ブックタイトルメカトロニクス7月号2014年

概要

メカトロニクス7月号2014年

8 MECHATRONICS 2014.7視認性、保守性を向上したボディ・パワートレイン系マイコン電源に対応するシングルループコントローラの機能強化版を発売車載向け新LDOシリーズを16 機種開発　横河電機（株）は、TFT型液晶の採用や設計の見直しにより、視認性、保守性を向上したシングルループコントローラ『YS1000シリーズ』の機能強化版を発売した。　同製品は、ディスプレイ部分をSTN（Super TwistedNematic）液晶からTFT（Thin Film Transistor）液晶に変更したことにより、視野角が同社従来製品比で1.5倍以上に拡大するとともに、コントラストや輝度も向上し、視認性が大幅に向上した。また、ディスプレイの推奨交換周期も長くなった。シングルループコントローラは、通常、長期にわたって運用するため、液晶ディスプレイの交換が必要となるが、今回の機能強化では、操作端への出力を保持したままディスプレイを交換できるようになったので、プラント稼働中でも交換が可能。主な市場としては、電力、石油精製、石油化学、化学、鉄鋼、紙パル　ローム（株）は、自動車のボディ・パワートレイン系マイコンの電源に最適なLDO『BD4xxMxシリーズ』16機種を一挙に開発した。これにより、カーインフォテイメントなどの情報系電源用途に最適な『BDxxC0A シリーズ』と合わせて43機種となり、車載向けLDOシリーズとして、あらゆる用途に対応する。　今回開発した同シリーズは、パワー系最先端プロセスである0.35 μ m のBiC-DMOSを採用し、加えて同社が得意とするアナログ設計技術を駆使することで、一般品の1/2 以下（無負荷時）となる消費電流を実現し、自動車の省エネ化に貢献。入力変動時の出力電圧変動対策、発振対策として、1 ～ 10 μ F 程度の小さな容量でも安定した電圧出力が可能。このため、外付け部品に電解コンデンサではなく、セラミックコンデンサを使用できるよプ、食品、薬品、上下水道をはじめとする幅広い産業の生産現場をターゲットにしている。　シングルループコントローラは、電力、石油精製、石油化学、化学、鉄鋼など様々な産業のプラントにおいて、温度、流量、圧力などの測定データを受け取り、それらを適切な値に保つようバルブなどの操作端に指示を送る制御機器である。一つの制御ループ（プロセス制御における制御の単位）に対して1 台ずつ設置されるもので、分散形制御システムのバックアップ用途のほか、小規模プラントの制御などにおいて幅広い需要がある。今回は、熟練したエンジニアの減少、他社からの置き換えニーズの増加を背景に、より使いやすく保守性に優れたコントローラを求めるユーザーニーズに対応するため、2007 年に発売された『YS1000 シリーズ』の機能強化版が発売さうになり、実装面積の削減とコストダウンに貢献。回路構成を見直しブロック数を削減し、同時にチップレイアウトも組み直すことにより、過酷な用途に向けたパワーパッケージから省スペースを必要とする場合に最適な小型パッケージまで、車載用途6パッケージをラインアップした。　近年の自動車における電源IC は、電装化や多機能化が進むにつれて、オールマイティを追求するよりも、それぞれの状況に応じてパッケージや出力電流など、用途に合うように種類の豊富さや求められる特性を広範囲でカバーするようなシリーズ展開が求められている。また、自動車業界は、東日本大震災やタイの洪水等の自然災害に対するリスクヘッジを背景にした数社による並列購買、または使用部品の標準化を全世界的に推進しており、この動きは今後ますます加速すると推測される。　同社では、2014 年2 月から当面月産150万個の体制で量産を開始している。2014.7れた。　同社では、2014 年度5,000 台（海外も含む）の販売を目標にしている。請求番号G5002請求番号G5001請求番号G0007