ブックタイトルメカトロニクス6月号2018年
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メカトロニクス6月号2018年
10 MECHATRONICS 2018.6 御社の概要などについてお聞かせ下さい須賀 : 当社は、1989年10月に設立した会社で、病院などで使用される医療関連製品全般の販売を行う商社として、神奈川県を中心に事業をスタートしています。その後、機器を除く消耗品などは、コストダウンによる価格競争が起こるようになり、当社としては価格競争になりにくい、技術的に販売できるような製品を探し求めるようになりました。 そこで、スポットを当てたのが整形外科の分野で使用される製品でした。その中でも、インプラントと呼ばれる人工の材料や部品を体に入れる治療法に着目し、技術や製品についての情報を収集していきました。そして、2002年8月に専門部署となる整形外科部を設立し、整形外科の分野に特化した事業を展開しています。 また、2005年4月からは医療事業部だけでなく、環境事業部もスタートさせています。これは、医療事業部で病院やクリニックなどに出入りしていた時に、臭いや菌についての問題をよく耳にしており、当社も商社なので何か良い消臭剤や除菌剤はないかと相談を受けていたことが、ある意味きっかけになっています。当社の社長も、オリジナル製品を開発してみたいという想いを常々もっていたようで、菌を研究されているある技術者の方とコンタクトが取れたことにより、共同で製品開発に向けた研究がスタートしました。 そして誕生したものが、抗菌/防カビなどに効果のある“パシフィックビーム”と呼ばれる当社オリジナルブランドの製品になります。このブランド製品を柱に事業を展開し、2016年1月には環境事業部からケミカル事業部に名称を変更しています。 現在は、医療事業部とケミカル事業部が当社の大きな柱になっていますが、まだまだ医療事業部が中心的な事業で、その中でも整形外科部は医療事業部の6割以上を占めています。ただ、ケミカル事業部もそれに続く事業として期待されており、力を入れて 商社として医療関連製品の販売を行うとともに、メーカーとして環境関連ケミカル製品の製造/販売/輸出を行う大きな2つの柱で事業を展開している株式会社 エム・アイ・シー。今回は、メーカーとして展開しているケミカル事業にスポットを当て、同社の概要とオリジナル製品などについて、ケミカル事業部 第二グループ グループ長 須賀 正 氏にお話を伺った。株式会社 エム・アイ・シーケミカル事業部第二グループ グループ長須賀 正 氏医療現場のニーズより生まれた抗菌/防カビ剤~高い付加価値を付けることで差別化を図る~いる状況です。 では、オリジナルブランドのパシフィック ビーム製品についてお聞かせ下さい須賀 : パシフィックビーム製品群のコアとなるのが、パシフィックビーム・モールド(Pacifi cBeamMOLD:PBM)という名称の抗菌/防カビ剤です。元々は、医療現場で使用して頂くために開発をスタートさせましたが、原材料となる原体は工業材料としても活用できるため、それを含めた研究開発が進められました。その結果、粉体系、水系、水分散系、溶剤系、コーティングタイプなどの原体や、エンドユーザー用の製品を幅広くラインアップし、『PBMシリーズ』として販売を行っています。 工業材料として販売している原体は、お客様が使用する樹脂やプラスチックなどの素材に混ぜ合わせることで、抗菌/防カビといった効果が発揮されます(写真1)。また、印刷時に使用するニスに原体(PBM-7)を加えることにより、印刷工程を増やすことなく、印刷物に抗菌効果を付加することができ、本やカタログをはじめ、カードやパッケージなど印刷機を使用するほとんどのものに対応できます。 主な特徴としては、①添加量により、抗菌/防カビ/防腐/防藻/防フジツボ/抗ウィルスの6つの機能が1つに集約、②忌避効果と独自の複合技術により、一般建物内に存在する約60種類のカビすべてを含む2000種類以上の菌種に対応、③バクテリアに対する抗菌作用は勿論のこと、これまで難しいとされてきた真菌(カビ)にも、優れた抑制/防止効果を発揮するとともに、非流出系のため効果が長期間持続する、④公的な第三者検査機関において各種安全性を確認し、SIAA(抗菌製品技術協議会)登録の安全基準値をすべてクリア、などが挙げられます。 こちらの原体は、ものづくりを行っている様々な企業をターゲットに幅広く事業展開していますが、現状では建築関連分野が中心になっています。 また、素材への添加後や練りこんだ後でも効果が持続し、特に「消臭機能」に重きを置いた画期的な消臭剤『PBDシリーズ』を現在開発しています(写真2)。このシリーズは、粉末タイプと液体タイプの原体をラインアップする予定で、防カビ/抗菌に加えた新たな差別化の手段として色々と改良を行っています。 さらに、無機/天然の材料をベースとし、「地球にやさしい」をキーワードに環境関連製品と位置付けした『PBシリーズ』の開発も行っています。その中で『PB-ナチュラルアース(PB-NE)』は、食品添加物でもある無機質の天然100%の素材を主成分とした、無臭で無色の抗菌/消臭剤になります(写真3)。口に入っても安全で、抗菌効果が長続きし、無臭ながら強い消臭効果を発揮することが大きな特徴として挙げられます。こちらの製品は、オリジナルブランドを立ち上げるきっかけとなった、医療機関や介護施設などの抗菌/消臭のニーズにマッチするものとして改良を行っています。 それから、抗菌/消臭の用途ではなく、遮熱/断熱の用途で利用できる遮断添加剤『PB-ヒートシールド』といった製品も開発しています(写真4)。この製品は、太陽光線中の50%を占める赤外線を大幅写真1 抗菌/防カビ剤『PBMシリーズ』の原体ラインアップ