ブックタイトルメカトロニクス3月号2018年
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メカトロニクス3月号2018年
MECHATRONICS 2018.3 13所在地:U R L:事業内容:埼玉県川口市http://enablekk.com特殊精密光学部品の設計販売/輸入販売、超精密光学製造装置の輸入販売/保守、非接触光学測定機の輸入販売/保守、光学部品用の測定機および加工機の開発企画、分析機器の輸入販売/保守、医療関連部品の測定顧問および測定機の輸入販売/保守、機械工具商。イネイブル株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な形状表面の精密ポリシング技術を提供しているメーカーです。同社製形状修正ポリシング機の特徴は、① 7 軸CNC 制御(3直線軸/4 回転軸)、② ツールサイズ:R5mm、R10mm、R20mm、R40mm、R80mm、R160mm、R320mm(装置サイズによって使用できるツールサイズが異なる)、③空気圧力によるヘッドを使用し、スポットサイズを変化させることが可能(小径ツールを除く)、④各種材料、各種形状が研磨可能、⑤豊富な研磨方式で形状修正を行える、⑥高性能の専用プログラムにより、他社の測定機からの計測データまたは各種CADデザインのインポート機能が使用可能、などが挙げられ、豊富なラインアップを揃えています。 そして測定では、オランダのIBS PE 社が開発した非接触表面粗さ測定機『ARINNA』を紹介します(写真4)。この製品は、これまで測定が難しいとされていた「円筒内面の表面粗さ」を測定することが可能になります。ヘッドのみというシンプルな構成で、振動補正機能によりワークを加工機から外さずに計測できるため、より加工に近い場所で計測ができることから、生産性を上げるための有力な提案といえます。メインのターゲットは、エンジンやミッションなどの重要部品を想定しています。 日本国内にも類似する製品はいくつか販売されていますが、測定レンジの違いや少しずつ他の製品より優位性を秘めています。主な特徴としては、①本体サイズは、幅約120mm、奥行き約100mm、高さ約400mmとコンパクト設計、②形状輪郭、3D表面形状の測定が可能、③波長スキャニングにより、位相差を創生、④短時間でデータ取得が可能、⑤加工装置に取り付けての機上測定が可能、⑥対物レンズは、2×、5×、10×、20×、50×、などが挙げられます。 この他にも、加工/研磨/測定に関する製品を色々と取り揃えていますが、例えばお客さまの所で加工機の話をしていても、結果的に研磨機や測定機の話にリンクしていきます。これが、研磨機や測定機でも同じで、加工/研磨/測定は必ずループするため、この3つに関する製品を提案できるというのは当社の強みになっています。基本的にはアメリカに本社を置くメーカーの製品が多いのですが、中にはお客様のニーズに合わせた特注品などから開発した当社オリジナル製品も用意しています。さらに、今までは光学業界を中心に事業を展開していましたが、最近では自動車業界も視野に入れた事業を展開しています。 自動車業界に視野を向けた経緯と 事業展開などについてお聞かせ下さい小川(雄) : 当社が今まで事業の中心にしてきた光学業界は、ワールドワイドでみても日本はどこにも負けないような技術をもっていると思います。特にカメラは、日本のメーカーの製品が海外でも使われているのがよく見受けられます。ただ近年では、自動車業界の活気はどの業界よりも目を見張るものがあると思います。 そのような中、アメリカで光学関連の測定機を製造する4D Technology 社が、同じアメリカで航空機関連の部品を製造するメーカーと共同で開発した「現場で測れる測定機」を日本でも販売していきたいと当社に声をかけてくれたことが、自動車業界に参入する1つのきっかけになっています。そして当社は、その製品の総代理店となり、日本で最初にプロモーションした展示会が、国内大手の自動車メーカーが昨年の9月に開催したプライベートショーでした。その展示会は毎年開催されていますが、展示物は新製品などが中心で、その自動車メーカーにとって有益になるものを厳選して展示するシステムになっています。 当社も、昨年の4月にエントリーしていくつかの選考会をクリアし、何とか展示会に出展することができました。その結果、3日間の開催期間中、その自動車メーカーのエンジニアや関連する自動車業界の方々など、数多くの来場者が当社のブースに足を運んで頂き、100 件以上の測定デモの依頼を受けるような注目される製品となりました。また、昨年の10月に名古屋で開催された「メカトロテックジャパン2017(MECT2017)」にも出展し、そこでもプライベートショーを上回る自動車関連や航空機関連業界の来場者から大きな反響を頂きました。それにより、自動車業界で事業展開していけると実感しました。 その事業展開のメインとなる製品が、ハンディタイプの非接触表面欠陥測定機『4D InSpec サーフェイスゲージ』になります(写真5)。この製品は、表面の凹凸、欠陥を非接触で測定/検査する測定機で、非常に簡単で素早く測定することができます(写真6)。今まで傷や欠陥に関する検査としては、触診式の粗さ計を使うか、2Dもしくは3D のスキャナを使う方法がありましたが、非常に時間や手間が掛かっていました。そのため、ほとんどみなさん目視によるチェックで行われており、発見したら破棄するケースが多いようでした。しかし、その破棄したものの中には、傷の深さや長さなど良品レベルのものが非常に多く含まれていたようです。 この製品は、傷や欠陥を瞬時に検出するだけでなく、搭載されているソフトウエアにより、傷の深さや長さなどのしきい値を設定することで合否判定が可能になり、生産性の向上に貢献できます。その他にも、大型ワークや複雑な形状のワークを簡単に直接測定ができるなど、色々と優れた特徴や様々なオプションを用意しています。 すでにアメリカでは、航空機業界で実績を上げていますが、幅広いニーズに対応できる製品だと思いますので、当社としてはまず自動車/航空機業界にスポットを当てて事業を展開していきます。 今後の展開についてお聞かせ下さい小川(晴) : 当社は、今年で10 期目に入っていきますが、従業員も少しずつ増えてきたことでサービス体制を確立させ、ようやく私の中では基盤ができたと思っています。そして、販売チャンネルをもっともっと広げていくことも必要であり、多くの方に当社の取り扱っている技術ある製品を紹介し、より安心してお使い続けて頂くことが、次のステップだと考えています。 ものづくりにおける加工/研磨/測定をリンクさせ、お客様の要望にもアドバイスができる、オンリーワンの装置の提案を心がけていきます。 そのためには、販売拠点もこの本社だけでは対応しきれませんので、東海地区や関西地区にも拠点を設けたいと検討しています。そして、会社の規模を少しずつですが大きくしていくことにより、幅広い業界に紹介していくことができると考えています。その結果、当社に相談して頂ければ、加工/研磨/測定といったループする3つのことに関して、手助けしてくれる会社であると認識して頂けると思います。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真5 非接触表面欠陥測定機写真4 非接触表面粗さ測定機『ARINNA』 『4D InSpec サーフェイスゲージ』 写真6 『4D InSpec サーフェイスゲージ』の測定例