ブックタイトルメカトロニクス12月号2017年
- ページ
- 45/52
このページは メカトロニクス12月号2017年 の電子ブックに掲載されている45ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは メカトロニクス12月号2017年 の電子ブックに掲載されている45ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
メカトロニクス12月号2017年
MECHATRONICS 2017.12 45築を行っている。 こうした環境への取組は、「国際環境リゾート」としてのまちのブランド化にも寄与しており、町の人口は1990 年の4,511 人から、外国人や観光事業者の移住等により、現在は5,000 人を超えるまでに回復してる。・本件の「環境白書」中での掲載個所: “(3-4)国立公園を活用したインバウンドの意義 ①国立公園満喫プロジェクト”(p86)・本件に関連するキーワード:国際環境リゾート、国立公園満喫プロジェクト、支笏洞爺国立公園、ニセコ積丹海岸国定公園(21)【事例⑯】東京都によるグリーンボンド発行の動き グリーン・ボンド(green bond)とは、温室効果ガス削減や環境対策など、気候変動問題に取り組むプロジェクトに必要な資金を調達するために自治体や企業が発行する債券をいう。2008 年11 月14 日に国際復興開発銀行がスウェーデンコロナ建グリーンボンドを発行したのがその始まりと言われている。欧米では世界銀行が同債券を発行するなどの進展が見られるが、日本国内での取り組みは限定的だった。 小池百合子東京都知事は2016 年10 月2 日に、都がグリーンボンド発行を計画していることを明らかにし、同年12月に東京都は「東京環境サポーター債」を発行した。・本件の「環境白書」中での掲載個所: “(3-5)環境金融等の拡大 ①ESG投資の促進”(p91)・本件に関連するキーワード:ESG投資、グリーン・ボンド、グリーン投資、社会貢献債(22)【コラム⑤】カーボンプライシング 「カーボンプライシング(Carbon Pricing、炭素の価格付け)」とは、炭素の排出量に価格付けを行うことで、主に政府規制による「カーボンプライシング施策」と民間企業 の自発的な「インターナル・プライシング」とに大別される。 二酸化炭素(CO2)に価格を付け、企業や家庭が排出量に応じて負担することで、CO2の排出削減を促す施策を総称している。主な施策に、化石燃料の使用に伴うCO2排出量に応じて課税する「炭素税」と、CO2の排出超過分や不足分を国同士や企業間で取引する「排出量取引制度」がある。炭素税は1990 年代より欧米を中心に導入が進み、排出量取引制度は2005年に欧州連合(EU)が導入して以降、北米やアジア諸国でも導入が広がっている。 2017 年現在、日本では「地球温暖化対策税」として炭素税が導入されているが、諸外国に比べて税率は極めて低い水準にある。また、排出量取引制度も一部の地方自治体での導入に留まっており、全国的な制度の実現には至っていない。 日本は2016 年に発効した地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づき、温室効果ガスの排出を2050 年までに80%削減する目標を掲げていることから、環境省がカーボンプライシング制度の本格的な導入を検討中で、2018 年度前半までに提言をまとめるとしている(2017 年5 月12 日、山本公一環境相が閣議後の記者会見にて)。 既に世界で我が国を含む40の国と24 の地方政府が、何らかのカーボンプライシング施策を導入・検討しているとのことである。・本件の「環境白書」中での掲載個所: “ (3-5) 環境金融等の拡大 ①ESG投資の促進”(p91)・本件に関連するキーワード:地球温暖化、カーボン・オフセット、熱帯林、海洋の酸性化、オフセット・クレジット、カーボンプライシング(炭素の価格付け)制度、炭素税、排出量取引制度(2017 年10 月10 日記)<参考資料>1)環境省編:「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」日経印刷(株)(2017.6)全文は以下のウェブサイトに掲載されている。