ブックタイトルメカトロニクス9月号2017年

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概要

メカトロニクス9月号2017年

MECHATRONICS 2017.9 11所在地:U R L:事業内容:愛知県豊橋市http://www.edeclinsey.jp画像処理機器の設計/製造/販売、電子機器受託設計/生産(EMS)、制御盤の設計/製造/販売、ソフトウエアの受託開発/販売、生産設備の設計/製造/販売。株式会社 エデックリンセイシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・動車部品など、幅広い分野で実績があります。 次に、こちらも主力の1つであるコントローラ事業について説明します。コントローラといっても色々種類があり、当社はカスタムNCコントローラから小型モータコントローラまでを提供しています。NCコントローラについては、PCベースNC、専用基板開発などのハードウエア開発、モーション制御、ソフトウエアPLCなどのソフトウエア開発を行っています。モータコントローラについては、小型化や制振制御などの高度なモータ制御、サーボモータやステッピングモータなどのドライバ一体型コントローラの開発を行っています。また、画像処理と連動したモーションコントローラにも対応しており、それが当社の強みになっています。 この事業では、旋盤/ルータ/マシニングセンタといった工作機械、搬送システム、ロボットなどの分野で実績があります。 次に、制御盤事業について説明します。この事業は、リンセイシステムの主力として行っていたもので、現在もそれを引き継いでおり、主にFA向けの制御盤を提供しています。設計から製造までのすべてを短納期と低コストで対応し、制御盤の小型化や省配線化などの提案/設計に強みをもっています。実績としては、やはりFA 向けが中心となっていますが、最近ではエネルギー関連などの他分野にも少しずつ実績を出しており、例えば発電所やオフィス向け空調機器の制御盤も提供しています。 この事業は、急激に伸びていくというものではありませんが、安定している分野なので、今後は少しずつ間口を広げながら進めていきたいと考えています。 次に、基板開発事業について説明します。この事業では、例えばカメラやフレームグラバボードにも基板が入っていますが、そこでデータを高速に処理する必要があります。このような高度な技術を活かし、カスタムで色々な基板の設計受託などを展開しています。その中には、「カメラを専用でつくってほしい」とか「FPGAのソフトウエアだけをお願いしたい」など色々なニーズがありますが、そういった内容にも対応することができ、それが当社の強みとなっています。 基板製造のみのお仕事もお受けしていますが、できるだけ設計と製造のセットでご提案しています。この事業では、特にFPGAを使った設計や、高速通信の回路設計に関する高い技術をもっているので、これらの技術を活かして事業展開しています。 次に、精密組立事業について説明します。この事業では、マウンタヘッドの組み立てが中心になりますが、精密かつ複雑な機構部品の組み立てを行っています。IoTによるペーパレス化、IE分析による高効率量産ライン技術の構築にも取り組んでいます。先程お話した2500 万画素高解像度カメラも、クリーン工程を含む製造ラインを構築し、すべて内製製作しています。 最後は、受託装置開発について説明します。この事業では、当社の製造技術を活かした受託サービスを行っており、納入後のメンテナンスやアフターフォローにも対応しています。特に画像処理関連の装置が多いのですが、最近ではそれ以外の装置も増えてきています。また、装置として一括請負の他に、ソフトウエア単体の開発などにもフレキシブルに対応しています。 この6つの事業を展開していますが、主力の画像処理関連事業と、コントローラ事業をさらに伸ばしていきたいと考えています。 現在の主力となる製品を いくつかご紹介下さい杉浦 : まずは、昨年の夏に販売を開始した0201 対応実装精度計測顕微鏡『Eagle Scope』を紹介します(写真1)。この製品は、基板実装ラインの工程組み替えの際や、量産基板の抜き取りチェックによる実装精度の測定に使用できます。部品ごとの位置のばらつきや傾向などをミクロン単位で測定することが可能な、品質を確認するためのオフライン計測機になります。 