ブックタイトルメカトロニクス7月2017年
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メカトロニクス7月2017年
MECHATRONICS 2017.7 11所在地:U R L:事業内容:東京都品川区http://www.i-compology.com次世代ウッドプラスチックの製造/販売。アイ-コンポロジー株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・きます。そして、容易に塗装することが可能で、木のぬくもり感やしっとり感を出すことができるといった、ユニークな特性を有しています(表1)。 さらに、重要なメリットとして、原料の木粉は森の間伐材を有効に使えることから、日本の森林保全に役立つことができます。現状では、檜がメインになっていますが、杉、トド松、カラ松、竹なども使えることはすでに実証されています。これにより、大切な輸入石油資源からつくる合成樹脂を大幅に節約して使うことになるので、省資源にも役立ちます。身近にある日本の森林資源を燃料でなく工業材料として使えることは、国内の資源を上手に活用することになります。 廃棄する時は、このウッドプラスチックはリサイクルがもちろん可能ですが、最終的に廃棄物になったときには木粉が多く含まれるため、燃えるゴミとして扱えるだけでなく、燃やして発生するCO2が大幅に削減できるので、地球環境にも貢献する複合材料といえます。 現在、御社が進められている 事業展開についてお聞かせ下さい小出 : 現状当社では、このウッドプラスチックを少しでも世に広めていくために、展示会などを通じてPR 活動に力を入れています。すでに、3つの大きな展示会に出展しており、その中で昨年東京ビッグサイトで開催された、材料/機械/技術の展示会である『エヌプラス』に出展した時は、多くの来場者から関心を集め、手応えを感じることができました。 製品展開に関しては、このウッドプラスチックを一緒に開発した協力会社と連携してペレット状にしたものを製造し、当社はその製品を販売していくといったシステムを取っています(写真1)。また、これらの会社ではペレット状にした材料だけでなく、お客様の要望に応じて射出成形した様々な形あるものも製造しています(写真2)。 実はこれらの協力会社は、間伐材が豊富にある地域に事務所があり、自社でも販売を行っていますが、基本的にはその地域を中心としているため、当社がそれ以外の地域をフォローする形で全国展開しています。ゆくゆくは、国内だけでなく海外にもこのウッドプラスチックの技術を発信していき、グローバル展開を視野に入れた事業展開の夢をもっています。 このウッドプラスチックは、今のところ工業材料としての需要はそれほどありませんが、プラスチックの需要が多い自動車業界や家電業界などから試験的に検討したいといった声を少しずつ頂いています。またその他でも、現状使われている様々なプラスチック材や木材に代わる材料として期待できると思っています。当社では、その可能性を少しでも現実に近づけるお手伝いを行っています。 今後の展開についてお聞かせ下さい三宅 : 少しずつではありますが、このウッドプラスチックも射出成形できる複合材料として広がりが見えてきましたので、次は実際に試作して頂き、それぞれのアプリケーションに使って頂けるようなアプローチを行っていきます。そして、様々な分野で使って頂きながら、色々な意見やアイデアをフィードバックして頂くことで、私達も新たな発見などがあると思いますし、それがこのウッドプラスチックを世の中に広げられるきっかけになったり、技術を向上させて製品の改良にも繋げられると考えています。 先程もお話ししましたが、まずは日本国内の需要を増やすための取り組みを進め、この日本発の技術を将来的にはグローバルに発信させていきたいと思っています。海外では、ドイツがプラスチック材料において進んでいる国として知られていますが、この射出成形できるウッドプラスチックの技術については、ドイツでもまだ完全に確立されていないと認識しています。この技術をドイツで広めることができれば、知名度が上がりグローバル展開にも拍車が掛かると思います。ただ、このグローバル展開に関しては、当社の考えであり、今後パートナーとなっている製品を一緒に開発した協力会社と協議が必要かと思っています。 また、国内の事業展開に関しても、現状はまだそれほど需要がないので生産拠点も協力会社で対応できますが、今後需要が伸びてきた時にはどう対応していくか検討しなくてはなりません。それについても、生産拠点を増やすなど、徐々に生産体制の強化を含めて検討したいと思っています。 さらに、木粉の原料となる間伐材は、現状では檜をメインにしていますが、次の原料となる間伐材についても検証を進めています。今のところ、いくつか候補が挙げられて試験なども行っています。 あとは、増え続けている間伐材などの有効活用として、地方自治体などに提案していく取り組みも考えています。地産地消で使うことができれば、地方自治体においても大きなメリットになると思います。 当社としては、この射出成形ができる次世代ウッドプラスチックの発展が、産業界だけでなく、林業の活性化にも繋がっていけば幸いであると考えています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。写真1 ペレット状にした次世代ウッドプラスチック表1 次世代ウッドプラスチックの評価表写真2 次世代ウッドプラスチックを使って射出成型した製品事例