ブックタイトルメカトロニクス10月号2016年
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メカトロニクス10月号2016年
MECHATRONICS 2016.10 11所在地:U R L:事業内容:東京都千代田区http://www.ntt.com電気通信事業など。NTTコミュニケーションズ株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・乗っていますが、その運転の傾向を会社が把握していくためのモデルになります。これにより、危険な運転をする営業マンを早期に見つけて注意したり、安全運転や燃費の良い運転をする営業マンを見つけて褒めたり、営業成績だけでなく車における良い運転の仕方を会社が推進していけるという効果が得られています。 このように、3つの『IoTトライアルパック』を実際使って頂いて、ニーズがあるということが分かってきたので、次のステップとして『IoT Platform』というIoT 推進室のメイン事業となるものを開発しています。 では、『IoT Platform』について 特徴などをお聞かせ下さい堀越:『IoT Platform』とは、当社が情報システム向けに構築していたクラウドやネットワークをIoTに適用できるようにネットワーク装置やアプリケーションなどを追加し、全体でIoT のためのクラウドネットワークシステムにするもので、順次開発を進めています(図2)。 特徴としては、“セキュア”、“グローバル”、“マネージド”の3つのキーワードが挙げられます。“セキュア”は、当社の1つの強みとして、インターネットとまったくつながっていない専用線ネットワークを世界中にもっていることです。日本では、当社が日本電信電話公社の頃から光ファイバネットワークをもっていましたが、海外についても買収や提携などにより、世界196ヶ国以上に直接専用線が引けるという営業体制を構築しているので、通信キャリアならではの非常にセキュアなインターネットを使わないソリューションを実現します。 “グローバル”は、1985 年に日本電信電話公社から民営化されたことで、日本国内に特化した事業展開から海外への事業展開も開始したことにより、世界196ヶ国以上でネットワークサービスを提供し、140拠点以上のデータセンターを保有しています。また、サーバもアメリカやヨーロッパなどお客様の必要に応じて設置できる体制を整えており、こういう状況からグローバル展開に対応することが可能になります。 “マネージド”は、通常ではネットワーク、クラウド、アプリケーションはそれぞれ窓口が分かれてしまうことが多いのですが、当社では一元でお受けして、最適なアプリケーションやネットワークを色々紹介しながら、お客様のニーズに対応していく窓口になっていくという特徴をもっています。 この3つの特徴を活かして、今まで行っていた情報システム系の延長になるのですが、情報システムとIoT図3 『グローバルクラウドIoTテストベッド』のシステム構成をセットにして幅広いビジネスができればと考えています。この『IoT Platform』は、今年の5月に報道発表したばかりで、昨年度の取り組みを踏まえて今まさにビジネスを開始したという状況です。また、当社はクラウドやネットワークに関して自信をもっていますが、製造業向けのデバイスやアプリケーションに関しては過去のノウハウなどがまったくない状況なので、最近になって色々と研究を行っています。ただ、当社だけではできることに限界がありますので、製造業向けのデバイスやアプリケーションに実績をもっておられる企業とパートナーを組んで一緒に進めていきたいと考えています。すでに、当社の技術開発部と連携して、IoT の実用化を加速させる技術検証環境となる『グローバルクラウドIoTテストベッド』の運用を20 社ほど(報道発表で社名を公表しているのは11 社)の企業とパートナーを組んで開始していますが、まだまだ参加して頂ける企業を増やしていきたいと思っています(図3)。 今後の展開についてお聞かせ下さい堀越:「ネットワークで工場をつなぐ」ということが、当社としても課題であると思い、それを克服するために『IoTトライアルパック』や『グローバルクラウドIoTテストベッド』を行うことで、“つなぐ”という課題はクリアできたと思います。