ブックタイトルメカトロニクス12月号2014年

ページ
12/52

このページは メカトロニクス12月号2014年 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス12月号2014年

12 MECHATRONICS 2014.12 御社の概要についてお聞かせ下さい平本:当社は、1994 年3月に設立し、今年で20 周年という節目の年を迎えています。私が以前勤めていた会社が吸収合併をすることになり、それがきっかけとなって、独立する形で会社を起ち上げました。 私自身、長年バーコード関連の仕事に携わっていたので、当社を設立する時もバーコード関連の仕事をやるということは決めていたのですが、具体的にどのようなことをやっていくのかに関しては色々と悩んでいました。そして、自動認識技術(Auto ID)/ネットワーク技術(Network)およびシステム技術(Integration)により、新しい価値を創造していくという方向性を決め、会社名もそれぞれの頭文字をとって“AINIX”として、事業をスタートさせました。 また、当社を設立した1994 年は、それまでのMS-DOSに変りWindows3.1が普及し始め、翌年の1995 年にはWindows95 が大ブレークし、コンピュータが身近に感じられるようになった一つの区切りとなる年でした。当時は、EUC(End UserComputing:エンドユーザーコンピューティング)という言葉が流行り、「エンドユーザーが自分でコンピュータを操作できる時代がきた」という時期でもありました。そういったことから、当社も設立当初は、バーコードをエンドユーザーが簡単に使えるようにしたいと考え、EUB(End User Barcoding:エンドユーザーバーコーディング)といった内容の事業展開を行っていきました。具体的には、バーコードを簡単に印刷できるようにする、読めるようにする、あるいはデータをハンドリングできるようにするなど、バーコードを使える環境やそれにともなうソフトウエアを提供していくことがビジネスの最初の柱となり、自社ブランド製品の開発にも繋がっていきました。 そして、自動認識関連の機器、自動認識を使ったソリューション、自動認識関連のソフトウエアといった3本柱で事業を展開していましたが、最近ではクラウド 自動認識技術とネットワーク技術で、新たな価値を創造するアイニックス株式会社。自動認識技術を利用するために4つのコンセプトを掲げて事業展開する同社の概要、技術、製品などについて、代表取締役であり自動認識コンサルタントの平本 純也 氏にお話を伺った。アイニックス株式会社代表取締役・自動認識コンサルタント平本 純也 氏ユーザーにマッチした自動認識ソリューションをワンストップで提供 ~自動認識技術をコアに4つのコンセプトで提案~サービスやNTTドコモの通信網を利用した通信サービスなど、サービスビジネス事業にも展開し、事業拡大を推進しています。 御社の技術やそれに伴う事業について お聞かせ下さい平本:当社のコアとなる技術は、様々なシーンをサポートする自動認識技術ですが、そこになにかをプラスして付加価値をつけたり、または新しい市場を開拓したりするなど、色々とアイデアを生み出して当社の価値を高めています。当社は、このようなバーコードを利用したソリューションを4つのコンセプトで提案しています。 まず一つ目は、設立当初から展開しているバーコードシステムを簡単に利用できる提案で、現在では『EasyBarcoding』という名称で呼ばれています。従来のバーコードシステムは、使用するバーコード機器に合わせて開発した専用ソフトウエアが必要だったので、長い開発期間と多くの予算が必要でした。また、わずかな修正でもソフトウエア技術者に依頼しなければならなかったため、現場に適したシステムを構築するのに多大な時間と労力が必要でした。 そこで当社は、バーコードをもっと広く簡単に使用してもらうために、バーコードシステムの基本であるバーコードの作成、バーコードの読取、バーコードの入力/編集、そしてハンディターミナルのプログラム開発を誰でも簡単にできるソフトウエアを開発しました。しかも、Access、Excel、VBなどによるEUCソフトウエアと連携するだけでなく、WEBアプリケーションでも簡単に実現できるようにしています。さらに従来のバーコードシステムは、バーコード機器とソフトウエアがセットになっているため、同じメーカーの製品であっても自由にバーコード機器を変更することができませんでしたが、バーコード機器やバーコードシステムを自由に選択できるようにする「バーコードシステムのオープン化」も目指しています。 2つ目の提案は、リアルタイムな実在庫管理を実現する『POT(Point of Transportation)』という名称で呼ばれているものです。私は、以前勤務していた会社で物流システムの開発を担当していたのですが、物流システムは昔から少し遅れているといわれていました。生産管理について日本は昔から得意とされ、POS(Point of sale)システムを利用した流通はかなり進んでいましたが、物流に関してはコンピュータ化が遅れており、そこにバーコードを広めていくとビジネスチャンスがあるのではないかと考えました。そして、製造や流通で利用していたバーコードのノウハウを物流に応用する考え方で、アプリケーション開発を始めていったのがPOTという提案になります。 POTは、物が入出庫または移動した時に、その時点でバーコードやRFIDを読み取り、入出庫処理、ロケーション管理、履歴管理などを行うもので、リアルタイムな実在庫管理、入出荷履歴管理を実現し、音声認識を使用したピッキングでは、ハンズフリーとアイズフリーにより作業効率を改善することができます。 3つ目の提案は、バーコードをインターネットに利用する『e-Barcode』という名称で呼ばれているものです。これは、2000 年頃にインターネットを見るだけでなく、ビジネスに取り入れていこうとする「e時代」と呼ばれる“e”が付くビジネスモデルが色々と出始めたことで、その波に乗って行こうと始めたものです。携帯電話やモバイル機器の普及で、バーコードの表示やカメラ機能を利用した読み取りなど、バーコードがより身近になったことで、それを上手く活用してビジネスに繋げたいと考えました。 e-Barcodeは、今までPCの中でバーコードをつくっていたものを、ネット上に挙げてWeb 上でバーコードをつくっていきます。そして、Web 上でつくったバーコードを携帯電話などに配信して、そのバーコードでポイントを貯めたり入場管理を行ったりしていく提案です。ただ最近では一般化してしまい、当社のようなベンチャー企業のビジネスではなく、携帯電話会社のビジネスになってきているので、再度構築し直す必要があると考えています。 そして、最後の4つ目の提案は、リアルタイムに環境を監視する『RFID 監視(RFID Monitoring)』と呼ばれているものです。従来のRFIDは、リーダなどの機器メーカーやチップなどの部品メーカーが手掛けていたビジネスで、当社のような会社が新規に参入して新しいソリューションを展開していくのは中々難しい状況でした。そこで、当時は環境問題が注目され始めたこともあり、「RFIDと環境を合わせる」という発想からRFID監視の提案を始めました。