ブックタイトルメカトロニクス2月号2016年

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概要

メカトロニクス2月号2016年

MECHATRONICS 2016.2 11所在地:U R L:事業内容:東京都国立市http://www.trust-technology.co.jp組込みシステム/画像処理システム/音声認識システムの開発、知能処理システム/ロボットの研究開発、コンピュータ周辺機器の開発、ネットワークシステムの設計構築、各種技術コンサルティング、など。株式会社 トラスト・テクノロジー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ また当社は、お客様からの技術に関した相談に対応するコンサルティング事業も展開しており、お客様の立場に立った技術コンサルティングから開発まで一貫したサービスを提供しています。色々なメーカーや研究所などの企画/研究/開発部門で、先行開発を行っている部隊がそれぞれいらっしゃいますが、当社のクライアントに色々話を聞いてみると皆さん同じように先行開発の研究に困られているようです。今は時代の流れが早く、どんどん新しいものをつくらなくてはいけないのですが、じっくり基礎研究から製品展開までをやっている時間が取れない状況で、どうしても自社だけでは対応しきれないようです。そういう相談をされるのは、大体が業界上位のグローバルメーカーですが、そのネットワークを駆使してもなかなか難しいようで、「色々な情報を入手したいし知りたい」「新しい製品をつくる時にどうすれば良いのか相談相手がほしい」といったニーズを受け、もう十数年技術コンサルティングを行っています。これは本業ということではないのですが、私が今まで培ったノウハウなどを活かして、数年後の製品開発から十数年後の事業領域を探すお手伝いまで、分野も様々に幅広い相談をお受けしています。 御社の技術開発やその技術を活かした 案件についてお聞かせ下さい山本:当社の技術は、私が今まで培ってきたノウハウが柱となっており、私の幼少期に趣味にしていた電子工作から始まり、現在も日々継続し、常に時代の流れに先行した技術開発を行っています。その場合に他社が通常は重視するであろう市場性は敢えて無視しており、その傾向は創業以来一貫して変えていません。世間一般が注目した時には、すでに技術の収穫期に入っているので少し遅い状況だと思っています。例えば、「これ面白いでしょう」と問いかけた時に、10 人中1 人か2 人位が興味を示して、他の人が「だめだ」というほうが大化けする可能性が高く、10 人中ほとんどが興味を示した時にはもうコモディティ化(日用品化)した技術になっていると判断して良いと思います。 そういう状況の中で、当社は種まきを行いながらビジネスチャンスを模索しており、技術開発したもの全部をヒットされるということではなく、その辺はあまり気にせずに小さな会社なので、事業を存続させられる程度にいくつかヒットできれば良いと考えています。すでに、組み込みLinuxやAndroid のようなスマートデバイス、画像処理技術は他社に先行してブームが来る前にいち早く開発し、技術的にも事業実績としても様々な成果を得ることができています。そして、そこで得られた利益をまた先行投資に回すような流れで、当社のベースとなる技術開発に力を入れています。「会社を大きくしたい」とか「利益を大幅に上げたい」ということを目的にしているわけではなく、当然民間企業なので利益は上げますがそれは技術開発を行うための手段として行っており、お客様もそういうスタンスを望まれていることを当社としても実感しています。 最近当社が手掛けた案件では、やはり画像認識分野で、特に顔の認識技術に関するものが多いです。顔の認識技術は少しずつ普及し始めていますが、まだまだこれからの技術で、例えば画像の中に顔があるかどうかということは、2000 年代初期から各社実装し始めており、デジタルカメラなどで写真を撮る時に顔の部分を囲ったりするようになりました。しかし、その先の個人識別であったり、その人が男性か女性かということや年齢は何歳位かという属性判定などの技術は、それぞれ独自のノウハウで国内でも限られた企業しかもっていないのが現状です。当社は、その技術を先行してもっており、開発した当時はほとんど需要がなかったのですが、最近になってようやく注目され始め、引き合いも沢山頂くようになりました(写真4、5)。 また、顔だけでなく手などの動きといったジェスチャー認識の技術も先行開発しており、こちらも最近注目されるようになっています。見守りシステムや人が暴れていないか判断するような危険防止システムなど、様々な分野から引き合いを頂いており、共同開発や技術提供などを進めています(写真6)。 さらに、最近特に旬とされるディープ・ラーニングを採用した案件にも力を入れています。ディープ・ラーニングは人工知能の技術で、人工知能に画像認識を行わせるとより人間らしい効果のある結果が得られるのですが、色々な企業がそれに気づくようになってきました。当社は、この技術においても先行開発しており、次の産業に繋がる技術になると予想されているので、引き続き注力していきます(写真7)。 その他にも、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)/スマートグラス開発サービスといったことも進めています。これは、HMD /スマートグラスを活用し、工場やサービス業などの様々な作業現場で業務効率の改善を図るシステムをオーダメイドで開発しています(写真8)。当社は、画像認識や音声認識を使って音声コマンドを入れるだけで設計図面が表示されたりだとか、ジェスチャー認識を使って手を動かすだけでメニューを操作したりする部分などで、当社のノウハウを活かして提案を行っています。 今後の展開についてお聞かせ下さい山本:今後も研究開発を主軸に事業展開を行っていきますが、特に賢い機械といいますかプログラムをするようなコンピュータ内蔵の機械はもっと賢くなれると思いますので、そういった分野に力を入れていきます。それが、いわゆる人型のロボットでなくても構いません。ロボットは先ほどの例のように、例えば自動車の自動運転であったり、高機能の検査システムなど様々な形があります。インテリジェンスな機械=ロボットと捕らえて、様々なものにチャレンジしたいと考えています。 今現在、世の中は私が子供の頃に思い描いた未来とはほど遠い状況ではありますが、徐々に現実も動き始めており、まだまだそういう未来に近づけることは色々あると思います。コンサルティング事業を行っているのも、その中で何かヒントが見つかるかもしれないと期待している部分があり、そしてそこから新しい製品が世に出ることは、エンジニアとして非常に嬉しいことでもあります。 そういうことが当社のモチベーションにもなっているので、これからも人に優しい未来づくりに貢献できるような研究開発を行っていきます。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真5 人物認識の事例写真7 ディープ・ラーニング技術の事例写真8 HMD/スマートグラス写真4 顔の認識技術の事例写真6 ジェスチャー認識技術の事例