日本政府なども昨年の秋頃から産学官のコンソーシアムをつくってIoT の推進に力を入れ始めていますが、こちらも“つなぐ” 段階にあるようです。 しかし、海外に目を向けてみると、アメリカなどは「データ分析」に力を入れており、データベースで工場をつないだ後に、集まってきたデータの分析を行うという段階まで進んでいます。そのため、日本でも「データ分析」のようなことをできるように、分析に適したセンサやアプリケーションを当社もパートナー企業と開発していきたいと考えています。また、欧州では「データ連携」に力を入れているようなので、そちらについても対応できるようなパートナー企業と組んで順次進めていきたいと考えています。これは、ただ欧米や欧州の技術に追いつくためだけでなく、何のために必要なのかを理解することが重要だと思っています。国内では、まだその必要性がそれほどないようなので、「ネットワークで工場をつなぐ」というソリューションに取り組んでいますが、今後を見据えて「データ分析」や「データ連携」への取り組みにも、パートナー企業と一緒に力を入れていきます。境野:私は、技術開発部の方も兼任していますので、2つの部署の立場からみた今後の取り組みとして、主に3つのことを考えています。1つ目はセキュリティ、2つ目はデータを解析するサービス、3つ目は人材の育成になります。 1つ目のセキュリティについては、特に最近お客様からお問い合わせが多い、製造現場における制御システムのサイバーセキュリティ対策を進めていきます。当社では、制御システムに関する知見をもっていないので、制御システムに詳しいベンダーや制御システムのセキュリティを行っているセキュリティサービス事業者などと一緒に、来年には何らかのソリューションとして外に出せるような準備を進めています。 2つ目のデータを解析するサービスについても、当社ではデータ解析に関するノウハウをもっていないので、パートナー企業と一緒に行っていこうと思っています。例えば、装置が故障する前の予兆を見つけてメンテナンスを最適な時期に入れて安定操業を維持することや、生産効率を上げるためにどのようにチューニングすると最もよくなるのかということを、実際のデータを使って学習し、機械学習であるディープラーニングなども使用して最適化していくことができないかという取り組みを進めていきます。これを、『IoT Platform』の上に乗せることで、お客様の幅広いニーズに応えていければと考えています。ただ、このデータを解析する仕組みをつくるためには、実際に運用された生のデータが必要となるので、そのデータをおもちで当社と一緒にチャレンジしてみたいというお考えがあるようでしたら、お声がけ頂きたいと思っています。 そして3つ目の人材育成に関しては、制御システムやメカトロニクスに関する社内育成はもちろん必要ですが、どちらかというとIoTサービスを提供するにあたり、システムを構築して運用していくための人材が日本国内に不足しているので、パートナーやお客様などと一緒にITや制御系の技術に精通するベンダーやエンジニアリング会社を育てて行きたいと考えています。これも、当社の力だけではできないので、関連する業界団体などにも協力頂いて取り組んでいくことになると思います。また製造業界の動きとしては、今年度中にIoTに関するリサーチやトライアルなどを試されて、来年度には工場などで実際の運用を開始していくという計画を立てている企業が多いようです。そのため、当社だけでなく他社も同じようにトライアルサービスなどを提供されているので、それを試してみて来年度以降の方向性を見極めて頂ければと思っています。逆にここで乗り遅れてしまうと、他社が先行してやっていることになかなか追いついていけませんので、今年中に何か始められることをお勧めします。堀越:当社では8/29から、新たに産業機器等の装置の稼働状況を収集/分析できるサービス『MachineCloud』の提供を開始します。 また、10/6、7 の2日間、プリンスパークタワー東京にて『NTT Communications Forum 2016』を開催し、工場内での可視化のデモを間近で体感できるような展示を行う予定です。そして10/19~21の3日間、東京ビッグサイトで開催される『IT Pro EXPO2016』にも出展し、同じような展示を行う予定ですので、実際に当社のセキュアでグローバルなIoTサービスを体験され、今後の検討材料にして頂ければ幸いです。本日はお忙しい中、有難うございました。