ブックタイトルメカトロニクス2月号2018年
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メカトロニクス2月号2018年
44 MECHATRONICS 2018.2 先月号の「(連載)ものづくりと地球環境」では、“環境問題の重要性を示すブループラネット賞”と題して、旭硝子財団が創設した地球環境国際賞を取り上げ、同制度の概要を紹介し、その第1回から第4回までの受賞業績の概要を紹介した。今月号では、その続きとして第5回(1998年度)から第23回(2014年度)までの受賞業績を紹介する(前号の目次は<図表2>の通り1))。日本産業洗浄協議会 名誉理事 相模環境リサーチセンター 所長 小田切 力旭硝子財団(The Asahi Glass Foundation)、ブループラネット賞(Blue Planet Prize)環境問題の重要性を示すブループラネット賞~(その2)受賞業績(続2)~【第191回】■歴代受賞者とその業績等(前号に続く)(9)1996年度(第5 回a)・ウォーレス・S・ブロッカー博士(Dr. Wallace S.Broecker、米国、1931~)・コロンビア大学 ラモント・ドハティ地球研究所教授・地球規模の海洋大循環流の発見や海洋中の二酸化炭素の挙動解析等を通して、地球気候変動の原因解明に貢献。(10)1996年度(第5 回b)・M.S.スワミナサン研究財団(The M.S. SwaminathanResearch Foundation(MSSRF)、インド、代表者:M.S.スワミナサン博士、1988~)・持続可能な方法による土壌の回復や品種の改良を研究してその成果を農村で実証し、「持続可能な農業と農村開発」への道を開いた業績。 (11)1997年度(第6 回a)・ジェームス・E・ラブロック博士(Dr. JamesLovelock、英国、1919~)・英国オックスフォード大学グリーンカレッジ名誉客員教授・超高感度分析器を開発して、環境に影響する微量ガスを世界に先駆けて観測し、さらに「ガイア仮説」の提唱により人々の地球環境への関心を高めた功績。(12)1997年度(第6 回b)・コンサベーション・インターナショナル(Conservation International(CI)、本部:ワシントンDC(米国)、1987 ~)・地球の生物多様性を維持するため、環境を保護しながら地域住民の生活向上を図る研究とその実証を効果的に推進した業績。(13)1998年度(第7 回a)・ミファイル・I・ブディコ博士(Prof. Mikhail I.Budyko、ロシア、1920~ 2001)・ロシア国立水文学研究所気候変化研究部長・地球気候を定量的に解析する物理気候学を確立して、二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化や、核戦争による気候寒冷化を世界に先駆けて予測した業績。(14)1998年度(第7 回b)・デイビッド・R・ブラウワー氏( Mr. David R. Brower、米国、1912~2000)・地球島研究所理事長・環境保全の問題点を科学的に解析して、市民と連帯して多数の米国国立公園の設立に尽力、さらに国際環境NPO活動の基盤を構築。(15)1999年度(第8 回a)・ポール・R・エーリック博士(Dr. Paul R. Ehrlich、米国、1932~)・スタンフォード大学保全生物学研究センター所長、スタンフォード大学人口学教授・生物科学部教授・「保全生物学」や「共進化」を発展させると共に、保全生物学の構築者の一人として、この視点から地球環境保全のために人口の爆発的増加に警鐘を鳴らして地球環境保全を広く提言。(16)1999年度(第8 回b)・曲格平(チュ・グェピン)教授(Prof. Qu Geping、中華人民共和国、1930 ~)・全人代・環境資源保護委員会委員長、中華環境保護基金会理事長・中国に、科学的な調査に基づいて独自の環境保全の法体系を確立すると共に、環境政策や管理システムを構築して、広大な国土の保全に尽力した功績。