ブックタイトルメカトロニクス11月号2014年

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概要

メカトロニクス11月号2014年

5040 MECHATRONICS 2014.11 今回発表された新製品の 開発背景についてお聞かせ下さい菊池:当社の画像処理システム『In-Sight ビジョンシステム』をリリースして約14 年となり、多くのお客様にご愛顧いただいておりますが、2 年ほど前に『In-Sight7000シリーズ』というそれまで主力製品だった『In-Sight 5000シリーズ』よりも小型の画像処理システム製品をリリースしました。この『In-Sight 7000シリーズ』は、他のIn-Sight 製品と同様にカメラとプロセッサ一体型であることに加えて、レンズと照明もあらかじめ組み込まれたオールインワンタイプで、これまでのモデルにはないオートフォーカス機能も搭載されています。導入時にレンズや照明をセットアップする手間がなく、機能/性能の高さは勿論、装置への組み込み易さ/使い易さなどの点でも、お客様から一定のご支持をいただいております。 しかしながら、一部のお客様からは、「もう少し小型の製品はないものか」といったお声を非常に多くいただいていました。さらに、『In-Sightシリーズ』では、現在、500 万画素モデルが最も高解像度ですが、「高解像度モデルを小型のタイプで使ってみたい」といったお話などもいただいていました。また、スマートフォンの普及に伴い関連する生産現場においては、微細な部品を大量に生産して出荷していくことが主眼とされており、そのために、生産装置の高速化が進み、それに対応しうる高速画像処理システムの需要が高まっています。しかも、単なる処理の速さだけでなく、その検査結果を検査時間内で正確に出力する高速な応答性も求められている状況です。 当社としては、このような生産現場において『In-Sightシリーズ』をさらにご利用いただくために、まず主力である200万画素未満の標準解像度モデルにスポットを当て、当社画像処理システム製品群の中で最も小型な『In-Sight Microシリーズ』に新たなモデルを加えることで、製品ファミリー幅を広げ、市場ニーズに応えたいと考えました。そのような中で開発されたのが、今回の新モデル『In-Sight Micro 1500』です。 『In-Sight Micro 1500』の特徴について お聞かせ下さい菊池:今回の新製品は、従来製品である『In-SightMicro 1400シリーズ』の上位機種という位置づけになります。外形寸法が30×30×60mmという小さなカメラ筐体に、プロセッサも内蔵した非常にコンパクトな画像処理システムで、『In-Sight Microシリーズ』の特徴や資産をすべて継承したモデルになっています。所 在 地:U R L:事業内容:東京都文京区http://www.cognex.co.jp画像処理技術を基盤とした画像処理システム、画像処理ソフトウエア、画像センサ、バーコードリーダの設計、開発、製造、販売、サポートなど。コグネックス株式会社コグネックス株式会社MV システム事業本部マーケティング部フィールドプロダクトマーケティング係長菊 池 卓 志 氏・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ また、「In-Sight Micro 1500」には、超高速画像処理システムという名称が付けられており、その名が示す通り、従来モデルでは毎秒60回の画像取り込みが、今回の1500モデルではそれを大きく上回る毎秒213回の画像取り込みを実現しています。4.7ミリ秒という高速画像取り込み時間で、ターゲットとしているアプリケーションは、全体の処理が20ミリ秒以下、秒間で50個等の検査を行うことを想定しています。さらに従来モデルでは、検査結果を出力するパルスの時間が10ミリ秒と長めに設定されており、理論上検査時間はその時間より短くならないという問題を抱えていました。しかし今回のモデルは、正確に検査結果を出力できるようにI/O部分の見直しも行っており、指定された時間内で確実な出力ができるようにレスポンスを高めたことにより、高速応答性を実現しています。 さらに、画像取り込み時間についてもアプリケーションに合わせて高速化が可能になっています。検査対象となる製品は、どんどんと小さくなっている状況なので、当社としてもその流れに追従していけるような対応を行っています。 適応するアプリケーションとしては、スマートフォン向け小型電子部品の方向検査/寸法計測/異品種混入防止、ロール・ツー・ロールで製造されるようなフィルムの幅や途切れ検査、パッケージングマシンにおける画像取り込みの高速性を活かした連続読み取り、ロボットの先端に取り付けるハンドアイの停止時間の抑制といった部分などを見込んでいます。 また、今回の発売に合わせてバージョンアップを行った『In-Sight Micro 1500』対応ソフトウエアの『In-Sight Explorer 4.9.1』も同時リリースしています。 よくいただくご質問ではありますが、新製品が出るとお客様は新しいモデルということで、「また最初からプログラミングを覚えなくてはいけないのでは?」と心配されることが多いようですが、今回リリースした『In-Sight Micro 1500』は、当社『In-Sight ビジョンシステム』のファミリー製品ですので、今までお客様がお使いのIn-Sight 製品で開発したアプリケーションの資産をそのまま引き続きご使用いただくことが可能であることに加えて、直感的に画像処理アプリケーションが構築可能なEasyBuilderもご使用いただけます。例えば、画像処理速度がボトルネックになっていて、製造スピードがこれ以上速くならなかった装置においても、『In-Sight Micro 1500』に置き換えて頂くことで、簡単にスピードアップが図れるようになります。当社としては、こういった部分での需要も見込めると考えています。 今後の展開についてお聞かせ下さい菊池:今回リリースしたこの新モデルをきっかけに、お客様からは高速化と高解像度の需要がどんどんと上がっていくと予想されます。そのため、製品開発としては今後も高速化と高解像度に向けた研究開発を重点的に進め、『In-Sight Microシリーズ』のラインアップを充実させていきたいと考えています。 また、併売している『In-Sight 7000シリーズ』についてもバージョンアップなどを図りながらより機能強化をしていく予定です。本日はお忙しい中ありがとうございました。~高速応答性で画像処理システムの適用範囲を大きく拡大~生産装置の高速化に対応する新世代の超高速専用画像処理システム『In-Sight Micro 1500シリーズ』正しい向きに取り付けられたコンデンサ逆向きに取り付けられたコンデンサ正しい向き間違った向きコンポーネントの向きをチェックエレクトロニクス製品部品の向きを確認自動車製品