ブックタイトルメカトロニクス12月号2014年

概要

メカトロニクス12月号2014年

48 MECHATRONICS 2014.12　2014年9月3日（水）～5日（金）の3日間、幕張メッセにおいて、計量／計測／分析／理化学機器、実験器具、実験設備、受託分析、ソフトウェア、システム及びその周辺機器の展示、セミナーなどを行う『JASIS 2014（分析展2014（第52 回）／科学機器展2014（第37 回））』が開催された。　総出展社数は466 社、総出展小間数は1,399 小間、3日間の総来場者数は23,794 名を集めた。■液体・気体の水銀を1 台で測定　京都電子工業（株）では、液体・気体の水銀を1 台で測定することができる、水銀測定装置『MD-700D』を紹介していた。　同製品は、液体／気体試料中の水銀を公定法（標準測定法）に準拠して測定できる水銀専用測定装置で、干渉ガス除去のための新測定経路を採用している。測定方法は、還元気化法（公定法に準拠）、還元気化法-金アマルガム法（水銀のみを正確に測定）、水銀捕集管-加熱気化法（公定法による気体試料測定）。実験室が手狭で設置場所が限られてしまうような場合に有用なシステムで、使用に際して液体試料と気体試料を測定するような場合、2 機種を購入する必要がないため、高い経済効果を得ることができる製品となっており、多くの来場者の注目を集めていた。■露点－40 ℃以下の　ドライルーム環境を身近に実現　トーリ・ハン（株）では、露点－40℃以下のドライルーム環境を身近に実現する、卓上型グローブボックス『TDC-160-GB』を紹介していた。　これは、コンパクトで強力な除湿ユニットである独自の新型超強力型精密ドライユニット（不活性ガスを使用しない乾燥剤自動再生装置）2基の採用により、不活性ガス不使用でも露点－40℃以下の乾燥雰囲気を実現する製品。ガラス面はフルオープン可能で、設置しやすい、使いやすいコンパクトな設計を採用しており、イニシャルコストも安い。加えて、省エネルギー、低ランニングコスト（低消費電力、消耗品なし）、無振動、低作動音という点も大きな特徴となっている。■前処理の必要がない、　非破壊方式を実現　（株）テクノエックスでは、前処理の必要がない、非破壊方式の放射性セシウム測定装置 FD-08csloooシリーズ『LegUmeS（レギューム）』を紹介していた。　同製品は、JST の先端計測分析技術・機器開発プログラムでの、同社と大阪電気通信大学による「複雑形状食品の放射能検査装置の開発」の開発成果をもとに実用化されたもので、検査したい食品などを切断したりする前処理なしでそのまま測定することができる。そのため、抜き取り検査よりも安心した消費に貢献する製品となっている。あらかじめ処理することなく測定できるので、測定した検体をそのまま消費できる他、人件費や時間を大幅に短縮でき、さらに試料廃棄の必要がない。また、最新型の日本製Csl検出器を搭載しているため、少ない試料量で高感度測定が可能となっている。■あらゆる角度における剥離試験が可能　協和界面化学（株）では、角度自在タイプの粘着・皮膜剥離解析装置『VPA-2S』を紹介していた。　同製品は、あらゆる角度における簡便で精度のよい剥離試験を可能にした、同社独自の試験法「平板クロスステージ法」を採用した角度自在／軽荷重剥離解析装置の、省スペース型の装置。先端工業分野におけるその構成材料として、また生産プロセスに欠かせない材料として重要な役割を果たしている粘着テープの粘着・剥離挙動を多面的に解析するもので、0から180 °の範囲で剥離角度の設定が容易にできる他、従来は困難であった剥離強度の剥離角度依存性が測定可能である点、低速から高速まで一回の測定で剥離強度の速度スペクトルが得られる点、などの特徴を有する。■あらゆるユーザーに　SEM 観察の楽しさを提供　（株）日立ハイテクノロジーズでは、ショットキー走査電子顕微鏡『SU5000』を紹介していた。　この『SU5000』は、バーサタイルなハードウエアに、SEM 観察において新しい体験を提供するユーザーインタフェース「EM Wizard」を搭載した製品。　多様なユーザーデマンドに対応するハードウエアとしては、ショットキーエミッタ搭載、アウトレンズ型対物レンズ、ドローアウト型チャンバ、低真空機能などの特徴を有する。また、新しい概念のユーザーインタフェース「EM Wizard」は、SEMが初めての人でも美しい像が得られる他、ひとりで原理を習熟・熟達できる点、熟達した人にさらなる応用を提供する豊富な機能を有すること、など、あらゆるユーザーにSEM観察の楽しさを提供するものとなっている。■粒子ごとの表面修飾、ぬれ性、　組成均一性などの計測が可能　大阪大学　度會・河野プロジェクトのブースでは、粒子ごとの表面修飾・ぬれ性・組成均一性などの計測を可能にする、微粒子磁化率計MAlty、並びに、粒径測定装置Nanomeasureに関する展示、及び受託測定の案内を行っていた。　新しい粒子径測定Nanomeasureは、測定セルを正確に校正可能で、特殊な解析式はなし、物理的に正しい粒子径測定が1粒子ごとに可能。サンプル容量は極少量“0.5μl”、色素材料など溶媒の色が濃いサンプルも直接測定が可能、そのまま顕微ラマン測定が可能、などの特徴を有するという。　同展示会の次回開催は、2015年9月2日（水）～4日（金）、幕張メッセで予定されている。JASIS 2014 22014年9月3日（水）～5日（金）幕張メッセ（一社）日本分析機器工業会／（一社）日本科学機器協会■ 会　期■ 会　場■ 主　催水銀測定装置『MD-700D』大阪大学　度會・河野プロジェクトのブース卓上型グローブボックス『TDC-160-GB』放射性セシウム測定装置『LegUmeS』デモを交えた、粘着・皮膜剥離解析装置『VPA-2S』の展示ショットキー走査電子顕微鏡『SU5000』に関する展示