ブックタイトルメカトロニクス3月号2017年

概要

メカトロニクス3月号2017年

　2016 年12月14日（水）～16日（金）の3日間、東京ビッグサイトにおいて、半導体を中心としたマイクロエレクトロニクスの製造を支える装置／材料産業の総合イベントであるSEMICON JAPAN 2016が、SEMI の主催によって開催された。　3日間の展示会の総来場者数は、64,163 名に上った。■高精度な角度校正システム　（株）マグネスケールでは、新しい角度校正システムである自己校正型ロータリーエンコーダシステムを紹介していた。　同システムは、持ち運びに便利な計測キットで、インタポレータBOX、スケールユニット、ヘッドユニットからなるもの。自社開発の新アルゴリズムを採用し、6 個のセンサで30次までの残留誤差を削減。±0.2[arcsec]を達成し、高い角度精度を実現する。産業技術総合研究所の1次標準機によって校正しており、精度のトレーサビリティを確保。また、取り付け姿勢が精度に影響しない非接触構成で、高い取り付け自由度を実現している他、簡単な取り付けによって、取り付けから測定までわずか15 分で校正に入れる、という時間の短縮を実現している。先に開催されたJIMTOF2016で初めて展示され、反響、及び引き合いが多いという。■超純水、各種薬液などの　流量計測に適する　東京計装（株）では、半導体製造プロセスにおける超純水、各種薬液などの流量計測に最適な一体形超音波流量センサに関する展示を行っていた。　コンパクト超音波流量モニタ『UCF006』は、PFA 製流量測定部はストレートパイプ構造で、低圧力損失。コンパクト設計で装置組み込みに最適で、優れた耐気泡性能をもつ。仕様は、流量レンジ ： 0-3～0-8?/min、プロセス接続 ： 3/8”PFAチューブエンド、精度 ： 指示値の±2％（＞1.7?/min）、出力 ： DC4-20mA/オープンコレクタパルス、などの特徴を有する。　やはりコンパクト設計でパネル組み込みが可能な一体形超音波流量計『UCM-04A／ 06A』は、LED3桁数値表示LED＆バーグラフ表示で暗い場所でも流量の確認ができる製品。仕様は、流量レンジ： 『 04A』…3?/minmax／『06A』…8?/min max、プロセス接続 ： PFAチューブエンド、精度 ： ±1％ FS、出力 ： DC4-20mA/オープンコレクタ警報1 点、などの特徴を有している。■ピラニ熱伝導と　ピエゾ方式を組み合わせた製品　ライボルト（株）では、熱伝導ゲージ（ピラニ）に関する展示を行っていた。　THERMOVACトランスミッタ『TTR101』は、高い耐性の新しいMEMSピラニ方式の製品。THERMOVACTTR 101 N モデルは熱伝導MEMSピラニとピエゾ半導体センサの組み合わせを使用しており、振動とショックベントに対して強く優れた精度と10mbarから1500mbarの間ではガスタイプに依存せず圧力を読み取ることができる。■局所的に　高低温環境を作り出せる装置　ハイソル（株）では、高速温度環境試験装置『ThermalAir TA-5000』に関する展示を行っていた。　この製品は、装置本体から排出されたエアを任意に温度コントロールし、局所的に高低温環境を作り出すことができるもので、－80～225℃までの幅広い温度範囲を高速に変化させることが可能。温度変化温度： 18℃ /秒、温度設定分解能は±0.1 ℃、温度精度は±1℃以内で信頼性の高い試験ができ、耐久試験、品質保証試験を手軽に行える。また、独自技術で開発されたDCインバータ内蔵チラーを搭載しており、既存製品と比較して消費電力の大幅な削減、非常に静かな動作音（＜49dBA）を実現し、ランニングコストの削減、快適な試験環境の確立に貢献する。試験中のデバイス温度をリアルタイム計測するDUT温度センサインプットを搭載している点も特徴となっている。■高速描画に特化し、高い生産性を実現　（株）エリオニクスでは、高スループット電子ビーム描画装置『ELS-HS50』に関する展示を行っていた。　この製品は、高速描画に特化した生産性の高いナノリソグラフィ用直描装置で、レーザ直描装置では不可能なサブミクロンサイズの加工において、従来の電子描画装置の100倍以上の高スループットを実現しており、フォトマスク製作用途として可変成形型の電子ビーム描画装置の10分の1以下のコストで導入できる。また、高輝度ショットキー型電子銃を搭載し、電子光学系を大電流に特化しており、最大ビーム電流1μAでは6インチウエ八×2 枚/h の高スループットを実現。100nAという大電流においても、φ10nm のビーム径が得られる。■耐薬液性に特化したヒータ　ワッティー（株）では、耐薬液性に特化した薬液加熱器を紹介していた。　同製品は耐薬液性のPTFEフィルムヒータを使用しており、パッキン材を変更することによって、超純水などにも使用可能（パッキン材 FKM ／ EPDMなど）。ヒータ面上を流しながら加熱するため、熱効率がよく、応答性に優れる他、容量にあわせ段数を調整するため、省スペース化が可能である、などの特徴をもつ。小流量の薬液加熱、省スペース環境などでの使用に適する。　同展示会の次回開催は、2017 年12 月13日（水）～15日（金）、東京ビッグサイトにおいて予定されている。2016年12 月14 日（水）～16日（金）東京ビッグサイトSEMI■ 会　期■ 会　場■ 主　催SEMICON Japan 2016MECHATRONICS 2017.3 49自己校正型ロータリーエンコーダシステムに関する展示薬液加熱器THERMOVACトランスミッタに関する展示コンパクト超音波流量モニタ『UCF006』（左）と一体形超音波流量計『UCM-04A ／ 06A』（右）高速温度環境試験装置『Thermal Air TA-5000』高スループット電子ビーム描画装置『ELS-HS50』に関する展示