ブックタイトルメカトロニクス3月号2015年
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メカトロニクス3月号2015年
MECHATRONICS 2015.3 43ガバナンスの構造、及び強化された対応能力に依存する(中程度の確信度)。{3.5、4.5}■今後の予定 第5 次統合報告書は、2014 年12月1 日からリマ(ペルー)で開催された「UNFCCC の第20回締約国会議」(COP20)で報告され、今後の地球温暖化対策のための様々な議論に供される。なお、昨年(2013年)10月の第37回総会以降、第5次評価報告書後のIPCCの運営や成果物の改善に向けた議論が進められており、来年(2015 年)2 月に開催されるIPCC第41回総会において、第6次評価報告書作成等の今後のIPCCの活動に関する基本枠組みが決定される見込みである。■国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20)及び京都議定書第10回締約国会合(CMP10) COP20 およびCMP10 は、2014 年12 月1 日から14日までリマ(ペルー)において行われた。最終的には、2020年以降の枠組みに向けて各国が提出する約束草案等に関する決定を含むCOP 及びCMPの決定等が採択された。2020年以降の枠組みについては、2015 年のCOP21に十分先立って(準備のできる国は2015年第1四半期までに)提出を招請されている約束草案を提出する際に示す情報(事前情報)等を定めるCOP 決定(「気候行動のためのリマ声明」(Lima Call for Climate Action))が採択された注1)。注1)本会議の概要については、日本政府代表団の名前で環境省等のホームページに掲載されている。■COP21に向けた新枠組みの作成 2020 年以降の新枠組みについては、リマ声明に基づき、IPCC の第5次評価報告書の示す目標注2)を達成するため、すべての国が参加する枠組みづくりを目指して、以下のスケジュールで検討が行われる。注2)その目標とは、“産業革命(18 ~ 19 世紀)後の気温上昇を2度未満に抑える”ことで、そのためには・CO2の総排出量を約2兆9000億トンにとどめる・温室効果ガスを2010年比で40~70%削減、21世紀までに排出ゼロにする必要があると分析している。<今後の検討スケジュール> ・2015 年2 月:第1 回準備会合3月:2020年以降の新しい国別目標の提示5 月:新枠組みの合意文書草案の作成6 月:主要7 ヵ国首脳会議(G7サミット)6 月:第2 回準備会合 秋:第3 回準備会合11月:各国が目標文書を提出12月:COP21(パリ)で新枠組み合意・2016 年以降:各国の批准手続き開始・2020 年:新枠組みスタート(2014.12.16記)<参考資料>1)報道発表資料:文部科学省、経済産業省、気象庁、環境省「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5 次評価報告書統合報告書の公表について」(2014.11.2)2)IPCC:「Climate Change 2014 = Synthesis Report ofthe Fifth Assessment Report of the IPCC」(2014)3)日本政府代表団:「国連気候変動枠組条約第20 回締約国会議(COP20)京都議定書第10回締約国会合(CMP10)等の概要と評価」(2014.12.14)え温室効果ガスの人為的な排出が停止したとしても、何世紀にもわたって持続するだろう。急激あるいは不可逆な変化のリスクは、温暖化の程度が大きくなるにつれて増大する。{2.4}SPM 3.適応、緩和、持続可能な開発に向けた将来経路 適応及び緩和は、気候変動のリスクを低減し管理するための補完的な戦略である。今後数十年間の大幅な排出削減により、21 世紀とそれ以降の気候リスクを低減し、効果的な適応の見通しを高め、長期的な緩和費用と課題を減らし、持続可能な開発のための気候にレジリエントな(強靭な)経路に貢献することができる。{3.2, 3.3, 3.4}SPM 3.1 気候変動に関する意思決定の基礎 気候変動とその影響を抑制する効果的な意思決定は、ガバナンス、倫理的側面、公平性、価値判断、経済的評価、リスクや不確実性に対する多様な認識や対応の重要性を認識しつつ、予想されるリスクや便益を評価する幅広い分析的アプローチを行うことによって明らかにされる。