ブックタイトルメカトロニクス9月号2015年
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メカトロニクス9月号2015年
44 MECHATRONICS 2015.9図3-8 中央放射照明方式の部材構造と光放出の仕組み図3-9 均等放出光束を演出する放出率の敷設と照射光束の誘導《第77回》3 製造をみてみよう(その3)1.導光板の放出素子の敷設(3)中央放射方式の放出率を設定 導光板形式における放出率の敷設方式を、片方向照射方式および双方向照射方式について再確認してきた。最後に残ったものとして導光板の中央に光源が配置された方式を見直そう。 光源からの照射光線束は、導光板の内部を中央から四方へ放散される。その様子は、放散面の周囲に輪帯を創成しながら、照射光線束は拡散してゆく。一般には円形を描きながら拡散するので、照射距離をxとすると照射面の面積は M=πx^2であるから、輪帯の大きさは ⊿M=πx^2-π(x-1)^2=π(2x-1)≒2πxである。もし導光板に放出素子が四角形模様で敷設されている場合には M=4x^2 で、ならびに ⊿M=4x^2-4(x-1)^2=4(2x-1)≒8xであり、いづれにしてもM∝x^2および⊿M∝2xとみなす(図3-8(b))。 光源が中央に在って照射光線束が中央から四方へ拡大してゆく場合、その光度が拡散面のどの場所でも単位面積あたりに均等な放出光束φを放出するとしたときに、放出素子の敷設の計算の仕方は、先ず導光距離xとして拡散面の大きさをX^2と設定すると、光源からの全照射光束はΦ(0)=φ・x^2と予め設定できる。距離xに対応した輪帯⊿M=2xを照射光束Φ(x)=Φ(0)-φ・x^2が照射するので、放出率γ(x)=φ/Φ(x)が算出できる。図3-9(a)は、誘導距離に従って変化する誘導光束Φとそれに対応して算出された放出率γの推移を示す。最終の誘導距離Xで全照射光束Φ(0)が消費され尽くされれば光束活用率は100%であるが、放出率γが過小なとき光束活用率が十分に及ばないので、残りの照射光束は導光板の端面から漏洩する。 均等な放出光束を演出する放出率γの推移を観察すると、その敷設分布は中心点から徐々に増加し導光板の末端付近に差し掛かると急に増強されている。単数の光源を導光板の片端に配置した片方向照射方式の場合と比較すると、放出率γの敷設推移は若干異なるものの状況の傾向は似ている(図3-9(b))。 ここで図3-9(a)を観察しているうちに、導光板の長さが短い範囲では、照射光束φの活用率が100%に及ばないけれど、敷設放出率γが大略一定である状況に着目してみた。早速、導光板に均等な放出素子を敷設した場合を、上記と同様な手法で計算してみる。すると、放出率 γ≡一定 として、誘導されてくる照射光束Φに放出率γをかけて求められる放出光束φの分布模様は、中心円である光源位置を軸として釣鐘型を呈している姿が現れた(図3-10(a))。その形状は、分布指数n=2とした半値全幅FWHMの井上数式 E=A(1/2)^[(x/σ)^2] に偶然にも一致している。そして全値Aは敷設した放出率γに正比例し、半幅σは敷設した放出率γの平方根に逆比例していることも分かった(図3-10(b))。換算すると A・σ^2=一定 で、つまり釣鐘型曲面で囲まれている体積は敷設し