ブックタイトルメカトロニクス8月号2016年

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メカトロニクス8月号2016年

44 MECHATRONICS 2016.8《第88 回》図3-36 光学パターンフィルムの構造と製法 3-29)図3-35 光学パターンフィルムのレンズ突起部形状 3-29)3 製造をみてみよう(その14)1.導光板の放出素子の敷設(7)シートレス導光板(その2) 特許出願明細書には技術の先端を活用するように記述すべきであろうが、初期の特許出願明細書(既出図3‐34)においては、突起部の形状について執拗に説明を繰り返している。この二次曲面の解説は一世紀前には既に自明な技術であるのだ。 その特許出願後に暫くして、発明者の一人が光学パターンフィルムOPFの技術を俯瞰し、長文全64頁で論説している。第一導光板に密着する第二導光板の突起部形状を種々の条件を仮定し追及して上向き放物面であることに着想し (図3-35)、次に第二導光板に微細突起を生成する製法と、第一導光板に接合する工程を示している(図3-36)。画面サイズ3.5型バックライトの場合、従来の複数シートを積層する形式では厚さが1.0mmであったのが、光学パターンフィルムOPFを用いて全厚0.88mmに薄型化に成功している。さらにこの光学パターンフィルムOPFに微粒子を混入すると、拡散シートが省略され全厚0.28mmにまで到達させている(図3-37)。この厚さであると、可撓性にも優れ、待望の「シートレスバックライト」が漸く実現したのだ。 解説図(図3-35・図5.4)では曲面は放物面とみなして照射した光線の反射角θと設定しているので、曲面の傾斜θと照射光線の偏角Θとの関係:θ=π/4+Θ/2 が得られる。しかしこの論文では曲面上の点P(x、y)には記述がないので、いかなる数理解析を施して曲面形状を発現させたのであろうかは不明だ。 ここで縦方向へ光軸Yを定め、下端を焦点Fとし、X軸方向へ半直弦p離れた個所から放物曲面が傾斜角θを伴いながら上方向へ伸びるとする。照射光線は焦点Fから偏角Θにより斜め方向へ曲面へと向かう。後出図(図3-38)を参考にして、この放物曲面は y-p/2=x2/2p で表現されるので、焦点Fから放物曲面上の点P(x、y)までの動径rの長さは r=p/(1-sinΘ) になる。 種々の曲面の形状を確定するには、中心Oを極点として、極座標をもちいて解析幾何の手法を採るのが好い (図3-38)。二次曲面(円錐曲面)には2つの焦点FおよびF‘が存在する。ただし円形においては2つの焦点は中心点Oに集結し、楕円形においては形状内に焦点が2つ現れる。放物面形では形状内に1つの焦点Fがあり、他の焦点F’は無限遠に去る。そして双曲面形では形状内に実焦点Fとは反対側に虚焦点F’が出現する。 光学特性を追求には「点と線」を意識する。簡易な設計では近軸計算が最初に施される。光学系での「点」には偏位が、「線」には偏角が伴うので、屈折レンズ系には非点収差が発生するために、込み入った計算により非球面レンズが設計される。 二次曲面(円錐曲面)による反射光学系では、照射面の間口は実焦点Fを含む直弦2pで現わす。動径rは光軸Yの下方から出発するので、既出図3-35の場合よ