http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h29/index.html2)地球環境戦略研究機関、名城大学、国立環境研究所:「2015年度環境経済の政策研究 2050 年までの温室効果ガス大幅削減に向けた経済的措置に関する調査・検討・研究報告書」環境省(2016.3)133pえ、フジバカマやフタバアオイといった希少種も選定されており、京都の伝統文化と関わりの深い植物の普及啓発の場や希少種の避難場所(レフュージア)としても機能している。 京都駅ビルの「緑水歩廊」は、「ビル型雨庭」として2012年に設置された。・本件の「環境白書」中での掲載個所:“ (3-3)持続可能なまちづくり ③グリーンインフラの取組”(p84)・本件に関連するキーワード:レフュージア、雨庭(レインガーデン)、植栽、枯山水、山里、緑水歩廊(15)【事例⑫】空き家となった古民家と集落丸山の再生(兵庫県篠山市) 兵庫県篠山市の山あいにある丸山集落では、築150年以上の古民家と豊かな里山が織りなす美しい景観が見られる。しかし、かつては12軒のうち7軒が空き家となり、農地の多くが放棄され限界集落と言われていた。集落の将来に危機感を持った住民、篠山市の職員、専門家等が2008 年からワークショップを繰り返し開催してビジョンを練った。そして、2009年から住民が立ち上げたNPO法人集落丸山と中間支援組織である一般社団法人ノオトが有限責任事業協同組合丸山プロジェクトを立ち上げ、3 軒の空き家を宿泊施設やレストランとして再生した。 現在、海外からも宿泊客が訪れるなど丸山プロジェクトそのものが成果を上げるだけでなく、耕作放棄地を都市部の住民が借りて農業を始めるなど集落全体の再生につながってきている。・本件の「環境白書」中での掲載個所:“ (3-3)持続可能なまちづくり ④ストックの適切な維持管理・有効活用”(p85)・本件に関連するキーワード:古民家、限界集落、集落丸山、丸山プロジェクト、エコツーリズム、グリーンツーリズム(16)【 事例⑬】門前町の再生(長野県長野市) 長野県長野市は千年以上の歴史を持つ善光寺の門前町を中心に栄えてきた。しかし、近年は長野駅周辺や郊外に人口が移動し、門前町は空き家が目立つようになってきていた。このような中、2000 年代前半頃から地元誌の編集者、建築家、デザイナー等がそれぞれ空き家や空き店舗等を再生して、活動や営業の拠点とする取組を始めた。 また、2003年には地元の商工会議所、長野市、企業等が出資する(株)まちづくり長野が設立され、住民による保存活動が行われていた古い商家や蔵を、飲食店や音楽会等が開催される中庭等として再生する事業等が行われた。 さらに、2009 年から建築家、デザイナー等が有限責任事業協同組合を設立して古い木造家屋や蔵等をカフェ、書店、シェアオフィス等に一体的に再生する事業や空き家見学会等を行う「長野・門前暮らしのすすめ」という連携プロジェクト等が行われるようになり、2010年には空き家・空き店舗の仲介、設計、施工、賃貸管理を行う企業も設立された。現在までに、門前町の多くの古い空き家や空き店舗が再生され、善光寺の門前町としての歴史や文化を踏まえつつ新たな活気にあふれる門前町に生まれ変わっている。 この取組を環境の視点で見ると、古い建築物を解体し新たな建築物に建て替えた場合に比べて廃棄物発生量や資源投入量の大幅削減を同時に実現した取組と言える。現在、門前町以外の中心市街地にも同様の取組が広がっている。・本件の「環境白書」中での掲載個所:“ (3-3)持続可能なまちづくり ④ストックの適切な維持管理・有効活用”(p86)・本件に関連するキーワード:門前町(17)【事例⑭】空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく行政代執行(東京都板橋区) 東京都板橋区において、所有者がため込んだごみや建物の老朽化により、1995 年頃から近隣住民の生活に重大な悪影響を与える状態が続く家屋があった。