ブックタイトルメカトロニクス3月号2017年
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メカトロニクス3月号2017年
10 MECHATRONICS 2017.3 御社の概要および 沿革についてお聞かせ下さい松田 : 当社は、代表取締役社長の多賀と取締役の佐久間との2名で、1986 年9月に横浜市西区南幸で設立しています。基本的な事業としては、工業用などの搬送や動力伝達に使用されるステンレス製のスチールベルトを取り扱っており、ベルトというと樹脂製のものをイメージされることが多いようですが、そういった樹脂製のものが使用できない環境とか、または伸びてしまって精度を出せないといった時などに使用されています。多賀は、元々商社に勤務しており、主にスチールベルトを米国から日本に輸入して国内に広めていました。そして、独立を機に当社を立ち上げ、商社時代の経験 ステンレス製のスチールベルトをメインに事業展開している株式会社ディムコ。最近では、スチールベルト単体だけでなく、様々な付加価値をつけることで周辺装置の開発も手掛ける同社の概要や技術、製品などについて、営業部 部長 松田 清義 氏、開発営業部 技師 竹村 統治 氏、営業部 主任 大月 栄之介 氏、営業部 増子 大樹 氏の4名にお話を伺った。株式会社 ディムコ営業部 部長松田 清義 氏開発営業部 技師竹村 統治 氏営業部 主任大月 栄之介 氏営業部増子 大樹 氏様々な付加価値で新たなビジネスチャンスを創造するスチールベルト~単体だけでなく周辺装置にも展開~を活かして設立当初は商社的な立場で事業をスタートさせています。 1988年4月には、業務拡張のため横浜市神奈川区鶴屋町に事務所を移転し、スチールベルトの応用機器であるスチールベルトコンベアの販売を開始しました。1992 年10月には、海外での事業強化を図るため海外部を発足し、また1994 年6月には、技術の向上を図るため技術部を発足しています。 1998 年4月には、さらなる業務拡張のため横浜市西区北幸に事務所を移転し、1999 年4月に開発部を発足、2001 年4月には研究部を発足して横浜市鶴見区の横浜市産学共同研究センター内に研究所を開設し、製品の研究開発にも力を入れていきました。また、同年11月には中国上海市に事務所を開設し、2003年4月には手狭になった横浜市産学共同研究センター内の研究所を、同じ鶴見区内のリーディングベンチャープラザに研究センターとして移転しています。 そして2007 年4 月には、当社の製造部門を担う100%子会社となる株式会社天龍精密工業を静岡県浜松市に設立しました。これが当社の大きな転機となり、商社的立場からメーカー的立場へと変貌を遂げるきっかけになっています。さらに同年5月には、中国上海市の事務所を現地法人化しています。 2008 年12 月には、研究部門に新たに大型の設備を導入するため、横浜市鶴見区のリーディングベンチャープラザからフロアスペースの広い同市金沢区福浦に研究センターを移転しています。その後、リーマンショックの影響などもありましたが、利便性を図るためにこれまで離れていた本社と研究センターを金沢区福浦で統合しています。これにより、営業部門と技術部門の連携が今まで以上に取りやすくなりました。そして2014 年1月には、現在の所在地である横浜市磯子区磯子に移転しています。 また当社は、横浜市が推進する「横浜知財みらい企業」に認定されています。この制度は、横浜市の知的財産戦略ビジョンの一環として2011 年から新たに設けた支援事業で、知的財産制度を利用して競争力を強化する企業活動を通じて経営基盤を強化し、未来に向けて成長を志向する企業を「横浜知財みらい企業」として認定し、さらなる発展を目指していくために支援されており、当社は新設以来毎年認定されています。 御社の技術についてお聞かせ下さい竹村 : 当社が商社的立場の頃は、外注を利用してものづくりを行うこともありましたが、お客様からの難しい注文などには対応できず、お断りするケースが多い状況でした。そのため、あまりノウハウとして残っておらず、コア技術なども特にありませんでした。しかし、当社の工場的な立場となる株式会社天龍精密工業を設立してからは、本格的なものづくりにチャレンジできる環境が整ったため、徐々にノウハウも蓄積されていきました。 また、設計については本社内の技術部門で行っており、営業部門ではお客様からのどのような注文にも対応していく姿勢で取り組んでいるため、それぞれの部門が連携しながら技術力の向上に努めています。現在当社では、これまで培われた技術力を活かし、スリーブと呼ばれているスチールの筒を2つの用途で使用する研究開発を行っています。 1つは、従来のスチールベルトとしての用途で使用する研究開発です。ただ、今までのような搬送コンベアに使用される普通のスチールベルトではなく、スチールベルト自体に吸引/吸着など付加価値を付けた製品の開発や改良を行っています。そしてもう1つは、ス写真1 ダブルスチールベルトヒートプレスコンベア 図1 ダブルスチールベルトヒートプレスコンベアの構造図 写真2 吸引/吸着スチールベルト搬送コンベア