ブックタイトルメカトロニクス5月号2019年

ページ
48/52

このページは メカトロニクス5月号2019年 の電子ブックに掲載されている48ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

メカトロニクス5月号2019年

48 MECHATRONICS 2019.5 1月30日(水)~2月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、めっき関連、ドライプロセス・表面改質関連など材料表面に関する製品・技術・研究成果が紹介される専門展であるSURTECH2019(表面要素技術展)が、(一社)表面技術協会、日本鍍金材料協同組合、(株)JTBコミュニケーションデザインの主催で開催された。 会期中は、『nano tech 2019(国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)』『InterAqua 2019 第10回 国際水ソリューション総合展』『ASTEC 2019 第14回 先端表面技術展・会議』『Convertech JAPAN 2019』『新機能性材料展 2019』『3次元表面加飾技術点 2019』『先端印刷技術展 2019』『ENEX2019』『Smart EnergyJapan 2019』『電力・ガス新ビジネスEXPO 2019』『JFlex 2019』も同時開催された。 3日間の来場者数は、同時開催展を合わせて43,622名に上った。■塗装するワークを吊るす ハンガーやフックを標準化 (株)岩田製作所では、塗装するワークを吊るすための塗装治具を紹介していた。 これまでは、たとえば全溶接のハンガーの場合は、ハンガーごと剥離が必要であったため、コストがかさみ、また剥離するごとにフックが折れたり曲がったりして治具が傷んでしまい、歩留りも悪くなっていた。 しかし本製品は標準化されており、ユーザーはワークに合わせた標準品の治具を組み合わせできることから、設 1 月30日(水)~2 月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、ナノ材料/素材、ナノ評価/計測技術、装置、ナノ加工技術/装置など、各応用分野に対応した最新技術・製品を一堂に集めた『nano tech 2019』が開催された。■ナノインプリントを 高速/低コストで行える (株)エリオニクスでは、「ウエハーサイズ3 次元ナノインプリントモールド用超高速電子ビーム加工装置の研究開発」に関する展示をおこなっていた。 ナノインプリント用モールド加工ではレーザ直描装置があるが、加工サイズ1μmを下回る加工は難しいとされている。いっぽう、スポット型の電子ビーム(EB)描画装置では10nm 以下のパターンを加工できるものの、スループットが極端に悪く、また比較的スループットの高い可変成形型の電子ビーム描画装置は高コストであることから、100nm 加工が可能でスループットが良い、低コストな装置が求められていた。今回開発された「UHSEB」は、100nm 寸法におけるコストパフォーマンスが高い装置。8インチウエハ全面描画時間は14 時間20 分で、回計/試作/製作期間の削減を実現。また、アタッチメントの部分だけを剥離または交換するため、ハンガーごと剥離するよりコストがかからず、ハンガー本体の剥離頻度を減らすことでコストダウンが可能となる。フックも折れたら交換すればよく、さらに、先端部分の交換をすることで1つのハンガーで複数のワークに対応可能。このため、必要最低限のハンガーで運用することができ、省スペース化を実現する。■あらゆる液体の均一撹拌を実現する 撹拌機 日本テクノ(株)では、あらゆる液体の均一撹拌を実現する超振動α-撹拌機を紹介していた。 α-撹拌機は、回転翼のせん断力による撹拌でなく、低周波による撹拌羽根の上下振動による撹拌なので、空気などの巻き込みがない。また、反応などで発生した気泡などを直ちに系外に素早く放出。電解時に発生する水素及び酸素は通常、液中で気泡化するが、この撹拌技術ではまったく気泡化しない。原理は15~50Hzの低周波の出力で発生する振動を多段式の振動羽根(材質各種)に伝達し、そ路を描く速度が従来の装置よりも速い。最小加工寸法:~100nm、描画時間(8インチ):1日、コストパフォーマンス:240 枚/ 年億円という優れた性能を実現する。なお、この研究開発は産総研を橋渡し研究機関として、平成28年度「戦略的基板技術高度化支援事業(プロジェクト委託型)」として実施されたものである。■ユーザーのさらなるニーズに応える ビーズミル アシザワ・ファインテック(株)のブースでは、ビーズ分離能力強化型の湿式ビーズミル『ムゲンフロー MGF2』を紹介していた。 同製品は、従来機よりも生産効率を飛躍的に向上させ、大流量/高粘度/微小ビーズに対応するプレミアムタイプの機種。高濃度/高粘度スラリに対応し(3 万mPa・sの実績あり)、大流量運転が可能(流量約100L/min設定可能)。対応ビーズ径はφ0.1~φ1.0mmで、微小ビーズの安定運転ができる。対象物はフェライト、カーボンブラック、ゼオライト、セラミックス原料、顔料(シアン、マゼンタ、イエロー)など。用途は、電子部品、インキ、化粧品、食品、電池材料、触の振動により発生する流体の高速三次元の乱流を基本としている。従来の撹枠機の欠点である空気の巻き込みがないため、流体の空気による汚染がなく、あらゆるタンクの大きさや形状にも対応できる。 ブースではα-1型撹拌機を展示し、注目を集めていた。■クエン酸ニッケルめっきで 硬さ、耐食性が向上 (地独)東京都立産業技術研究センターでは、「バレル法によるクエン酸ニッケルめっきの電子部品用下地めっきへの適用」に関する研究を紹介していた。 環境への配慮から今日では環境低負荷かつ高機能性なめっき技術が求められている。同研究は、ホウ酸を用いない環境低負荷型ニッケルめっき浴(クエン酸ニッケルめっき浴)をバレルめっき法を用いて電子部品の下地めっきに適用した、というもの。バレルめっき法を用いてクエン酸ニッケルめっきを電子部品の下地めっきに適用したところ、従来浴と比較して硬さが約1割向上し、また耐食性が向上するなど優れた皮膜が得られたという。 同展示会の次回開催は、2020年1月29日(水)~31日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて予定されている。媒、製紙などに適する。■多階調画像を描画する レーザマーキングシステム 岐阜県工業技術研究所では、「ナノ秒パルスレーザによる多階調画像形成」の研究成果を、実演を交えて紹介していた。 金属へのレーザカラーマーキングは表面上に形成される酸化膜の光の干渉現象を利用した発色技術であるが、従来のパルスエネルギー制御による発色方法では膜厚を精密に制御することは困難であるため、ロゴ、マークなどの画像の再現に限定されていた。同研究では、新たに開発した発色技術によって色分解能の拡張を実現し、多階調画像を描画するレーザマーキングシステムを開発した。ブースでは、来場者の顔を撮影し、その写真データを装置に取りこんで、丸型の金属にレーザマーキングするデモを行っており、その技術力に対して驚きの声があがっていた。 同展示会の次回開催は、2020 年1 月29日(水)~31日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて予定されている。2019年1月30日(水)~2月1日(金)東京ビッグサイト(一社)表面技術協会/日本鍍金材料協同組合/(株)JTBコミュニケーションデザイン2019年1月30日(水)~2月1日(金)東京ビッグサイトnano tech実行委員会/ ASTEC実行委員会■ 会 期■ 会 場■ 主 催■ 会 期■ 会 場■ 主 催SURTECH 2019(表面要素技術展)nano tech 2019(国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)エリオニクスの展示ビーズ分離能力強化型 湿式ビーズミル『ムゲンフロー MGF2』多階調画像が描かれた品々塗装治具の展示超振動α-1 型撹拌機東京都立産業技術研究センターのブース