ブックタイトルメカトロニクス6月号2015年
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メカトロニクス6月号2015年
MECHATRONICS 2015.6 11大電力アプリケーションへの搭載を実現する緊急時に遮断弁の遠隔操作を無線で行う1200V/300Aに対応したフルSiCパワーモジュールを開発フィールド無線用電磁弁操作モジュールを発売 ローム( 株)は、産業機器や太陽光発電パワーコンディショナ等のインバータ、コンバータ向けに1200V / 300A 定格のフルSiC パワーモジュール『BSM300D12P2E001』を開発した。 同製品は、同等電流定格のIGBTモジュールと比較してスイッチング損失を77%低減することができ、IGBTモジュールからの置き換えにより大幅なスイッチング損失の低減が望め、冷却機構の小型化が可能になる。また、より高周波スイッチング動作を行うことで、コイルやキャパシタといった周辺部品の小型化も実現でき、SiCモジュールを使うことで、高効率化とともに機器の小型化に貢献。内蔵するSiCデバイスの配置、内部パターンを最適化することで、従来品と比較し、内部インダクタンスを約半減したパッケージを開発し、これにより300A 定格の製品化を実現。 横河電機(株)は、地震など、プラント配管の弁を緊急に遮断する事態が発生した際に、フィールド無線規格ISA100 Wireless の無線通信で遠隔から遮断操作を行えるフィールド無線用電磁弁操作モジュールを発売した。 同製品は、ISA100 Wirelessの無線通信で遠隔から緊急遮断用の空気式バルブアクチュエータ(バルブ駆動装置)を動作させるための装置で、上位システムとの中継役を果たすアクセスポイントから無線信号を受け取り、電磁弁を操作して空気式バルブアクチュエータを動作させ、遮断弁を開閉する。地震の際に外部電源の異常が発生した場合でも、内蔵電池で電磁弁を操作し、空気式バルブアクチュエータを動作させる。通常の使用で、10年間交換が不要な長寿命の電池を装備している。地震発生時には、浮き屋根が大きく揺れ出すまでに遮断の動作を完了する 同社は、2012 年3 月に内蔵するパワー半導体素子をすべてシリコンカーバイドで構成したフルSiCパワーモジュールの量産を開始して以来、1200V / 120A、180A 品において、産業機器などでの採用が進んでいる。その省エネ効果からさらなる大電流製品のラインアップが期待されていたが、SiC製品の特徴である高速スイッチング性能を最大限活かすためにも、大電流化する際に課題となっていたスイッチング時のサージ電圧の影響を抑えた新規パッケージの開発が必要であった。今回、チップ配置およびモジュール内部構造の最適化により、従来品と比較しモジュール内部インダクタンスを大幅に低減することに成功し、これによりサージ電圧を抑えることができたため、300A の大電流化を実現した。 同社では、すでにサンプル出荷を開始しており、6 月よりことが重要になり、同製品と同社フィールド無線システム機器を用いたシステムでは、ISA100 Wireless の特徴と同社のノウハウで、完全に二重化された信頼性の高い高速通信を確保できる。これにより、中央監視室等に設置された上位システムから弁の緊急遮断の指示を発した後、10秒以内に閉止動作の完了が可能になる。 地震に備えた安全対策が進められる中で、2005 年に施行された省令では、石油などを貯蔵する浮き屋根式の屋外タンクに、地震の揺れで屋根の上に漏れ出した貯蔵物が雨水排水管を通じてタンク外に流れ出すことを防止する遮断弁を設置することが定められている。さらに、この弁を手動で閉められる体制を整えるか、弁を閉める機器を遠隔で操作できることも求められている。 同社では、2015 年4 月3日より販売を開始し、2015年度1,000 台の販売を目標にしている。2015.6量産出荷を開始する予定。請求番号F5004請求番号F5003請求番号F0007