ブックタイトルメカトロニクス9月号2016年

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概要

メカトロニクス9月号2016年

44 MECHATRONICS 2016.9《第89 回》図3-40 円錐曲線(二次曲線)の画法 3-31)図3-39 円錐曲線(二次曲線)の形状 3-30)3 製造をみてみよう(その15)3.円錐曲線の光学機能 多数の突起が敷設された第二導光板を第一導光板に張り重ねた構成は、第一導光板で誘導された光線を画面から正面方向へ放出させる構成は、実にすばらしい着想だ(既出図3-36)。シートレス化を実現して、厚さ1mmからさらに0.25mmへと薄板化され、バックライトは液晶板とともに可撓性をも実現している(既出図3-37)。 第二導光板の裏面に敷設されている多数の突起は、第一導光板の表面に接着され、突起の先端から入射してくる光線束を、斜向方向から平行光線へと反射させる放物曲面で形成されるとの趣旨を特許明細書では論述している。しかし、この放物曲面など円錐曲線(二次曲線)の機能を冗長に論及している割には、円錐曲面での光線活用は不十分である。 円錐曲線(二次曲線)の光学特性を認識するとき、2個所に存在している焦点の機能に気づかなくてはいけない。反射光線束は必ず一つの焦点から他の焦点へと進行するのだ(既出図3-38)。この特許明細書では「焦点」の語句は見当たらない。それに気づいて光線経路を焦点付近に設定すれば、第二導光板からの放出角はさらに効率よく偏角作用を発揮するであろう。特許出願は技術開発の時代先端を開拓して行くのであるから、既存である光学技術をも認識し活用してほしかった。 バックライトの開発担当者は、光学特性の学習には不慣れのようである。著名な企業が高価な光学設計ソフトウエアを入手しながらも、開発に失敗した実例がある。他山の石として置きたい。 ここで、今までのバックライトの執筆範囲を補追し、円錐曲線(二次曲線)について簡単ながら参考として記載しておこう(図3-39~図3-42)。 平面上の一点Pの位置を定める方式には、直角座標の方式と極座標を用いる方式との2通りがある。直角座標は、座標原点Oを交点とする2本の座標軸(x軸およびy軸)から、曲線上の点Pまでの距離で示す。極座標は、定点(極)から動径r(点Pまでの距離)とその動径rの偏角θによる極座標(r、θ)を用いる(図3-40)。 曲面上の点Pで光線束が反射する機能には、焦点Fの存在が欠かせない。焦点Fの位置を確認することにより、光線束を効率よく作用させられる(図3-41)。近軸領域における曲線の曲率Cを理解すると(図3-42)、非球面レンズの表面形状を理解する態度にもつながる。【参考文献】3-30) 寺岡宏信「二次曲線の新しい統一的理解」(電子版)3-31) 日本機械学会「機械工学便覧・第2編 数学」(昭和26年)3-32) 左貝潤一「結像作用と各種結像素子」(電子版)3-33) 小倉磐夫「非球面レンズの基礎知識」(写真工業1985.5)4 測定し検査する(その1)