ブックタイトルメカトロニクス9月号2018年

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概要

メカトロニクス9月号2018年

10 MECHATRONICS 2018.9 御社の概要についてお聞かせください山田 : 当社は、1971年8月に私の父が設立し、事務所は東京都中央区日本橋からスタートしています。今年で48期目を迎えましたが、設立当初はビルなどの清掃で使われるような工業用真空掃除機の輸入/販売を柱とする商社的立場の事業を行っていました。 当時は、まだ工業用真空掃除機が国産化されておらず、米国から20フィートのコンテナで輸入するたびにすぐ売れてしまうような時代だったと聞いています。特に、新聞社など印刷関係の会社に多く販売したようです。しかし、需要があれば国内メーカーが生産するという構図は当時も今も変わらないようで、国産メーカーが林立する以前にきっぱりと工業用真空掃除機の事業から手を引いています。 創業者は、他社が取り扱っていないような新しい製品を手掛けて、日本国内でマーケットを構築していくということを、商売の基本に据えていたのだと私は思っています。また会社も、当時は従業員数名の 自社のオリジナル製品だけでなく、商社的立場でも事業を展開しているサンワ・エンタープライズ株式会社。今回は、同社の取り扱っている製品を約2500 点展示したショールームが東京のお台場にオープンしたことにともない、同社の概要とともにショールームを開設した経緯などについて、代表取締役 山田 匡司 氏にお話を伺った。代表取締役山田 匡司 氏産業用配管部品/工業用エアー機器などを展示するショールームを開設~約2500点の展示で「製品を選ぶ楽しさ」を実感~規模だったため、様々なことにチャレンジすることができたのではないかと想像しています。工業用真空掃除機の後も様々な工業用機器や工具の輸入/販売を行い、国内でマーケットの構築を進めながら、さらには国内での製造も協力会社に委託して手掛けるようになっていきました。当然のことですが、鳴かず飛ばずで1年も待たずに取り扱いを中止した製品もあったようです。分野としては、工業分野は勿論ですが井戸掘り機をはじめとする農業分野など幅広い分野に展開しました。 特に、産業用配管部品と工業用エアー機器については、長年当社を支えてきた主要製品といえます。産業用配管部品は、「小型」、「プラスチック製」をキーワードに、医療/飲料機器等での流体配管用パーツとして約33年にわたる販売実績をもっています。また工業用エアー機器は、圧縮空気による「冷却」、「ブロー」、「空気搬送」をテーマとした製品を各分野の製造現場へ長年にわたり供給しています。 私自身は、1985年に大学を卒業した後当社に入社しました。1年目は社会人としてのノウハウを一から学び、2年目に営業職として最初に担当した製品がカップリングでした。当時、カップリング自体が当社でも未知の製品だったため、他の社員に教えを乞うこともままならず、自己流かつ独学で販売をスタートしたことを覚えています。今思うと、ある意味これが当社の営業スタイルだったのかも知れません。中でも一番の先生はお客様でした。お客様から様々なことを学び、吸収させて頂いた結果が製品の知識や営業としてのスキルにつながったと思っています。  2007年には、私が社長に就任しました。経営方針としては、現在柱となっている産業用配管部品と工業用エアー機器の2つ事業を中心に、これのみに固執することなく、ニッチな市場にもスポットを当てながら様々なものに取り組んでいます。その一環が、PEEKというプラスチック素材を使った強度/耐熱性/耐薬品性に優れるスプリングであったり、従来手作業に頼っていた柔らいチューブのアセンブリ作業を簡単/確実に行うための作業治具の製品化です。サンワ・エンタープライズ株式会社写真1 ショールーム内の展示風景