ブックタイトルメカトロニクス4月号2016年
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メカトロニクス4月号2016年
44 MECHATRONICS 2016.4図3-26 バックライト関連のシート製法3-18)《第84回》3 製造をみてみよう(その10)1.導光板の放出素子の敷設(6)押圧加工(その2) 板厚が薄いけれども面積が広い導光板を成形加工するには、面積に対応した射出圧力を要する射出成形方式はいかにもエネルギーを消費しすぎる(既出図3-18)。薄板に成形するのであれば、当初から板状の加工材を過熱しながら、加工材の表面に放出素子模様を押圧成形すれば合理的であろうとの観点から熱押圧加工法が登場してきた。しかし加工材と押圧成型版とを重ね合わせるとき、両者の間隙に気泡が侵入しやすいので、加工工程ごとに両者の付近を真空状態にする手段が必要であった(既出図3-23、既出図3-25)。この煩わしさを回避するには、加工材または成型版もしくはその両者を可撓性に形成して、ロールなどで押圧する方式が着想される。 多くの特許事件があるなかで、雑記帳に記しておいた事件を参考に転記しておく(図1-26)。ここで想起されるのは、印刷の手法(図3-27)。4種類あるが、凸版印刷法はヨハネス・グーテンベルグ(独398~1468金属加工職人)の発明といわれている。日本浮世絵の木版画に相当するであろう。凹版印刷法はインクの付着が多いので、画像に深みのある写真などが得られる。孔版印刷法は往時の謄写印刷、私の小学校時代に教師がしばしば教材を作成していた。現代ではオフセット印刷法が主流である。 設計技術側が導光板などバックライトに関して協議していると、製造技術側は“ロールツーロール”という熟語を常々発言する。バックライトは設計が直ちに完成して量産段階の成功を彼らは夢見ているようだった。筒状に巻いた幅1mくらい長さ数百m以上の大きな基板に、バックライト放出素子模様を印刷して、他の筒状シートなどと張り合わせたりして、再度ロールに巻き取る方式である。製造過程が相互に連結され、連続して基板が形成されてゆくので、活気ある効率的な製造手法である。しかし個別の仕様に対応するまでの完成度や工程相互の安定運転には多大の努力が必要で、設備が高価であり、作業が順調に流れるまでには、科学的分析を経過して普遍的な知識を体系化しないといけない。多大な努力を惜しむなと警告している。3-20) 取り敢えずロールツーロールを部分構成している塗工方式の一端を見てみよう(図3-28)。【参考文献】3-18)特許情報プラットフォームJ-PlatPat3-19)武蔵野機械「コーティング方式の種類」、松岡機械「塗工装置」、その他(電子版) 3-20)沼倉研史「RTR生産方式の功罪」(電子版)、エムシーエム出版「ロールツーロール技術の最新動向」3 製造を見てみよう(その11)