ブックタイトルメカトロニクス8月号2017年

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概要

メカトロニクス8月号2017年

■軸制御、多軸同期制御が可能 デルタ電子(株)では「オープン化」を全体のテーマとし、ブースをいくつかのブロックに分けて様々な製品や技術を紹介していた。 「デルタ自動化ソリューション」のコーナーでは、32台のモータをEther CATで制御する「Ether CAT 同期制御デモ機」を紹介していた。PC ベースド制御装置(PAC)を使用し、その他、AC サーボドライブとAC サーボモータが各32 個、リモートI/Oを12 個で構成。多軸制御、多軸同期制御が可能である、として、多くの来場者の注目を集めていた。 また、同コーナーでは「スカラロボット」(水平多関節ロボット)のデモ展示も行われていた。こちらは、制御/ドライブ一体型ロボットコントローラと、スカラロボット、画像認識システム、タッチパネルで構成したものであり、SCARAは多様なティーチング方法に対応。応用別モジュールを内蔵しており、プログラミング時間の短縮に貢献する。■離れていても充電可能な 無線送電システム 京都大学 産官学連携本部 COI 拠点のブースでは、電動車両向け無線送電システムに関する展示を行っていた。 このシステムは、駐車位置がずれていても安全に送電できる技術の開発が元になっており、受電装置をもつ車両と、送電装置を電源コードで繋ぐ必要も、また決められた位置に車両を止める必要もなく、離れていても充電できる、というもの。ブース内では電動アシスト付き自転車を用いてのデモ展示が行われていたが、この他に、高齢者や身体障害者などにも利用する人が多いパーソナルモビリティへの活用も可能。このシステムによって充電作業が楽になることから、より自由に使えるようになり、さらに、活動範囲も拡大して生活の質の向上に貢献するものとなる。■効率的な無線機器開発に貢献 (株)図研では、複数基板の干渉も考慮した制約定義でEMCを最適化する「システムレベルEMC 設計」に関する展示を行っていた。 これはEMC設計のルールベース化によって、システムレベルでEMC 要因を自動チェックできるもの。回路設計時に、ノイズの要因となる個所や検証ポイントを設定して基板設計に確実に伝達することで、基板設計時にEMC 要因を自動でチェックできる。また、プリント基板設計におけるEMCについても単基板評価だけでなくシステム全体を複合的に評価することがあるが、この環境を導入することによって、無線回路との干渉問題や自家中毒などEMC観点のルールを作成し、電気設計の早い段階からシステム全体でのEMC 設計を実践できるため、手戻りの少ない効率的な設計が行える。■イミュニティ試験時の 局所磁界強度モニタなどに最適 森田テック(株)では、光磁界測定装置『WM3000』を紹介していた。 イミュニティ試験時の局所磁界強度モニタや、大電流/高電圧個所の磁界測定、非接触充電/給電/電力伝送に適する製品で、①磁気光学結晶センサ、②周波数特性: DC~100MHz、③非侵襲性、④メタルフリー、などの特徴を有している。 同じブースでは併せて、第5 世代移動通信システム28GHz 帯アンテナカプラ『MT-868』も展示していた。 同製品は、携帯端末、基地局、無線モジュールの送受信に対応。小型であるため、シールドボックス内でニアフィールドカップリング試験が行える。主な仕様は、送受信周波数 : 27~29GHz、RFコネクタ : 2.92mm、VSWR : 1 : 1.5(typ.)、サイズ : W156×D125×H45mm、となっている。■珪素鋼板を 強固にラミネート(積層)した製品 ハル電子(株)では、トランスリアクトル用コアを独自の積層技術によって高精度ブロック化した製品など、数々の自社製品を紹介していた。 同社では、得意とするACFによる電気接続技術を活かした電子部品組み立ての他、液晶モジュールの組み立て、また、リアクトル/センサ用積層ブロックコアなどを製造している。リアクトル用積層ブロックは、リアクトルに使われる積層ブロックコアを磁気ヘッド製造で培った固有技術を活用して、珪素鋼板を強固にラミネート(積層)している製品。自社開発のカット機から、積層、樹脂塗布、加熱硬化の一貫生産で精度が良く、低コストを実現。エポキシ樹脂120℃硬化により接着強度が強い。利用可能範囲は小型~大型リアクトル用全般で、太陽光発電パワーコンディショナ、EV 充電機、エアコンディショナ、船舶、鉄道車両などへの使用に適している。■簡単、かつ高速に 基板の熱シミュレーションを実施 (株)ソフトウェアクレイドルでは、2次元操作で簡単&高速に基板の熱シミュレーションが行える基板専用リアルタイム熱シミュレーションツール『PICLS』を紹介していた。 同ツールは低価格ながら、2次元操作やプリポスト一体GUIなどの簡単操作ができ、リアルタイム計算ができることが特徴。部品のレイアウトの熱干渉チェックや基板サイズの検討、層数、銅箔厚の検討、配線パターン(残銅率)による放熱効果、サーマルビアの位置、数量検討、ヒートシンク能力の検討、自然空冷/強制空冷、輻射熱の考慮などが可能であり、画面上において、3D 表示でレイアウトの確認ができる他、レイヤーごとの表示確認、ヒートシンク能力の検討、基板の切り抜き、部品の移動に追随したリアルタイムな結果表示、解析結果レポートの出力などが行える。同ツールの他に、上記の機能に制限があるものの、無償版である『PICLS Lite』も提供されている。■自社の豊富な製品を最大限に活用した 「工場モニタリング」 ローム(株)では、「SMART INDUSTRIES BY ROHMTECHNOLOGIES」をテーマに、SiCデバイスなどの各種技術/製品を展示していた。 中でも特に目を引いたのが、同社が展開する様々な種類のセンサや無線デバイスを組み合わせ、産業のスマート化を実現する「IoTソリューション」のコーナーにおける、「工場モニタリング」のデモ。 同社が提案する「工場モニタリング」は、加速度、温度、気圧、照度、カラー、地磁気などのセンサとあらゆる無線を組み合わせて工場内の様々なシーンを見える化する、というもので、モータ振動検知、温度や照度などの工場内環境のモニタリング、クリーンルームにおける気圧モニタリング、不良品検知、搬送機使用状況検知などを、同社の製品のラインアップ、及びそれぞれの特徴/特性の具体的な紹介を交えてパネルで展示していた。 同展示会の次回開催は、2018 年4 月18日(水)~20日(金)、幕張メッセにおいて予定されている。MECHATRONICS 2017.8 49Ether CAT同期制御のデモ展示光磁界測定装置『WM3000』ハル電子(株)のブース京都大学 産官学連携本部 COI拠点のブース(株)ソフトウェアクレイドルのブースローム(株)ブースにおける、「工場モニタリング」の展示「システムレベルEMC 設計」に関する展示