ブックタイトルメカトロニクス12月号2016年

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概要

メカトロニクス12月号2016年

10 MECHATRONICS 2016.12 御社の概要についてお聞かせ下さい井野口 : 当社は、1968 年に千代田区神田錦町において操業を開始しています。先代の社長である私の父が、以前勤めていたアナログ計器を製造/販売している会社から、同僚の方と独立して始めた会社です。 そして最初は、大型の光学式メータリレーを開発し、その製品1機種で事業を行っていました。しかし、大型の需要があった当時でも少し大き過ぎた製品だったので、なかなか販売できずにいました。それでも、品質検査など色々と厳しいチェックをクリアして大手電機メーカーなどにも採用して頂くことができました。 1969 年11月には、現在の社名である「レック株式会社」に商号を改めています。1972 年6月には、手狭になった当時の事務所から現在の所在地である葛飾区新小岩の方に移転してきました。そして、大型の光学式メータリレーだけでなく、小型の製品も開発して販売するようになり、小型の製品は好評を頂き売り上げも伸びていきました。 その後、アナログからデジタルへと時代が流れていき、お客様からも色々と特殊な製品をつくってほしいというニーズを頂いていましたので、当社もそれに対応するため、当時の東京都立工業技術センター(現、東京 創業時より製造/販売を行っているメータリレーや、葛飾区と東京商工会議所葛飾支部が推進する葛飾ブランド『葛飾町工場物語』にも認定された非接触タイプの赤外線放射温度計など、高度な計測/制御機器などの開発に力を入れているレック株式会社。今回は、計測機器のメーカーとして事業を展開する同社の概要と主力製品、新たな事業などについて、代表取締役社長 井野口 治 氏にお話を伺った。レック株式会社代表取締役社長井野口 治 氏高度な計測/制御機器で幅広い分野の様々な計測ニーズに対応~独自の計測技術と最先端のマイコン応用技術を駆使した製品開発~都立産業技術研究センター)へ相談にいき技術指導を受けていました。それにより、デジアナタイプの製品を開発するなど、少しずつラインアップの幅を広げていくことができました。 そのような中、東京都立工業技術センターに勤務されていたある先生から、「世の中には非接触で計測する温度計というものがあり、まだそれほど普及はしていないけど一緒に開発してみませんか」といったお声がけを頂きました。そのため、東京都に研究/開発補助金の申請を行い、1981 年12月に採択されたので共同開発をスタートさせることができました。当時存在していた非接触タイプの温度計は、0~500℃までの低温度域にしか対応しておらず、当社としては高温でより狭い範囲も計測できる製品を目指していきました。開発当初はなかなか上手くいかず、色々と苦労もしましたが、1983 年12月に非接触タイプの赤外線放射温度計を開発し、販売を開始しています。この製品は、現在でも当社主力製品の1つに位置付けられています。 その後も色々と製品開発を行い、2014 年9 月には第8 回 葛飾ブランド『葛飾町工場物語』にも認定され、2015 年2 月には今まで行ってきた事業のほかに、プリント事業といった新たな事業展開も開始しています。 葛飾ブランド『葛飾町工場物語』とは どのような取り組みなのでしょうか井野口 : これは、葛飾区と東京商工会議所葛飾支部が推進する「地域ブランド発信事業」になります。 葛飾区には、高い技術をもった町工場が集積していますが、その高い技術を駆使して製造された製品/部品などは、その高い技術や精巧さが一般消費者に伝わらないまま雑多な製品の中に埋没しているのが現状です。そこで葛飾区と東京商工会議所葛飾支部は、その高い技術を駆使してつくられた製品/部品などを葛飾ブランド『葛飾町工場物語』として認定し、その製品にまつわるエピソードや技術の詳細をストーリー性豊かな“ 物語”にして全国へ発信しています。 認定には、①葛飾区内で製造している製品/部品などであること、②認定時において製造販売/受注が可能な製品/部品などであること、③十分な安全性を有している製品/部品であることが対象になります。また認定基準としては、①製品/部品などの信頼性、②製品/部品などの物語性、③優れた技術力、④ブランド事業発展のための協力性、といったことが挙げられています。 この取り組みは、2007 年から毎年行われており、当写真1 赤外線放射温度計『KTL』写真2 赤外線放射温度計『L-300』写真3 メータリレー『MKシリーズ』