ブックタイトルメカトロニクス4月2018年
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メカトロニクス4月2018年
MECHATRONICS 2018.4 11所在地:U R L:事業内容:さいたま市中央区http://www.ecad-sol.com電気設計、ハーネス設計専用CADシステムの開発/販売株式会社 ECADソリューションズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の情報を使用せずに図面を作成し、作成した図面情報を部品マスターに取り込んでいく運用を使い分けることができます。それにより、データベース型CADと非データベース型CAD の運用を使い分けることができるため、部品マスターの構築やメンテナンスにリソースを割くことができない場合でも、運用を変えることなく使い始めることが可能です(写真2)。 また、Standardタイプは基本的な電気設計の機能を備えたエディションになりますが、PremiumタイプとProfessionalタイプはそれにプラスして製造連携の機能をもたせたエディションになります。それが、配線測長機能(Wiring Editor)&経路モニタリング機能(Wiring Monitor)です。配線測長機能は、回路図と外形図の情報をもとに、各部品をつなぐ電線の最短経路を自動で計算することができ、経路の許容量や区分を指定した計算も可能です。それに加え、経路モニタリング機能を使用すると、配線測長機能により算出された配線経路を一本ずつ表示でき、回路図が読めない電気技術者でも配線作業を簡単に行うことができます(写真3)。 さらに、一番上位モデルのPremiumタイプには、バリエーション機能という図面ファイルの管理に適した機能を備えています。この機能は、1つの図面内で様々な条件を設定することが可能です。条件を変更することで、回路や部品などの図面情報を簡単に切り替えることができます。例えば、製品を海外に輸出する時などに電源回路だけ異なるという理由で、海外の仕向け地ごとに分けて管理していた図面ファイルを1つにまとめることができ、図面ファイル管理の省力化に貢献することが可能です(写真4)。特に装置メーカーでは、1つの機種でオプションが付く付かないなどを1つの図面内で管理できるため、使用頂くケースが多くなっています。 その他にも、サポート体制やソリューションの提案などについて強化しています。 では、サポート体制と主なソリューショ ンについてお聞かせ下さい鈴木 :『 ECAD DCX』では、予想がつかないようなアクシデントに対して、ビジネスへのインパクトを最小限に抑えるためのサポートサービスを用意しています。例えば、サポート契約に加入頂くと、機能の追加や安全性が向上するバージョンアップ版の無償提供、フリーダイヤルによるお問い合わせ対応、専用サポートWebサイト『ECAD Support Web』の公開、特別価格または無償でのセミナー、故障プロテクタやインストールメディアの無償交換などの充実したサポートサービスを利用することができます。 その中で、専用サポートWebサイト『ECADSupport Web』では、現在約20 万点におよぶ部品データを部品ライブラリとして公開しています。このWebサイトからダウンロードし、インポートするだけで、部品のデータベースである構成部品マスターに部品データを登録することが可能です(写真5)。部品ライブラリを活用することにより、端子情報や形式などの手入力項目が少なくなり、外形図の作成も省力化できます。また、検索機能も充実しているため、目的の部品を素早く見つけ出すことが可能です。 それからソリューションについては、最近3Dに関心を示されるお客様が増えているので、電気設計に3Dデータを活用できる提案として『ECADDCX 3Dソリューション』というものを用意しています。このソリューションは、現状ではアメリカの3D CADである『IRONCAD』との連携となっており、『ECAD DCX』で設計した回路図を元に、部品/接続情報を『IRONCAD』側で活用することにより、部品の整列配置や自然な配線のシミュレーションを行うことが可能です。 これにより、実物のイメージを設計フェーズで確認でき、機器間の干渉チェックや間隔の確認が行えるため、製造段階での不測の事態を事前に発見/修正/防止することができます(写真6)。また、『IRONCAD』で配線検討された長さ情報を『ECAD DCX』で作成する接続表に反映したり、配線検討で追加された部品情報を部品表に追加反映できるため、より高品質な設計データが後工程に提供でき、製造段階での手直しや設計への手戻り減少に繋げられます(写真7)。さらに、作成された『ECAD DCX』と『IRONCAD』のデータは常に関連づけられているので、流用設計にも活用することが可能です。 このように、サポート体制やソリューションの充実を図ることにより、『ECAD DCX』を導入することで製造現場が抱えている様々な課題をクリアし、生産性の向上などに繋げられると考えています。最近では、ロボットの制御部分で使用頂くケースが多くなっていますが、その他にも幅広いシーンで活用頂ける製品であると思っています。 今後の展開についてお聞かせ下さい鈴木 : まずは、日東工業グループの一員となったことで、今までの販路とは別に日東工業の幅広い販路に対応するため、同社と連携しながら新たなソリューションをノウハウ化し、お客様に提供できる環境づくりを進めていきます。それにより、我々は企業として大きなポジショニングになっていくのではと考えています。 また、最近では海外ベンダーを含め競合が多くなってきている状況なので、他社との差別化を図ることが重要になってきます。そのために、『ECADDCX』にはその強みとなる要素をどんどん盛り込んでいかなくてはなりません。例えば、先程お話した『ECAD Support Web』で公開している部品ライブラリも、差別化や強みとして重要な位置づけになってくると思いますが、点数的にはまだまだ足りないのでどんどん拡張し、お客様の利便性を高めていきたいと考えています。 それから、一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)が推進している「製造業2030」の取り組みの中に、「制御盤2030」という制御盤のモジュール化が検討されており、毎年報告書が公表されていますが、そのような技術トレンドにも対応していかなくてはいけません。従来のCAD 設計思想が激変する可能性もありますが、まだまだ先行きは分かりませんので、今までのノウハウをどのように活かしていくのかなど、少しずつでも準備を進めていく必要はあると思っています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真5 専用サポートWeb サイト『ECAD Support Web』の仕組み写真7 『IRONCAD』で検証した情報を『ECAD DCX』に取り込む流れ写真4 組み合わせ管理が可能なバリエーション機能写真6 3Dモデルでの部品配置や配線の検証