(17)2000年度(第9 回a)・ティオ・コルボーン博士(Dr. Theo Colborn、米国、1927~ 2014)・世界自然保護基金(WWF)科学顧問・「環境ホルモン」が人類や生物に及ぼす脅威を系統的な調査により明らかにし、その危険性を警告。(18)2000年度(第9 回b)・カールヘンリク・ロベール博士(Dr. Karl-HenrikRobert、スウェーデン、1947 ~)・環境組織「ナチュラル・ステップ」理事長、ヨーテボリ大学資源学教授・持続可能な社会が備えるべき条件とそれを実現するための考え方の枠組みを科学的に導き、企業等の環境意識を改革。(19)2001年度(第10回a)・ロバート・メイ卿(Lord(Robert)May of Oxford、オーストラリア、1938~)・英国王立協会会長・生物個体数の推移を予測する数理生物学を発展させて、生態系保全対策のための基盤を提供してきた業績。(20)2001年度(第10回b)・ノーマン・マイアーズ博士(Dr. Norman Myers、英国、1934 ~)・オックスフォード大学グリーンカレッジ名誉客員教授・生物種の大量絶滅を先駆的に警告するなど、新たな環境課題を常に提起して環境保全を重視する社会の規範を提示。(21)2002年度(第11回a)・ハロルド・A・ムーニー教授(Prof. Harold A. Mooney、米国、1932~)・スタンフォード大学生物学部教授・植物生理生態学を開拓して、植物生態系が環境から受ける影響を定量的に把握し、その保全に尽力してきた業績。(22)2002年度(第11回b)・J・ガスターヴ・スペス教授(Prof. James GustaveSpeth、米国、1942 ~)・エール大学森林・環境学部長・地球環境問題を世界に先駆けて科学的に究明して、問題解決を国際的に重要な政治課題にまで高めた業績。(23)2003年度(第12回a)・ジーン・E・ライケンズ博士(Dr. Gene E. Likens、米国、1935 ~)・生態系研究所理事長兼所長及び・F・ハーバート・ボーマン博士(Dr. F. Herbert Bormann、米国、1922~2012)・エール大学名誉教授・小流域全体の水や化学成分を長期間測定して、生態系を総合的に解析する世界のモデルとなる新手法を確立した功績。(24)2003年度(第12 回b)・ヴォー・クイー博士(Dr. Vo Quy、ベトナム、1929~)・ベトナム国家大学ハノイ校 自然資源管理・環境研究センター教授・戦争により破壊された森林を調査して、その修復および保全に尽力し、環境保護法の制定や生物種の保護にも貢献した功績(25)2004年度(第13 回a)・スーザン・ソロモン博士(Dr. Susan Solomon、米国、1956 ~)・米国海洋大気庁 高層大気研究所 上級研究員・南極のオゾンホールの生成機構を世界で初めて明らかにし、オゾン層の保護に大きく貢献した業績。(26)2004年度(第13 回b)・グロ・ハルレム・ブルントラント博士(Dr. GroHarlem Brundtland、ノルウェー、1939 ~)・「環境と開発に関する世界委員会」委員長、元ノルウェー首相、WHO 名誉事務局長<図表2>前号の目次ものづくりと地球環境(第190回)環境問題の重要性を示すブループラネット賞~(その1)ブループラネット賞表彰制度と受賞業績~■ブループラネット賞について(1)設立の趣旨(2)対象分野■受賞者の選考■歴代受賞者とその業績等(1)1992年度(第1回学術賞):真鍋淑郎博士(2)1992年度(第1回推進賞):国際環境開発研究所 ( IIED)(3)1993年度(第2回学術賞):チャールズ・D・ キーリング博士(4)1993年度(第2回推進賞):国際自然保護連合(IUCN)(5)1994年度(第3回学術賞):オイゲン・サイボルト博士(6)1994年度(第3回推進賞):レスター・R・ブラウン氏(7)1995年度 (第4回学術賞):バート・ボリン博士(8)1995年度(第4回推進賞):モーリス・F・ストロング氏キーワード