ブックタイトルメカトロニクス1月号2017年

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概要

メカトロニクス1月号2017年

8 MECHATRONICS 2017.1水晶振動子と温度補償機能付き高精度RTCを搭載したドイツの安全認証を取得した16ビットマイコンのサンプル出荷を開始エネルギー分散型蛍光X線分析装置を欧州で本格展開 セイコーエプソン(株)は、水晶振動子と温度補償機能付き高精度リアルタイムクロック(RTC)を搭載した低消費電力16ビットフラッシュメモリー内蔵マイコン『S7C17M11』を開発し、サンプル出荷を開始した。 同社では、自社の安定した品質の水晶振動子をマイコンのパッケージに内蔵したことに加え、温度変化による周波数のずれを都度検知して補正する技術を開発し、『S7C17M11』に搭載した。これにより、0 ~50 ℃で月差10 秒以内、-30 ~70 ℃で月差13.2 秒以内、-40~85℃で月差26.4秒以内の高精度を実現した。さらに、1チップ化したことによって、従来必要であった調整作業が不要になることから、ユーザーの開発工数や部品点数の削減に貢献する。また、フラッシュメモリー、12ビットA/D 変換器、240セグメントの表示が可能な液晶電源 (株)島津製作所は、同社製エネルギー分散型蛍光X 線分析装置が、ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)によって定められる安全認証「BfS 型式認定」を取得したことにともない、本型式認定を取得したエネルギー分散型蛍光X 線分析装置『EDX-7000P』および『EDX-8000P』を欧州地域で市場投入し、現地での本格展開を図っていくと発表した。 Na~Uまでの元素を検出可能な『EDX-7000P』およびC~Uまでの元素を検出可能な『EDX-8000P』は、液体窒素による冷却が不要な高性能半導体検出器を搭載しており、優れた感度を実現している。また、優れた分析能力に加え、欧州地域向けに安全性を高めており、本体ふたの開閉監視機構の追加や、故障時にX線の発生を遮断する新しい二重回路設計によってX 線の漏洩を防止する。を内蔵した液晶ドライバなどの周辺回路も搭載した上で、RTCモードでの消費電流は2.25μA(標準値)を実現している。 一般的なRTCは、時計用ICとそれに接続される外付けの水晶振動子で構成され、水晶振動子の周波数を元に計時が行われる。しかし、水晶振動子の発振周波数の精度は、製品によってばらつきがあり、さらに使用される環境の温度によっても左右される。このため、特に高温や低温、温度変動の激しい環境下で使用する場合は、ユーザーが温度変化による発振周波数のずれを考慮した設計を行う必要があったり、求めている精度の計時を実現できなかったりすることが課題となっていた。 同製品は、過酷な温度環境下での高精度計時/制御が必要なアプリに最適で、2017 年1 月に量産出荷を開始 エネルギー分散型蛍光X線装置は、蛍光X線の性質を利用し、サンプルを構成する元素の種類や濃度を非破壊で分析する装置で、液体や固体、粉体など幅広い試料に対応でき、RoHS 指令を始めとする規制の対象となる鉛やカドミウムといった有害元素のスクリーニング分析などの用途で、電機/電子およびその関連メーカーを中心に導入が進んでいる。前処理が比較的簡便であり、装置の高感度化が進んでいることから、近年は、医薬品や食品に混入した不純物の分析や材料解析のほか、研究用途でもニーズが高まってきている。また「BfS 型式認定」は、ドイツで定められる極めて厳格な安全規格を満たさなければ取得できず、フランスやイタリアなど近隣諸国でも効力を有している。EU 圏内で「BfS型式認定」を取得していないエネルギー分散型蛍光X線装置を導入する場合、ユーザーはX線に関する安全講習や監査を受けなければならず、運用上の負担となっていた。 同社では、2017年度以降の欧州地域におけるエネルギー分散型蛍光X線分析装置の販売台数を、2015 年度比で倍増させることを目指している。し、当初月産30 万個を予定している。2017.1請求番号A5002請求番号A5001請求番号A0009