ブックタイトルメカトロニクス2月号2015年

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概要

メカトロニクス2月号2015年

22低圧モータ向け制御/保護機器ABB(株)MECHATRONICS 2015.2 全電圧始動(直入れ)の場合でも、制御盤の小型化や省配線化を実現し、人的負荷も削減するモジュール式機器群を取り揃えている。 以下にその例をいくつか挙げる。 このうち、特徴的な製品を以下に紹介する。■MMS(マニュアルモータスタータ)  MSシリーズ 同シリーズは、ブレーカの短絡保護・断路機能とサーマルリレーの過負荷、欠相保護機能を一体化した画期的な保護機器で、開閉機能をもつコンタクタAFシリーズと接続キットで一体化することができ、多数の保護機能と同時に省配線、省スペース、省工数も実現できる。また短絡、過負荷、欠相保護時にはトリップ位置にハンドルが移動するので、人の手によるOFF操作か保護機能によるトリップかが一目で判別できる。さらにトリップ位置になった時、短絡保護で動作したのか、過負荷保護で動作したのか判別可能な短絡トリップ表示も備えており、復旧調査がスムーズに行える。■コンタクタ AFシリーズ 同シリーズは、9~1,050A(AC-3)、22~2,650A(AC-1)まで、他にはない幅広いレンジでモータ駆動が行える製品。各種海外規格にも適合し、主回路電圧は最大AC1,000Vまで対応可能。最も特徴的なのが制御コイル電圧レンジで、わずか4種類のコイルでAC/DC24~500Vをカバーする上、1つのレンジでカバーする範囲が極めて広くなっている。例えば、AC/DC100~250Vコイルがカバーする範囲は85~275Vにまでなる。さらに、制御コイルの駆動方式を根本的に見直し、従来比で駆動時最大80%、保持時最大40%もの消費電力を削減することが実現できた。また、一般的にオプションとなる、コイルのサージサプレッサを制御コイル回路内に組み込むことでサイズを抑え、コスト削減にも寄与する。直入れ(DOL)用機器請求番号 B5070FA 周辺・関連機器背景と事業概要 始動/停止の電圧をサイリスタで連続調整するソフトスタータは、速度制御を不要とした定格運転用途において、始動/停止時の電流変化を滑らかにし、モータや機械へのダメージを適切に抑える、というのが基本的な役割である。同製品は、国内市場ではいまだに一般的な手法として認識されていないが、速度制御不要の用途において、欧米では既に積極的に活用されており、TCO削減に貢献する大きな可能性を有している。同製品の用途は多岐にわたり、例えばウォーターハンマの緩和、巻き上げ砂の吸込量の軽減(ポンプ用途)、機械的ダメージの低減(粉砕機用途)、ワーク転倒、すべり防止(コンベヤ用途)などが代表的である。また、モータ(三相かご型誘導電動機)では、始動時には運転時の5~8倍の電流が流れる(突入電流)。4月から導入されるトップランナー(IE3)では、突入電流はさらに約10%アップすることに注意が必要である(同社調べ)。同製品は、有効かつ簡易な突入電流対策のひとつとなり得る。ラインアップとしては、様々な用途の小型~大型モータに対応でき、3~1050アンペアの4機種を取り揃えている。PSTX シリーズソフトスタータ “世界中で発電される電力の約3割を消費し、その需要は今後も伸び続けるといわれるモータ。その需要は、2008~2035年で約50%増加するとIEA(国際エネルギー機関)は予測している。モータのエネルギー消費効率を上げることは、温室効果ガスを削減し、エネルギー供給の安定性を向上する上で最も持続的、経済的、そして迅速な手段といえる。同社は、電力技術とオートメーション技術のリーディング企業の1社として、電力系統の信頼性、エネルギー利用の効率性、産業の生産性の3つの事業テーマを追求している。そして、産業用モータ、インバータ事業をはじめとする数々の分野で世界シェアトップクラスの製品を有している。 日本においても2015年4月、トップランナー規制が施行されるが、このような取り組みを成し遂げる上で大切な観点は、効率化のメリットと事業活動のメリットを的確に結びつけることである。そこで同社は、“TCOの最小化”というコンセプトを掲げ、効率化=長期収益の向上のためにモータ運用を総合的に捉え、様々な取り組みを実施している。 現在、全世界で使用されているモータのうち、約9割のモータは速度制御が不要、つまり定格運転用途だといわれる。しかし、始動時、停止時に適切な制御を行ない、電力消費を抑えることは、稼働コストを下げ、長期収益の向上へとつながり、急発進急停止を避けることで設備寿命も延び、ダウンタイムコストが低減できる。また、柔軟な発想、革新の伝統から生み出される低電圧機器のラインアップには、DOL関連の機器も網羅され、人的な要素までも含む幅広い視点でTCO削減を達成する。ここでは、同社だからこそ提案できる、TCO最小化のための有効な選択肢となる低電圧機器を紹介する。● ABB(株) 東京都渋谷区桜丘町26-1請求番号 B5069