ブックタイトルメカトロニクス11月号20108年

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概要

メカトロニクス11月号20108年

8 MECHATRONICS 2018.11 御社の概要についてお聞かせください白木 : 当社は、2017年2月に設立した会社で、主にモータの小型/軽量化に特化した特殊なコアレスモータとその応用製品を開発/製造/販売しています。私自身、大学を卒業後に小型モータの開発をスタートさせ、従来の鉄心にコイルを巻いて回転力を出す巻線方式のモータでは、小型/薄型化に限界があると考え、「回転鉄心をもたず」、「巻線を重ねない」、新たな小型モータとなる“コアレスモータ”の原理を発見しました。 これをきっかけとして、1976年7月に有限会社シコー技研を設立し、コアレスモータの普及に努めていきました。そして、小型の民生品に採用されたことにより、実用化が徐々に進んでいき、平行してモータメーカーをはじめとする20数社の企業などから、技術支援の要望で技術顧問の依頼も受けるようになりました。ただ、当時は従業員が3名しかいなかったので、技術支援先に赴くということが難しく、逆にこちらに技術者を派遣して頂き、こちらで技術を教えて設計 モータの小型/軽量化に特化した特殊なコアレスモータとその応用製品を開発/製造/販売するコアレスモータ株式会社。独自の技術を活かした開発主体の事業形態から、優れた製品を世に普及するため、量産化に向けた取り組みを推進する同社の概要や技術、製品などについて、代表取締役社長 白木 学 氏にお話を伺った。代表取締役社長白木 学 氏コアレスかつブラシレスを実現した小型/軽量な特殊モータ~開発主体の事業形態から量産化に向けた取り組みへ~から試作までを行い、その試作品を持ち帰ってもらうシステムを取っていました。 その後、情報化時代を迎え、オリジナルブランドの開発に取り組んでいきましたが、紆余曲折を経て最終的には開発部門以外は売却することになり、開発部門を私が個人的に経営していた株式会社エムリンクとICファンV-TECH株式会社の2社で受け継ぎました。そして、さらに技術改良を重ねていき、従来より小型/軽量で、なおかつ大出力を実現した時代のニーズにマッチする新たなコアレスモータを開発しました。 それにともない、コアレスモータのさらなる発展を目指すため、株式会社エムリンクとICファンV-TECH株式会社の事業を継承し、当社を設立しています。具体的には、今までのような開発主体の動きから、量産化に向けた動きにも力を入れていき、その製品を世に普及させるための取り組みといえます。 また、社名の“コアレスモータ”は、弁理士さんの助言もあり無理を承知で申請したところ上手く通ってくれたので私自身驚きましたが、何事もチャレンジしてみるものだと感じました。 御社のコアレスモータ技術と、その技術を 活かした製品についてお聞かせください白木 : 当社のコアレスモータ技術は、コアレスかつブラシレスといった点がポイントになり、①従来のコアレスモータのように銅線を巻く方式ではなく、薄い銅板を特殊に加工し、ステータを構成することにより大電流を流すことができる、②特殊に加工した薄い銅板は、大きな力が掛かっても変形せず、かつ固く偏芯なく加工する技術により、小型/軽量を実現するとともに、大出力/大トルクを同時に実現、③コアレスモータの特徴であるコギングレスに加え、ブラシレスにすることにより、長寿命/メンテナンスフリー/静音性の向上/速度制御を実現、などの特徴が挙げられます。 そのため、同出力、同トルクの他社製モータに対して、小型/軽量であることにより既存モータからの置き換えが可能で、新規設計の自由度が大幅にアップします。また、抵抗やトルク変動が少ないので余計な電気を消費せず、スムーズさを担保するための設計技巧も少なくて済み、結果的にシステムも堅牢となるなどの強みがあります。 そして、この技術を活かして開発したのが、CP型コアレスモータで現在シリーズ化を行っています。その標準モデルとなるのが、ブラシレスDCモータ『CPHシリーズ』になります(写真1)。小型/軽量/大出力を実現し、バッテリー電源をドライバ経由で直接接続することができ、12/24/36/48Vをシリーズ化しています。コアレス構造のため、高速回転が可能であるとともに、コギングトルクがゼロです。 この標準モデルをベースに、ブレーキの有り無し、シャフト形状、コネクタ、線材の長さ、ケースの色(標準は黒で、アルミの無地色を選択可能)などがオプションとして対応できます。 また、新たな標準モデルとして、『CPHシリーズ』コアレスモータ株式会社写真1 ブラシレスDCモータ『CPHシリーズ』写真2 ブラシレスDCモータ『CPHBシリーズ』写真3 『CPHBシリーズ』の耐水状況