ブックタイトルメカトロニクス6月号2018年

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概要

メカトロニクス6月号2018年

8 MECHATRONICS 2018.6最大16台のコンパクトエジェクタを1本のケーブル接続で一括管理可能な低導通損失および高速スイッチング特性を両立させたターミナル式コンパクトエジェクタを発売650V耐圧IGBTを開発 シュマルツ(株)は、“インダストリー4.0”を実現する新たなデバイスとして、複数台のエジェクタを一括で管理可能なターミナル型エジェクタ『SCTMi』を開発し、国内での販売を開始した。 同社は、“インダストリー4.0”を実現する技術として「IOLink通信」ならびに「近距離無線通信(NFC)」に着目し、真空発生器『i-シリーズ』をはじめとする数々のスマートデバイスを提供している。その代表的製品が、手のひらサイズのコンパクトな本体にバルブや真空センサを搭載したコンパクトエジェクタ『SCPSi』である。 今回開発した『SCTMi』は、『SCPSi』と同等のエジェクタを最大16 台、1つのユニットとして構成することが可能で、1 台のターミナル式ユニットに対し、必要な圧縮エア配管は1本のみで、かつフィールドバス上のIO-Linkマスタ ローム(株)は、UPS(無停電電源装置)や溶接機、パワーコンディショナなどの産業機器やエアコン、IH(誘導加熱)などの民生機器の汎用インバータおよびコンバータでの電力変換に最適で、低導通損失および高速スイッチング特性を両立させた650V 耐圧IGBT『RGTVシリーズ(短絡耐量保持版)』、『RGWシリーズ(高速スイッチング版)』、あわせて計21 機種を新たに開発した。 今回開発した新シリーズは、薄ウエハ技術および独自構造を採用することで、トレードオフの関係にある低導通損失および高速スイッチング特性を両立した。例えば、インタリーブPFC 回路で使用した場合、従来品比で軽負荷時に1.2 %、重負荷時に0.3%の高効率化を達成し、アプリケーションの低消費電力化に貢献する。また、デバイス内部の最適化を行うことで、スムーズなソフトスイッチングとの接続ケーブルも1本のみとなる。そのため、リード/プラグ/周辺機器などの接続部品の数を最少化し、ケーブル接続や取り回しの作業工数/コストを抑えることができる。さらに、複数台のエジェクタを1つのIO-Linkバスを通して一括で管理することが可能で、結果としてパラメータデータ取得のためのプログラムを簡素化し、作業時間や手間を削減することができる。各エジェクタは、個別に制御することができ、使用する工程に応じた最適な設定が可能になる。エネルギー消費量のモニタリングや、自動エアセービング機能を使用することで、エネルギーの最適化、コスト削減にも寄与する。 日本以外では、自動車業界におけるボディショップ、アセンブリでのワークのハンドリングをはじめ、様々な工作機械での鋼板ローディングのほか、金属製品/医療用器具などを実現し、同等効率の一般品と比較した場合、電圧のオーバーシュートを50%低減できたことで、従来必要とされていた対策部品などの搭載点数を削減するとともに、大幅な設計負荷低減に寄与する。 近年、IoT 化によるデータ量増加にともない、データセンターの高機能化が求められている。サーバ本体はもちろん、本体電源の安定供給を行うために不可欠なUPSなどを含め、システム全体で消費電力量が大幅に増えており、低消費電力化が課題となっている。また、IGBTを使用する大電力アプリケーションでは、機器の信頼性確保のため、デバイスの故障や機器の誤動作につながるスイッチング時のオーバーシュート対策が必須となっており、簡易化のニーズがあった。 同社では、2017 年12 月より当面月産10 万個の体制で量産を開始している。一般的な消費材のハンドリング工程でも導入実績があり、国内では2018 年4 月より販売を開始した。2018.6請求番号 F5002請求番号F5001請求番号F0007