ブックタイトルメカトロニクス6月号2017年

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概要

メカトロニクス6月号2017年

MECHATRONICS 2017.6 45(3)結論①企業規模が大きくなるほど、先進的取組みに対するニーズが高まるため、「先進事例に関する情報提供」や「専門人材確保の支援」といった方策が有効になる。②温暖化問題への関心が低いうちは「費用面」や「基本情報面」での支援策が有効で、関心が高くなるにつれて、更なる取組推進のための「外部支援」が有効になる。■提言:中小企業の取組促進に向けた アプローチ策 本調査結果を踏まえ、日本商工会議所は、中小企業の取組みの実施度合い(①まだ取組みを実施できていない中小企業向け、②ある程度取組みを実施している中小企業向け)により、それぞれの中小企業の傾向・特徴に応じた地球温暖化対策(省エネ対策等)の取組促進に向けたアプローチ策を、以下のとおり提言する(図表2)。 今後、これらのアプローチ策を、中小企業の取組みを支援・サポートする仕組みづくりにつなげていくことが必要である。あわせて、中小企業の実態やニーズ、地域の実情に応じて、今後、各地商工会議所ごとに策定予定の環境行動に関する取組リスト(商工会議所環境行動計画)にも反映させ、地域の商工会議所が「伴走型」で中小企業の取組みを支援していくことが望まれる。(2017年4月17日記)<参考資料>1)経済産業省:「(ニュースリリース)中小企業の地球温暖化対策の実態を初めて調査し、集計結果をとりまとめました」(2017年3月1③運輸業は、工場を有する製造業や店舗を有する小売業・サービス業とは、取組内容に相違がある(「エ業・サービス業とは、取組内容に相違がある(エコドライブ)や「次世代自動車」など車両関連の取組みが多い)。(3)結論 環境行動に関する取組リストを策定する際は、現状取組度合や企業規模、業種ごとの傾向・特徴を考慮に入れるべきである。■【調査結果 2】取組みの動機(1)全体傾向 現在取り組んでいる内容を選んだ動機については、以下の順位であって、コスト削減が主な動機となっている。(現在取組み中の企業、N=627、複数回答)①コストの削減(438)②人類の生存に関わる問題であるため(258)③企業の社会的責任への配慮(257)④自社ビジネス戦略への配慮(79)⑤新たな環境ビジネスの展開(43)(2)属性別の傾向・特徴 企業規模が大きく、温暖化への関心が高くなるほど、また、都市規模が大きくなるほど、「CSR」を動機とする企業の割合が高くなる傾向にある(特に卸売業・で高い傾向にある)。(3)結論①温暖化対策の動機づけとして、特に規模の小さい企業に対しては、省エネを通じた「コスト削減」による動機づけを行って関心度を高めることが有効である。②規模の大きい企業や、温暖化への関心が高い企業に対しては、これの加え「CSR」等による動機づけが有効である。■【調査結果 3】現状の課題(1)全体傾向 現在取り組んでいないと回答した場合、全体傾向としては以下の順位でその理由を挙げており、取組内容や方法の理解が不足している状況を示している。(現在取組んでいない企業、N=174、複数回答)①取組みの具体的内容・方法の理解(103件)②費用捻出が困難(63件)③時間の不足(49件)④先進的・効果的事例の把握(46件)⑤メリット・効果の理解(41件)⑥専門的人材の不足(38件)⑦地球温暖化に対する社内の関心不足(35件)⑧取組みの意識の理解(34件)⑨省エネ推進団体・自治体等からの情報提供不足(23件)⑩現状のエネルギー使用量の把握・評価(20件)⑪自治体による技術的助言や支援ツールの不足(17件)⑫政府による技術的助言や支援ツールの不足(15件)⑬省エネ推進団体等による技術的助言や支援ツールの不足(13件)⑭社内の理解(5件)(2)属性別の傾向・特徴①企業規模が小さいほど、「取組内容・方法の理解不足」を課題に挙げる割合が高くなる。②都市規模の小さい地域でも、「取組内容・方法の理解不足」を課題に挙げる割合が高くなる。(3)結論①規模が小さい企業に対しては、温暖化対策の「取組内容」や「メリット」、「実施方法」をより分かりやすく解説する必要がある。②特に、都市規模の小さい地域においては、これらの丁寧な説明が重要である。■【調査結果 4】今後の取組内容(1)全体傾向①投資効果が分かりやすく、比較的投資規模の小さな取組みの実施意欲が高い。②「投資規模の大きな取組み」や「他企業を巻き込んだ取組み」、「各種機関が提供する省エネツールの利用」についても、 実施意欲を持つ企業が一定程度存在する。(2)属性別の傾向・特徴①規模が大きい企業よりも、中規模クラスの企業の方が、今後新たに実施する取組みが増える傾向にある。②建設業では、比較的多様な取組みの実施意欲が高い。(3)結論①規模が小さい企業に対しては、まずは「投資規模が比較的小さい取組み」の実施を促し、全体の底上げを図ることが重要である。②規模が大きい企業に対しては、現状の取組みに加え、更なる取組みの推進を促す仕組みが必要である。■【調査結果 5】今後の課題(1)全体傾向①温暖化対策に取組むための「費用」と「専門人材」が足りていない状況(2)属性別の傾向・特徴①規模が小さい企業は、「費用面」での課題に加え、「取組内容の理解」を課題に挙げる割合が高い。②中規模クラスの企業は、「先進事例の把握」や「外部からの助言・支援」を課題に挙げる割合が高い。③企業規模が大きくなるほど「専門人材の不足」を課題に挙げる割合が高い。④都市規模の大きい地域では、「専門人材の不足」を課題に挙げる割合が高く、都市規模の小さい地域では、「取組内容の理解」を課題に挙げる割合が高い。⑤温暖化問題への関心が高くなるほど、「外部からの助言・支援」を期待する割合が多くなる傾向にあり、関心が低くなるほど、「費用の捻出」や「取組みの内容・メリットの理解」を課題に挙げる割合が多くなる傾向にある。<図表2>中小企業における地球温暖化対策(省エネ対策等)取組促進のためのアプローチ策