ブックタイトルメカトロニクス3月号2018年

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概要

メカトロニクス3月号2018年

12 MECHATRONICS 2018.3 御社の概要などについて お聞かせ下さい小川(晴) : 当社は、2009 年7月に設立した会社で、今年10 期目を迎えます。設立当初より、超精密の加工/研磨/測定といった3つの柱を軸に、基本的には光学メーカーや光学業界のお客様を中心に様々な提案を行っています。 会社設立の経緯としては、私たちの父親である社長が、元々光学業界に携わる仕事を40 年程やってきたことがきっかけになっています。最初は、英国系企業のランクテーラーホブソン社に勤めていましたが、今から20 年程前にそのメーカーを退社し、その後米国光学計測器メーカーであるZygo 社の日本法人の立ち上げを任されることになりました。 そして、10 年間勤め上げた60 歳の時にそのメーカーを退社したのですが、社長の中では、そのZygo社時代は測定機しか扱えなかったけれど、日本のお客様には「加工」、「研磨」、「測定」という3つが必ずリンクしてくるという想いをもっていたようです。でも、1 社でそれらを賄える所というのは、日本国内を見ても商社を含めてなかなか見つけるのは難しい状況でした。そのため、もう1 度チャレンジするつもりで、その3つを賄える会社をつくりたいと思ったのが、当社を設立した経緯になっています。 光学業界を中心に、加工/研磨/測定に関する製品で国内にはあまり類似するものがないような製品の総代理店として事業展開するイネイブル株式会社。最近では、光学業界だけでなく自動車/航空機業界にもスポットを当てている同社の概要と取り扱い製品などについて、統括営業責任者 小川 晴久 氏、マーケティング&営業担当 小川 雄也 氏にお話を伺った。イネイブル株式会社統括営業責任者小川 晴久 氏マーケティング& 営業担当小川 雄也 氏加工/研磨/測定に関する様々なユーザーニーズに対応~光学業界だけでなく自動車/航空機業界にも事業を展開~ 設立時は、社長を含め3 人からのスタートで、私達はそれぞれ途中入社になります。そして、社長が築き上げてきた長年の信頼関係から、徐々に海外のサプライヤーなども支援して下さり、今までの商社から当社に販売の権利を譲渡して頂けるようになっていきました。また、お客様に対してどれだけのものをプロデュースして、結果どれだけお役に立てるのかということから、ただ販売して終わりではなく、その後のアフターサービスまでしっかりフォローする体制を整えていきました。そのような中、加工/研磨/測定に関する製品で日本のマーケットにありそうでないようなラインアップを徐々に増やしていき、現在では海外メーカー12 社と取り引きを行っています。ただ、今後も良い製品があれば、増やしていきたいと思っています。 当社の取り扱っている製品は、すべて総代理になっていますが、例えば国内大手の測定機メーカーなどとバッティングするような製品は取り扱っていません。会社の規模的にも厳しいことは分かっていますし、自社でサービスができないようになる製品は売り切りになってしまうので、まだ手を出したくないということもあり、今は現在取り扱っている製品の土台つくりに力を入れています。 そのため、最近お客様からは面白い製品を取り扱っているという声も頂いています。国内の商社からは、「こんな製品はないですか?」といったその商社がお客様から受けた相談を当社に相談されるケースもあり、徐々に知名度を上げている状況です。 御社が取り扱われている製品を いくつかご紹介下さい小川(晴) : まず加工では、アメリカのMoore Tool社とその子会社であるNanotech 社が共同で開発した次世代型の超精密4 軸ジググラインディングセンタ『ナノテク 400UPJGv1』を紹介します(写真1)。この製品は、Moore Tool 社の治具研削盤に、Nanotech 社で培われたNCや超精密などの技術を融合させた次世代の新しいジググラインディングセンタで、治具研削盤ではなくマシニングセンタの一部良い所も取り入れています。 今までの治具研削盤は、穴をあけることなどがメインになっていましたが、この製品はオプションで30 本のツール用オートマチックツールチェンジャーが装備できるため、ミーリング加工も行うことが可能になっています。主な特徴としては、①穴の真円度:0.5μm 以内、②穴の位置決め精度:±0.5μm以内 Over 100mm、③デュアルリニアモータ駆動と高剛性油静圧軸受、④各軸のフィードバック分解能:1nm、⑤高度な軌道計算のための20,000ブロック先読み機能搭載、などが挙げられます。 また、加工機の上に装着するツールシステムして、アメリカのMicro-LAM社が開発したレーザアシスト切削装置『OPTIMUST+1』を紹介します(写真2)。この製品は、昨年の8月より取り扱いを開始したばかりで、当社の中では新製品に位置付けされています。この製品を既存の鏡面加工機に装備することで、シリコン、ZnS、CaFz、ZnSe、MgO、超硬(WC)といった難削材の鏡面加工が可能になります。主な特徴としては、①高切削速度による生産性向上、②ツール寿命の改善、③ダイヤモンドツールによる難削材の切削加工、④対投資効果の向上、などが挙げられます。 次に研磨では、イギリスのZeeko社が開発した形状修正ポリシング機を紹介します(写真3)。Zeeko社は、主に光学部品やその他複雑写真1 超精密4軸ジググラインディングセンタ『ナノテク 400UPJGv1』 写真2 レーザアシスト切削装置『OPTIMUST+1』 写真3 Zeeko社製形状修正ポリッシング機