大きな特徴としては「自動計測データ生成」で、例えば富士機械製造ですと同社製ライン管理システム『Nexim』や『FUJI Flexa』、他社ではCADデータから計測データを自動生成することが可能です。変換だけなら1,200点を約30 秒で行え、前後の作業を入れても30分から1時間ほどで実際の測定に入れるため、従来測定データ作成に1日を費やしていたのに比べて圧倒的に時間短縮ができ、現場向けに特化した製品になっています。 オートフォーカス機能を搭載していますが、3D 測定には対応していないのでその分価格を抑えて、通常は工場に1 台設置の所、現場の1フロアに1 台ずつの設置を目指しています。また、基板実装測定だけでなく、メタルマスク検査に対応したモデルも新たに開発し、9月1日より受注開始予定です(写真2)。その他にも、半導体検査に応用できないかという問い合わせを頂いていますので、研究開発を進めて今後の拡販に期待している状況です。 次に、画像処理関連事業の主力製品である2500万画素の高速/高解像度CMOSカメラ『VI-SAI2』を紹介します(写真3)。この製品は、筐体体積を当社従来モデルと比較して約59%削減しているほか、高感度センサを搭載し、今までより低ノイズ、高ダイナミックレンジを実現しています。また、2500 万画素で最高32fps の高速撮像が可能です。さらに、最大32個所の部分切り出し機能を搭載し、必要な部分のみ撮像することで、より高速な撮像が可能といった特徴をもっています。実績としては、半導体、液晶、太陽電池などの検査で採用されている製品になります。 次に、コントローラ事業の主力製品で、手のひらサイズのプログラマブルモータコントローラ『Quail(クエール)』を紹介します(写真4)。この製品は、小型設計により装置の組み込みに適しており、可動部の近くにも配置できます。プログラム運転機能の搭載により単独運転ができ、上位装置なしで条件分岐、繰り返し、I/O操作などのインテリジェント制御が可能です。また、ステッピングモータをクローズドループ制御し、低コストで高精度位置決め、脱調レスで高速回転、トルク制御などが可能です。さらに、最大15 軸のデイジーチェーン接続が可能といった特徴をもっています。こちらは、直交ロボットやロボットハンド/アームなどに適した製品になっています。 最後に、当社独自の画像処理技術を活かして開発し、今年の1月に発売したばかりの新製品である円筒内面360°撮像ユニットを紹介します(写真5)。この製品は、円筒状部品内面の傷、バリ、異物などを撮像できるシステムで、円筒内にスコープを入れて回転させることで内面を撮像し、1 枚の合成画像として出力します。コントローラを含めたワンパッケージユニットのため、装置への組み込みが簡単にできます。車載部品などの内面外観検査の自動化に適しており、各種カスタイマイズにも対応しています。 今後の展開についてお聞かせ下さい安田 : 今後は、当社の画像処理やコントローラといった要素技術などを活かして、ロボット関連のシステムインテグレーション的な事業やIoT 分野にも参入していきたいと考えています。その足掛かりとして、当社の生産工場において、ロボット自動化や、タブレット端末やデジタルピッキングの採用によるペーパレスシステムを自導入していきます。それにより、ノウハウを積み重ねていくことで、お客様に色々なシステムの提案を行っていけると思っています。 またIoTのビジネスは、世間ではどちらかというと「見える化」などがメインになっていますが、当社では手作業で行われている部分をターゲットにしており、その工程を如何に効率良く進めるかにより生産性が大きく変ってきます。そのため、IoTによる工程改善をベースにした取り組みと、さらにペーパレス化で効率の良い提案を行う事業を進めたいと考えています。 それから、当社の製品販売は国内がメインになっていますが、今後は中国や東南アジアといった海外にも進出していきます。そのため、現在は販売とサービス網の構築を進めるとともに、海外の展示会に出展する準備などを進めています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真3 高速/高解像度CMOSカメラ『VI-SAI2』写真4 プログラマブルモータコントローラ『Quail(クエール)』写真5 円筒内面360°撮像ユニット