ブックタイトルメカトロニクス8月号2015年
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メカトロニクス8月号2015年
MECHATRONICS 2015.8 11所 在 地:U R L:事業内容:長野県岡谷市http://www.osachi.jp医療機器の開発/研究/製造/販売、静電容量型圧力センサの製造/販売。株式会社 オサチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・医療機器の大手メーカーと連携し、販売に関してはすべて一任するような形になっています。 装置の特徴としては、①徐々に上昇する電流値から各被験者の電流知覚閾値を把握することができ、痛みに対応する電流を測定して、痛みの大きさを数値化することができる、②痛みを伴いにくい独自の波形と周波数の電流で測定、③小型/軽量(< 本体>W290×D250×H80mm、約2.5kg)で、持ち運びが容易、④煩雑な操作はなく、1 回の測定をスムーズ(約5 分)に行うことができる、などが挙げられます。測定は目的に合わせて3つのモードから選択でき、幅広いニーズに対応できます(写真3)。さらに、履歴をグラフ化して治療効果などを評価することも可能になります(写真4)。 次に、血圧計をご紹介します。血圧計については、販売も含めてすべて当社の方で行っており、現在主力になっているのが病院向けに販売している循環動態表示機能付血圧計『CardioVision MS-2000』になります(写真5)。 この製品は、わずかな時間で動脈硬化度測定と循環動態分類ができ、循環動態分析パターン/動脈の硬化度指数(ASI)/血圧測定値/上下肢血圧比(ABI)/血管推定年齢などの情報が得られるといった特徴をもっています。従来の血圧測定方法と同様に、上腕部に血圧測定用のカフを巻き測定を行います。測定後、血圧値と共にASIを表示します。ASIは、血管の硬さを表す指数で、血管は柔らかい内/中膜領域と硬い外膜が組み合わさって弾性的な性質を示しますが、ASIは、特にこの内/中膜領域の弾力性の指数になります。 また、上腕での測定の後、足首専用カフを使用しABI測定を行うことができます。さらに、血液脂質データを入力することで、フラミンガム危険リスクを算出でき、生活習慣病の管理、指導に有用となります。豊富な測定レポートを用意し、測定データは患者データベースに保存され、いつでも閲覧や印刷することが可能です(写真6)。 そして、『MS-2000』の他にも循環動態表示機能付血圧計のラインアップとして『VitalVision MS-1200』も主力製品になっています(写真7)。この製品は、H-Value(循環動態指標)/血圧値/脈拍数の情報が得られる特徴をもっています。上腕部に血圧測定用のカフを巻き測定を行い、測定が終了すると、血圧値と共にH-Valueを4 段階で表示します。測定に要する時間は約1分で、測定結果は30回分自動記憶され、過去の測定結果を呼び出して確認することができます。また、測定を行っていない状態のときには、循環動態指標の平均値が液晶画面に表示され、循環動態指標のトレンドをいつでも、一目で確認することが可能です。 今後の展開について お聞かせ下さい白川:当社の強みは、まず痛み計についてのノウハウをもっていることです。痛みを測定する手段というのは、まだそれほど世に出ていませんが、今後は注目される技術になると思います。また血圧計にしても、競合他社は多いのですが、「血管の硬さがわかる」という所で差別化を図っています。 この2つの技術は、まったく別ものになりますが、「人間の身体から何かの情報を取り出す」という“ 生体測定” の技術からみると共通しています。当社は、この“ 生体測定”の分野で今後成長をしていきたいと考えています。そのために、大学病院の先生などにも協力して頂き、今の時代にマッチする新しい製品の開発にも力を入れていきます。すでに、年内には新製品の発表を予定しており、そのほかにもいくつか開発を進めている状況です。そして、グループ企業との連携により、今後は2年位のペースで新しい製品を世に出していきたいと考えています。 また、販売ルートの拡大にも力を入れています。国内もそうですが、特に海外についてはジェトロのサービスを利用した取り組みを進めていきます。以前は、当社の経営幹部のみがジェトロとのやり取りを行っていましたが、最近では全社的にジェトロを活用する意識が浸透し、多くの部署や担当者がジェトロにコンタクトするようになってきました。 当社としては、引き続き全社員が一丸となって海外市場の開拓を進めていき、今後は、英国、アセアン、ロシア向けの輸出にもチャレンジし、業界内でのシェアを高めて売り上げを伸ばしていきたいと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真4 解析結果のレポート写真6 豊富な測定レポート写真3 『PainVision PS-2100』の測定画面写真5 循環動態表示機能付血圧計『CardioVision MS-2000』写真7 循環動態表示機能付血圧計『VitalVision MS-1200』