板橋区では関係部署が連携して指導や説得を行い、敷地外にはみだしたごみの一部撤去を実施するなどの対応を行ってきたが、抜本的な解決には至らなかった。 2015 年に所有者が亡くなり、同年に空家等対策の推進に関する特別措置法が完全施行されたことを受け、庁内検討会議や学識経験者等で構成される協議会での意見聴取等を経て、2017 年1月17 日から行政代執行を実施し、2017 年3月30日までに建物及び敷地内の残置物の撤去を行った。・本件の「環境白書」中での掲載個所:“ (3-3)持続可能なまちづくり ④ストックの適切な維持管理・有効活用”(p86)・本件に関連するキーワード:行政代執行(18)【本文より①】先行的取組の8国立公園におけるステップアッププログラム2020 政府は2016 年3 月に「明日の日本を支える観光ビジョン」をまとめ、環境省はそれに基づいて「国立公園満喫プロジェクト有識者会議」を設置した。同会議は、2016 年12 月に「国立公園ステップアッププログラム2020」を策定、八つの国立公園を対象として、インバウンド拡大を図り、世界水準の「ナショナルパーク」を目指すとしている。 八つの国立公園は、阿寒国立公園、十和田八幡平国立公園、日光国立公園、伊勢志摩国立公園、大山隠岐国立公園、阿蘇くじゅう国立公園、霧島錦江湾国立公園、慶良間諸島国立公園。・本件の「環境白書」中での掲載個所: “(3-4)国立公園を活用したインバウンドの意義 ①国立公園満喫プロジェクト”(p88)・本件に関連するキーワード:国立公園、国立公園満喫プロジェクト(19)【コラム④】やんばる国立公園と奄美群島国立公園 ~世界自然遺産に向けた新たな国立公園~ 2016 年9月にやんばる国立公園(沖縄県)が、2017 年3 月に奄美群島国立公園(鹿児島県)が新たな国立公園として指定された。 やんばる国立公園は、沖縄島北部(通称:やんばる)に位置し、国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、琉球列島の形成過程を反映して形成された島々の地史を背景に、ヤンバルクイナなど多種多様な固有動植物や希少動植物が生息・生育し、石灰岩の海食崖やカルスト地形、マングローブ林など多様な自然環境を有している。 また、奄美群島国立公園は、奄美大島、徳之島、喜界島、沖永良部島及び与論島が対象で、アマミノクロウサギ等の固有動植物が生息・生育し、国内最大規模の亜熱帯照葉樹林、琉球石灰岩の海食崖や世界的北限に位置するサンゴ礁、マングローブ、干潟など多様な自然環境を有している。 今回指定した奄美大島、徳之島、沖縄島北部やんばる地域及び西表島を合わせて、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として、2018 年夏の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産への登録を目指して、2017 年2 月に推薦書を提出している。 2015 年度の環境省「環境経済の政策研究」2)によると、奄美大島では世界自然遺産に登録されると、観光客が1.4 倍に増加すると予測されている。エコツーリズム等の活用によって、貴重な自然環境を守りながら、地域の活性化にもつながるような仕組みづくりが求められている。・本件の「環境白書」中での掲載個所: “(3-4)国立公園を活用したインバウンドの意義 ①国立公園満喫プロジェクト”(p88)・本件に関連するキーワード:国立公園制度、世界自然遺産、海食崖、波食崖、カルスト地形、亜熱帯照葉樹林、ステップアッププログラム(20)【事例⑮】観光と環境の好循環によるまちづくり(北海道ニセコ町) 北海道ニセコ町は、内閣府の環境モデル都市として、地域の自然資源を最大限活用し、2050 年度のCO2排出量86%削減(1990年度比)という高い目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入、温泉熱の利用、雪氷熱を利用した農産物の保管等により、低炭素まちづくりに取り組んでいる。同時にリゾート地として、年間約170万人の観光客が訪れる中で、住民だけでなく観光客にも環境配慮行動を促す仕組みの構