ブックタイトルメカトロニクス1月号2018年

ページ
11/52

このページは メカトロニクス1月号2018年 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

メカトロニクス1月号2018年

MECHATRONICS 2018.1 11所在地:U R L:事業内容:相模原市中央区http://www.servotechno.co.jp電子制御機器の設計/製造/販売。サーボテクノ株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の追求を計りながら、低価格を実現した製品で、電源は単一電源によりAC/DCどちらでも可能です。電源電圧範囲は、AC16~110VまたはDC20~150Vになります。ホール素子を使った小型で高性能な電流センサを使用しているため、ノイズの影響がない安定した電流制御が可能です。 また、リニアアンプタイプの主力となるのが、DCサーボドライバ『LPVシリーズ』(写真2)になります。この製品は、超精密ボイスコイル型リニアモータを、高速に位置決めするために開発しました。超高速位置決めを実現するため、位置アンプは当社独自の制御方式(PLL 回路)を採用しています。電力制御は、リニアアンプ方式を採用することで、ノイズレス、高速応答、リニアなトルク制御を実現し、ナノメータ単位の超精密位置決めを可能にします。リニアアンプの周波数特性は、抵抗負荷時 : DC~20kHzです。 それから、DCモータだけでなくACモータにも使えるPWMアンプタイプのサーボドライバ『PMCBシリーズ』(写真3)も用意しています。この製品は、リニアスケール付きシャフトモータを速度/トルク/位置決め制御を実現するために開発しました。指令は、位置/速度制御に関してはパルス列入力、トルク制御に関してはアナログ電圧を入力します。また、USB 通信による制御も可能です。自動力率検出機能を内蔵しているので、ポールセンサレスでACサーボモータを駆動できます。さらに、パラメータ変更により、汎用のサーボドライバとして使用することも可能です。電源は、24V3A(PMCB224)/ 48V9A(PMCB448)単一電源で、電源電圧範囲は、DC20 ~40V(PMCB224)/ DC20 ~55V(PMCB448)になります。 次に、レゾルバデジタル変換器『RD1416』(写真4)を紹介します。レゾルバデジタル変換器は、IC化されている製品は市場に普及されていますが、当社のように基板化した製品は非常に珍しく、ユニークな発想だと思います。この製品は、レゾルバのアナログ信号を2 相エンコーダ信号(A 相、B相)に変換して出力します。分解能は、10 / 12 / 14 /16ビットに設定できます。また、ACサーボモータのポールセンサU /V /W 信号を出力するので、モータ側に付ける必要がありません。最高回転数: 2500rps(10ビット設定時)、最大出力周波数 :8.19MHz(16ビット時)を実現します。エンコーダを使用したシステムをレゾルバに変更することが簡単にできるため、産業用機器/自動車の制御システムなどのモータ制御/ステアリング制御/スロットル制御などの用途に適しています。 あとは、最近発売した3相ブラシレス永久磁石同期モータ(BLDC)用のセンサレスドライバ『SPDRV01-OP1』(写真5)を紹介します。この製品は、スピンドルモータを制御するために開発しました。低オン抵抗のパワーFETを採用し、パワー素子の発熱が小さくなり放熱用フィンがありません。電源は単一電源で、DC12~24Vと電源の入力範囲が広く、モータに応じた最適な電源が入力できます。その他にも、ダイナミックブレーキ内蔵、過大電圧(回生)保護、過熱保護、出力短絡保護、低電圧検出誤動作防止、出力電流モニタ、逆起電圧モニタなどの特徴をもっています。そして、小型ポンプ、スピンドルモータ、測定器などの用途に適しています。 今紹介した主力製品以外にも、お客様のニーズにより開発した使い勝手の良い精密位置決め関連製品を色々とラインアップしており、またそれらの標準品だけでなく、標準品をベースにしたOEMでの展開も行っています。さらに、様々な研究機関や企業において、当社の標準品を応用した製品開発も行われています。 御社の標準品がどのような製品開発に 応用されているのかお聞かせ下さい井手 : 2014年12月3日に、種子島宇宙センターから『H-IIAロケット26 号機』により打ち上げられた、小惑星探査機『はやぶさ2』などとともに搭載された超小型深宇宙探査機『PROCYON(プロキオン)』の小惑星フライバイ観測装置に、当社のAC /DC サーボドライバ PWMアンプ『PMCB224』が採用されています(写真6)。 『PROCYON』は、東京大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発を手掛けた超小型深宇宙探査機で、東京大学の先生からご連絡を頂いたのがきっかけになっています。宇宙で使用されるため、かなり制限の厳しい仕様が要求されましたが、当社としてもこのプロジェクトに参加することは非常に名誉なことであるとともに、技術の向上にも繋がると思いお受けしました。 また、産業分野の色々な製品に応用するとともに、病院で使われている配膳車や学校などで使われるサーボ制御の学習用教材にも応用した実績があり、幅広い分野において様々なモータ制御のニーズに対応しています。 今後の展開についてお聞かせ下さい井手 : 現状は、国内を中心とした事業展開を行っていますが、今後は海外も視野に入れた事業展開を進めて行きたいと考えています。その第一段階として、今年から韓国に当社の支店的な拠点を設置しています。 これは、私が以前勤めていた会社の時から交友のある、韓国の大手企業でエンジニアをやっていた友人が、独立を考えていたことがきっかけになっています。実際には、今のところ当社からの資本は入れていませんが、社名を使わせてほしいということで、「サーボテクノ コリア」という名称でスタートさせています。現状のスタッフは、その友人だけですが、エンジニア関連の人脈はかなりあるようで、休日などを利用して色々と手伝ってもらっているようです。 当社としても、少しずつ仕事を依頼しており、今後は標準品の販売も任せていきたいと思っています。また、その拠点を中心に少しずつ事業展開の規模を広げていければと考えています。 それから、製品開発についても力を入れていきます。最近では、大手メーカーがコストダウンしたパワーモジュールをどんどん製造しているので、そのパワーモジュールをコアに製品開発している当社としても、製品開発しやすい環境になってきています。 このようなチャンスを活かし、現在は自動車関連分野に向けた製品開発を行っています。これは、標準品を応用したOEM 製品になりますが、今後も幅広い分野の様々なニーズにチャレンジしながら、製品開発していきたいと考えています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真5 センサレスドライバ『SP-DRV01-OP1』写真6 超小型深宇宙探査機『PROCYON(プロキオン)』の小惑星フライバイ観測装置写真4 レゾルバデジタル変換器『RD1416』