ブックタイトルメカトロニクス12月号2015年

ページ
12/52

このページは メカトロニクス12月号2015年 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス12月号2015年

12 MECHATRONICS 2015.12 御社の概要についてお聞かせ下さい中武:当社は、半導体/液晶関連の中古設備と技術ノウハウを組み合わせたプラント販売ビジネスを目的に、1991年5月に設立した商社です。元々技術者であった当社の社長は、日本国内全体に進行しつつあった半導体や液晶関連の開発途上プラントおよび生産設備の大量処分が、今後再利用して活用できる資源になると思っていたようです。前職時に進めていた、フォトセンサ/CTスキャン装置用放射線センサ/Siウエハ研磨/ブルーLEDなどに関するノウハウをベースとするプラント販売ビジネスに、これらの中古設備を組み合わせることで投資効率の高いビジネスになると考えたことが設立のきっかけになっています。 設立当初は、様々な問題から半導体/液晶関連における中古設備の確保に困難が生じることもありましたが、1年半後にはそういった問題も解消し、中古設備を軸としたリユース事業が本格的にスタートしました。そして、国内市場において順調に成長しながら、1997 年4 月には、台湾でSTN LCD のライン販売を開始しています。その後、台湾におけるLCD 設備の市場性の高さに着目し、2001 年1月に営業拠点として台北事務所を開設し、カラーフィルタライン/ TFT-LCDライン/ PDPラインなど、30ラインの売却や移設請負の実績を上げています。 2005 年3月には、本店を東京都渋谷区から現在の所在地である横浜市港北区に移転し、同年8月には、韓国天安市に新規設備の製造拠点として、当社100 %子会社のハイテック・システムズコリアを設立しました。そして2008 年12月には、国内における中古装置の保有拠点として、静岡県裾野市に富士技術センターを開設し、2010 年3 月には、国内における中古パーツの保有拠点として、鹿児島県出水市に九州パーツセンターを開設しました。さらに今年の7月には、関西地区の営業拠点として大阪サポートセンターを開設しています。 このように、国内外の拠点を徐々に増やしつつ、今まで培ってきたノウハウを活かしながら、設立当初からのリユース事業、リユース事業から派生したエンジニアリング事業、新たに取り組み始めた先端システム事業の 半導体/液晶関連の中古装置や中古パーツで事業展開する、株式会社ハイテック・システムズ。買い取りや販売といった商社的な立場だけでなく、数多くの経験から培ったノウハウやリファビッシュ技術により、ユーザーにマッチした提案を行う同社の概要や事業内容など、九州パーツセンター センター長 中武 正博 氏にお話を伺った。株式会社ハイテック・システムズ九州パーツセンターセンター長中武 正博 氏半導体/液晶関連の製造装置およびパーツの再利用で事業展開~販売だけでなくユーザーにマッチした提案が可能な技術集団~3本柱で事業を展開し、2015年度の売上は110億円を達成しています。 現在進められている 事業の概要についてお聞かせ下さい中武:最新の技術に対応できなくなった製造装置でも、用途によっては十分に対応できるデバイスを製造することが可能です。そのような中古装置や余剰となった中古装置をメーカーから買い取り、そういった中古装置を必要とされるお客様に提供、あるいは当社がもつノウハウとリファビッシュ技術を駆使することによってお客様の仕様に合わせた改造などを行い、限りある資源を効果的に活用しようと考えたのがリユース事業になります。 この事業は、買い取り/販売/改造/再構築/リファビッシュの5つから構成されています。買い取り(余剰設備の買い取り)では、余剰設備となってしまった半導体/液晶関連装置を、中古装置として活用できないか、保守パーツとして活用できないか、査定評価を行っています。販売(お客様の要望に合わせた中古装置/パーツの販売)では、すでに中古装置の在庫があるため、装置の製造時間がなく、短納期で装置を確保できるといったメリットがあります。また、コストも新品価格の約1/3~1/5に抑えることができます。 改造(お客様のニーズに合わせて改造)では、ウエハサイズを6インチから5インチへ変更したり、ガラスサイズを400×500から370×470へ変更するなど、お客様の仕様に合わせた様々な改造に対応することができます。再構築(中古ラインと新規製造装置との混合ラインの構築)では、TSNライン/ CFラインなどと新規製造装置を組み合わせて、タッチパネルラインやOLEDラインに構築することが可能です。また、大型ラインからいくつかの既存装置と在庫中古装置を組み合わせ、R&Dラインなどを構築することもできます。 リファビッシュ(オーバホールによる装置の延命化)は、中古装置を販売する前にポンプのオーバホールやチャンバの洗浄、Oリングの交換作業などを行うこともできます(写真1、2)。また、当社が保有する多数の保守パーツにより、生産中止品にも対応可能な体制で、装置の延命化を図ることが可能です。 次に、エンジニアリング事業について紹介します。この事業は、半導体/液晶関連工場の移設や撤去を主な業務にしています。移設では、①製造ラインの工場内移設や、工場から工場への移設を一括請負、②半導体や液晶の製造ノウハウをもたない企業へラインの一環移設を行うなど大規模なもの、あるいは国内工場拠点の統廃合によるA県の工場からB県の工場への移設、③工場の1 階から2 階への移設など、様々なケースで対応することが可能です。 撤去では、①コスト/安全重視での製造ラインの撤去を一括請負、②製造中止ラインの廃棄や、ラインに限らず単体装置を廃棄する場面で対応可能、③対象のラインや単体設備を、まずは中古装置として活用できないか査定を行い、難しいと判断した場合は所有している中古装置の保守パーツとして、または中古パーツとして査定を行い、最後に装置を構成しているものを材料資源として査定を行う、④解体撤去作業時には、安全衛生管理組織を構築し、安全重視で作業を行う、などが主な業務内容になっています。このエンジニアリング事業は、リユース事業から派生した事業ですが、現在では1番の主力事業になっており国内外に展開しています。写真1 ポンプのオーバホール状況写真2 モータの動作確認状況