ブックタイトルメカトロニクス7月号2015年
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メカトロニクス7月号2015年
MECHATRONICS 2015.7 11所 在 地:U R L:事業内容:山梨県大月市http://www.sanyoseiko.co.jp高精度加工、高技術加工、製品開発、各種装置組立(メカ、電気)、各種製造、など。山陽精工株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほとんどできると思います。このようなことが、「製造支援隊」というコーディネイトのような取り組みの立ち上げに繋がっていき、その中で当社の役割としては、今まで蓄積したノウハウを活かし、このネットワーク内でどこもできないような案件などを専門に担当し、協力会社にはそれぞれ得意分野がありますので、それを活かせる案件を見極めて依頼する立場を担っています。 「製造支援隊」の主な特徴としては、①50 年の加工技術を駆使した見積り検討体制で多種多様な案件に対応、②100 社を超える協力工場ネットワークの広く深いキャパシティにより、一式の図面にも素早く対応、③各種技能士を多数揃え、加工相談アドバイザとして様々な加工方法を提案、④大学/工業技術センター、外部技術者による高度な技術ネットワーク体制で、難解な案件にも対応、⑤受入検査、工程内検査、出荷検査で品質保証も万全、などが挙げられます。さらに、ものづくりに必要な知識もすべてデータベース化しているため、新入社員の方でもモバイル端末を使用することで、入社数年の方と同じような仕事ができるような仕組みになっています。 このような特徴を活かして、今までは作業工程毎に依頼していたものを、設計/加工/組立までのすべての作業工程が一貫して請け負える体制を構築しています。 御社のメーカー部門となる SMT事業についてお聞かせ下さい白川:SMT 事業は、メーカーとして1999 年に開発した高温観察装置を販売するために立ち上げた事業になります。現在の拠点としては、東京都八王子市に設置した東京本社が事業本部になっており、そこにはラボの施設もあるので、お客様がサンプルをもってきて頂いてデモを行うこともできます。そのため、営業の社員だけなく技術の社員も数名常駐しています。また製品の製造に関しては、山梨の本社内にある工場で行っています。 現在、SMT事業で主力となる製品をいくつか紹介いたします。まずは高温観察装置『SMT Scope』の紹介ですが、この製品は、電子部品の実装をはじめ、化学、繊維、樹脂、セラミックなどの高温加熱処理を必要とする分野において、その挙動をリアルタイムに観察できる装置として開発されました。精密かつ再現性のある温度制御(常温~1,200 ℃)により、揺らぎのない高倍率観察が可能で、加熱雰囲気は、大気、真空はもとより、特注でギ酸、水素、高真空にも対応が可能です。特にギ酸雰囲気加熱特注仕様では、狭ピッチでのマイクロバンプ接合やパワー半導体におけるギ酸還元雰囲気下での、はんだ付け挙動「その場観察」が行えます(写真2)。ラインアップとしては、MAX400 ℃までの『SK-5000』(写真3)、MAX800 ℃までの『SK-8000』(写真4)、MAX1,200℃までの『SK-1200』(写真5)と、コンパクト設計により低コストを実現したMAX350 ℃までの『SL-1』(写真6)の4タイプを用意しています。 次に、変位検出ぬれ性試験機『SMT Tester SDM-4000』を紹介します(写真7)。この製品は、非接触のレーザ変位計で測定することにより、高感度なソルダペーストのぬれ性評価を可能とし、ぬれ性を高精度、定量的に評価することによって、リフロー実装における最適実装条件の決定を迅速化し、ソルダリング技術を向上させることを目的として開発されました。銅基板上にソルダペーストを規定量供給、その上に銅個片を搭載し、実装時と同様の温度プロファイル加熱によってソルダペーストを溶融させ、銅個片の鉛直方向に対する変位量を非接触のレーザ変位計によって、時間の係数として記録し、得られた時間-変位曲線図からソルダペーストのぬれ性を評価します。また、JIS Z 3284-4(ソルダペースト)4.5変位検出ぬれ試験(2014.06.20 制定)、JEITA ETX-7412 極小表面実装部品のはんだ付け性試験方法(変位法)(2013.09制定)に準拠しています。 さらに、昨年開催された「JPCA SHOW 2014」において、「変位検出によるソルダペーストの新しいぬれ性試験方法」が第10 回JPCA 賞(アワード)を受賞しています(写真8)。 今後の展開についてお聞かせ下さい白川:まず、当社のベースとなるものづくり事業に関しては、「製造支援隊」という取り組みを柱に、国内市場において積極的に事業展開を行っていきます。 また、新規参入した医療分野においては、医療機器の設計から製造までをすべて自社グループで行える体制が整えられたので、これを活かした事業展開を行っていきます。 さらに、SMT 事業に関しては、高温観察装置など標準機1 台を販売していくというよりは、実装における加熱雰囲気は従来の大気や窒素以外にも多様化しているため、先程お話した特殊雰囲気加熱のギ酸/水素/高真空や市場で他社がやらないようなこと、そして何よりお客様が困っていることを解決するための提案を行っていきます。そのような、コンサルティング事業を進める中で、装置が販売されていくというような流れを1つのビジョンとして考えています。 「難しければ難しいほどチャレンジしていく」ということが、これまでの当社の社風にもなっているため、このチャレンジ精神で3つの柱となる事業を大事に成長させていくことが、今後の展開になると思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真3 高温観察装置『SMT Scope SK-5000』写真5 高温観察装置『SMT Scope SK-1200』写真7 変位検出ぬれ性試験機『SMT Tester SDM-4000』写真4 高温観察装置『SMT Scope SK-8000』写真6 高温観察装置『SMT Scope Light SL-1』写真8 第10回JPCA賞(アワード)を受賞