社内で開発しているメーカーは、国内では私の知る限りおそらく当社だけだと思います。他社では、外部の装置メーカーと組んで行っており、そのため装置メーカーは装置だけの保証、画像処理メーカーは画像だけの保証で、これらを組み合わせた時の保証はどこもできません。そこは、納入されたエンドユーザーが自分達で色々な検証を行い、それを自分達の責任の中でやられているので、何か不具合が発生した時に、搬送に問題があるのかそれとも照明に問題があるのかなど、判断が付きにくいこともあります。 当社は、画像処理のコア技術とシステムの搬送/自動化技術を両立しているので、画像も装置もトー株式会社 デクシス写真1 『マルチプルイメージャー』を搭載したオリジナルカメラと画像処理システム