{3.1}SPM 3.2緩和及び適応によって低減される気候変動リスク 現行を上回る追加的な緩和努力がないと、たとえ適応があったとしても、21 世紀末までの温暖化は、深刻で広範にわたる不可逆的な世界規模の影響に至るリスクが、高いレベルから非常に高いレベルに達するだろう(高い確信度)。緩和はあるレベルの共同便益や負の副次効果によるリスクを伴うが、これらのリスクは気候変動による深刻で広範にわたる不可逆的な影響と同程度のリスクの可能性を伴うものではなく、近い将来の緩和努力による便益を増加させる。{3.2、3.4}SPM 3.3 適応経路の特徴 適応は気候変動影響のリスクを低減できるが、特に気候変動の程度がより大きく、速度がより速い場合には、その有効性には限界がある。より長期的な観点では、持続可能な開発な文脈において、より多くの即時的な適応行動は将来の選択肢と備えが強化される可能性を高める。{3.3}SPM 3.4 緩和経路の特徴 工業化以前と比べた温暖化を2℃未満に抑制する可能性が高い緩和経路は複数ある。これらの経路の場合には、CO2及びその他の長寿命温室効果ガスについて、今後数十年間にわたり大幅に排出を削減し、21 世紀末までに排出をほぼゼロにすることを要するであろう。そのような削減の実施は、かなりの技術的、経済的、社会的、制度的課題を提起し、それら課題は、追加的緩和の遅延や鍵となる技術が利用できない場合に増大する。より低い又はより高い水準に温暖化を抑制する場合も同様の課題を抱えているが、時間尺度が異なる。{3.4}SPM 4. 適応及び緩和 多くの適応及び緩和の選択肢は気候変動への対処に役立ちうるが、単一の選択肢だけで十分というものはない。これらの効果的な実施は、政策と全ての規模での協力次第であり、他の社会的目標に適応や緩和がリンクされた統合的対応を通じて強化されうる。{4}SPM 4.1 適応及び緩和にとって共通の有効な要因及び制約 適応及び緩和は共通の有効な要因に支えられている。これらの要因は、効果的な制度とガバナンス、技術革新と環境面に優れた技術とインフラ(社会基盤施設)への投資、持続可能な生計、行動面と生活様式上の選択肢を含む。{4.1}SPM 4.2 適応のための対応の選択肢 適応の選択肢は全ての分野に存在するが、実施の状況や気候関連のリスクを低減する潜在性は分野や地域で異なる。いくつかの適応策は重大なコベネフィット、相乗効果、トレードオフを含む。増大する気候変動によって、多くの適応の選択肢に関する課題は増加するであろう。{4.2}SPM 4.3 緩和のための対応の選択肢 緩和の選択肢は、各主要部門で利用可能である。緩和はエネルギー使用及び最終消費部門の温室効果ガス排出強度の低減、エネルギー供給の脱炭素化、土地利用部門での正味の排出量の削減及び炭素吸収源の強化、といった対策を組み合わせる統合されたアプローチを用いた場合、費用対効果が高くなり得る。{4.3}SPM 4.4 適応と緩和、技術、資金に関する政策アプローチ 効果的な適応及び緩和は、国際的、地域的、国家的、準国家的な複数の規模にまたがった政策や対策に依存するだろう。気候変動に向けた技術の開発・普及・移転や気候変動対応に向けた資金を支援するあらゆる規模の政策は適応及び緩和を推進する政策の実効性を直接的に補完・向上し得る。{4.4}SPM 4.5 持続可能な開発とのトレードオフ、相乗効果、相互作用 気候変動は、持続可能な開発に対する脅威である。それでも、統合的対応を通じ、緩和、適応、及びその他社会的目標の追求とリンクする多くの機会が存在する(高い確信度)。実施の成功は、妥当な手段、適切な<図1>SPM.7(a):年平均地上気温の変化の分布1)注)RCP2.6(左)とRCP8.5(右)のシナリオによる、1986-2005 年に対する2081-2100 年の予測についての複数のモデルの平均に基づく。それぞれの図の右上隅の数字は、複数モデル平均を算出するために用いたモデルの数である。点描画は、予測された変化が自然起源の内部変動性に比べて大きく、かつ少なくとも90%のモデルが同じ符号の変化をしている領域を示す。斜線部は、予測された変化が自然起源の内部変動性の1 標準偏差よりも小さい領域を示す。{2.2, 図2.2}