ブックタイトルメカトロニクス2月号2016年
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メカトロニクス2月号2016年
43(1)国際連合設立の経緯 国際連合は、第2次世界大戦後の世界平和を維持するために創設された世界的国際平和機構であるとされているが、その設立の経緯は以下のごとくであった。・1944 年:第2 次世界大戦の枢軸国であったアメリカ、イギリス、ソビエト連邦、中国の代表がワシントンD.C.に集まって、武力行使のない平和な世界を構築することについての審議をおこなった。・1945 年:サンフランシスコにおいて「国際機関に関する連合国会議」(United Nations Conferenceon International Organization)が開催され、50ヵ国が参加した。会議では、“戦争の惨害”を終わらせるとの強い公約とともに国連憲章(The Charter ofthe United Nations)が起草され、1945 年6 月26 日に署名された。・1945年10月24日:上記会議に参加した50ヵ国の過半数が批准してこの日に憲章が発効して国際連合が正式に発足し、本部をニューヨークに設置した。・1971 年:国連総会で、10 月24日を「国連の日」として「国際デー」に登録することを決議した。(2)10月24 日:国連の日(United Nations Day) 2015年10月24日に、国際連合は2015年に創設から70年を迎え、この70回目の誕生日を記念し各種行事を行った。 国連の呼びかけにより、ニューヨーク(アメリカ)の国連本部ビルやエンパイア・ステート・ビル、リオデジャネイロ(ブラジル)のマラカナン・スタジアム、コペンハーゲン(デンマーク)の人魚姫の像、アフリカのジンバブエ準備銀行、ヨルダンのぺトラ遺跡、日本の東京スカイツリーなど、世界ならびに日本各地のランドマークが「Turn the World UN Blue(世界の名所を国連ブルーに)」キャンペーンとして国連のシンボル・カラーの青色に染まった(図表20)。(このキャンペーンには、85 ヵ国、350個所以上の名所でライトアップを行うこととなり、日本では13個所がこの行事に参加した)。 東京スカイツリーでは、照明が全面LED化されており、気候変動に関する新たな法的枠組みの合意を目指すフランス・パリでのCOP21に向けたキャンペーンのキックオフとなった。(2015.12.10 記)<参考資料>1)国際連合広報センターのURLhttp://www.unic.or.jp/2)国際連合広報局・(翻訳)八森充:「国際連合の基礎知識(改訂版)」関西学院大学総合政策学部(2015.4)知を発している。 2015 年度は、たばこを減らすことで命を守ることを目的として、「2020 年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行うとされた。注6)WHO による2015 年度「世界禁煙デー」のテーマ:「Stop illicittrade of tobacco products(タバコの不法取引を止めよう)」(6)6 月5日:世界環境デー(World Environment Day)<図表17 > 国際連合は、1972 年12 月の国連総会において、環境を保護し向上させていく必要に対する一般の認識を深めるため、6 月5 日を世界環境デーとすることを決議した。この決議事項は、日本とセネガルの共同提案によるものである。 この年(1972 年)の6月には、国連人間環境会議がストックホルム(スウェーデン)で開催されたが、これは環境問題を国際的に取り組むことをテーマにした最初の国際会議であった。この会議で、環境問題に関わる国連の新機構の創設が合意されたので、同会議が開会された6月5日にちなんで、その日を「世界環境デー」とされることとなった。環境問題に関わる新機構は、国連環境計画として1972 年6 月に設立され、本部をナイロビ(ケニア)に置いた。 日本では環境基本法(平成5年11月19日法律第91号)により「事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高める」という目的のもと6月5日を「環境の日」と定めている(環境基本法第10条)。6月の一カ月間は、環境月間として、毎年、環境省や地方自治体、企業などによって環境セミナーや展示会などが各地で開かれている。(7)6 月17 日:砂漠化および干ばつと闘う国際デー(World Day to Combat Desertification andDrought)<図表18 > 1994年6月17日に「国連砂漠化対処条約」注7)が採択されたことに伴い、1995 年1 月30日の国際連合総会の決議により定められた。砂漠化を防止し、旱魃から人々を救うことを主な目的としている。注7)国連砂漠化対処条約 :深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約:United Nations Convention to Combat Desertificationin Those Countries Experiencing Serious Drought and/orDesertifi cation, Particularly in Africa(UNCCD)) 2001年に開催された第五回国連砂漠化対処条約締約国会議(COP5)により、毎年テーマを設定することが決定された。各年のテーマのスローガンは以下の通りである。・2002 年:土地の劣化・2003 年:水資源管理と砂漠化・2004 年:砂漠化の世相/移住と貧困・2005 年:女性と砂漠化・2006 年:砂漠の美化‐砂漠化からの変革‐(ちなみにこの年を「砂漠と砂漠化に関する国際年」と定めた)・2007 年:砂漠化と気候変動‐世界規模での変化‐・2008年:持続可能な農業のために、土地の劣化と闘う・2009 年:土地と資源を守る‐私達の未来を守る‐・2010 年:どこかで土地を強化すればあらゆる場所での生命の強化につながる・2011 年:森林は乾燥地の働きを助ける・2012 年:健康な土地はあなたの生活を維持する/土壌劣化ゼロを目指そう・2013 年:乾く大地から未来を守れ・2014 年:土地は未来をつなぐもの‐気候変動から守ろう‐(8)9月16 日:オゾン層保護のための国際デー(International Day for the Preservation ofthe Ozone Layer)<図表19 > 国際連合は、1994 年12 月の国連総会で9月16日を「オゾン層保護のための国際デー」とすることを決議した。 成層圏のオゾン層が人工の化学物質によって破壊されることを国際協力により防止するために、国際的な規制が必要であるとの声が1976年頃より高まった。 国連環境計画の主催により国際的討議がくり返され、条約は、「オゾン層の保護のためのウィーン条約」注8)として、1985年3月22日に採択され、1988年9月22日に発効した。また議定書は、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」注9)として1987 年9 月16日に採択され、1989 年1 月1日に発効した。オゾン層保護に関する国際デーは、この議定書の採択日にちなんだものである。注8)オゾン層の保護のためのウィーン条約:Vienna Conventionfor the Protection of the Ozone Layer,ウィーン条約注9)オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書:Montreal Protocol on Substances that Deplete the OzoneLayer、モントリオール議定書 日本では、この国際デーを受けて、9 月1 日~30日の1ヶ月間を「オゾン層保護対策推進月間」として、国、地方公共団体等において、オゾン層保護・フロン等対策に関する啓発活動を集中的に行っている。 オゾン層は太陽光からの有害な紫外線を吸収して、地上の生物を守っているが、フロン類はこのオゾン層を破壊し、なおかつ地球温暖化も促進してしまう化学物質で、フロン類を大気中に排出しないための対策は、オゾン層保護のみならず地球温暖化防止のためにも大変重要であり、月間においては、その対策への協力と理解の浸透、取組の促進に努める行事が毎年企画されている。(9)12 月5日:世界土壌デー(World Soil Day)(略)(“(8)2015年:国際土壌年”の項をご参照下さい。)■創立70 周年を迎えた国際連合<図表18>「砂漠化および干ばつと闘う国際デー」のロゴマーク<図表19>オゾン層保護のための国際デー(9月16日)のロゴマーク<図表20>国連のシンボル・カラーの青色に染まった東京スカイツリー(2015年10月24日「国連の日」に)MECHATRONICS 2016.2