ブックタイトルメカトロニクス5月号2018年
- ページ
- 11/52
このページは メカトロニクス5月号2018年 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは メカトロニクス5月号2018年 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
メカトロニクス5月号2018年
MECHATRONICS 2018.5 11所在地:U R L:事業内容:東京都大田区https://www.tohnichi.co.jp手動/動力式トルク機器、機械/電子式トルク計測機器、ソフトウエア/システムの製造販売。株式会社 東日製作所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・山本 : 当社では、すでにデジタルトルクレンチをラインアップしていますが、次のモデルを考えた場合に、やはり今までにないような独自性のある製品を世に出していきたいという想いが社長にあり、そのために社内コンペを開催したことが、1つのきっかけになったと思っています。 そして、当社の技術には5つのグループがあるのですが、そのグループがすべて参加し、「夢のあるトルクレンチ」というテーマで、各グループがそれぞれ社外のプロダクトデザイナーを交えた共同作業といった、当社では初めての試みで進められ、実現可能な技術を“カタチ”にしていきました。 その結果、2年程前に社内コンペが行われ、各グループから研究内容が発表されました。コンペでは、アンケートによりベースとなる試作品が選ばれましたが、その他の研究内容からも優れた部分をチョイスし、最終的には製品開発に活かされることになりました(写真4)。 そして、まずベースとして選ばれ開発されたのが、パートナーデジタルトルクレンチ『TONY』になります(写真5)。このモデルは、オリジナルキャラクターとしてデザインされた“TONYくん”をモチーフに開発され、デジタルトルクレンチとして今までにない親しみやすさが、「夢のあるトルクレンチ」のテーマにマッチしたことで選ばれたようです。表示画面の“TONYくん”が様々な表情とともに、音声や振動などで作業者とコミュニケーションを取りながら共に作業することができます。 次に、『TONY』をベースにもう少し実用的なデジタルトルクレンチとして開発したのが、『CEM4.0+』になります(写真6)。このモデルは、3.5インチTFT液晶タッチを採用し、アイコンを使って直感的に作業が行えることを目指して開発しました。 また、音/光/振動で作業者に状況を知らせるといったマンマシンインタフェースを向上し、WiFi/Bluetooth/USBなど多彩な通信インタフェースを搭載しています。さらに、顔認証による作業者認証が可能で、QRコードの読み取り機能も搭載しています。 次は、ボルトの軸力(締め付け力)を計測できるレンチとして開発した『JIXY』を紹介します(写真7)。このモデルは、『CEM4.0+』の先端を交換することにより、軸力の測定が可能になります。通常では、軸力を測定するためにボルトのデータ入力やボルトに歪みゲージを埋め込むなど、かなり大掛かりな準備が必要になりましたが、こちらは締め付けられたボルトにセットしてレンチを引くだけで、容易に軸力計測が可能です。そのため、ボルトのデータ入力やボルトの加工などは不要で、個人差なく締め付けられたボルトの軸力を確認できます。 また、電池内蔵で現場での作業に適しており、当社従来製品のように測定データを無線で転送することも可能です。 最後に、カメラを搭載したデジタルトルクレンチ『POKAYOKE CAM』を紹介します(写真8)。このモデルも、『CEM4.0+』の先端を交換するタイプで、製品名の通りポカヨケをすることができます。ただ、従来では締めた回数をカウントして判断するケースが多いですが、このモデルは搭載されているカメラで締め付けた位置を認識し、二度締め防止や締め付け順序の管理を実現します。ボルトの位置がカメラで検出できるため、大掛かりなシステムなどは不要になります。 昨年の「東京モーターショー」では、今紹介した4つのモデルを参考出品し、実機を使って実際に体験して頂くことで、多くの来場者から注目を集めることができました。ただ、『TONY』については、次世代のデジタルトルクレンチのベースとして開発したもので、今のところ製品化は考えておらず、『CEM4.0+』、『JIXY』、『POKAYOKE CAM』について、製品化に向けた取り組みを行っています。 今後の展開についてお聞かせ下さい山本 : 今ある当社の製品は、お客様からの要望で開発されたものがほとんどで、例えば小型化や無線を使ったデータ転送なども、お客様の声が製品化に繋がっており、現在も電池の寿命など色々と要望が集まっています。今後も、そのようなニーズを活かしながら、新たな価値を生み出す製品を世に出していきたいと考えています。 また、当社は製品だけでなく、自社でソフトウエアについても開発し、製品とセットにしたシステムでの販売を行っています。このような展開は、他社ではあまり行っていないようなので、当社の強みとして今後も力を入れていきたいと考えています。 それから、先程お話した次世代のデジタルトルクレンチについては、来年開催される「東京モーターショー」にて発表できるように開発を進めています。まだ、価格やシリーズ展開など色々と課題は残っていますが、なんとかクリアできるようにしたいと思っています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真3 有線式データ伝送単能型トルクレンチ『CSPLDシリーズ』写真4 試作品の流れ(右側から) 写真6 次世代デジタルトルクレンチ『CEM4.0+』写真8 次世代デジタルトルクレンチ『POKAYOKE CAM』写真5 パートナーデジタルトルクレンチ『TONY』写真7 軸力計測レンチ『JIXY』