ブックタイトルメカトロニクス7月号2014年

概要

メカトロニクス7月号2014年

MECHATRONICS 2014.7 49　組込みシステム開発に必要なハードウェア、ソフトウェア、コンポーネントから開発環境までが一堂に出展される専門展『第17回　組込みシステム開発技術展』が、2014年5月14日（水）～16日（金）の3日間、東京ビッグサイトで開催された。■60601-1第3版 医療用規格取得済み　の医療用タッチパネルPC　台湾パビリオン内の、WINCOMM 社のブースでは、医療用の、抗菌加工／プラスチック筐体／タッチパネルPCを紹介していた。　同製品は「60601-1 第3 版医療用規格」取得済みのタッチパネルPCシリーズで、抗菌加工または抗菌プラスチック筐体を採用し、タッチパネル部はIP65 防水／防塵仕様。17、19、21.5、24インチの4 サイズをラインアップし、医療用機器への組込みや手術室向けPC用途などに適するものとなっている。ブース内では、抗菌プラスチック／表面フルフラットのシームレス構造の、21.5 型並びに24 型の製品を展示。同社独自のファンレス技術を生かしたファンレスタイプのものと、ファン付きのものをそれぞれ用意している他、24 型の製品は投影型静電容量方式で、10ポイントのマルチタッチと第4世代Core-i CPU搭載モデルとなっている。■自動車品質マイコンを採用した高品質　な安全コントローラ　シマフジ電機（株）では、サービスロボット用の安全コントローラを紹介していた。　この安全コントローラは、同社が、独立行政法人 産業技術総合研究所と共同で研究を行っているもので、自動車品質マイコン（ルネサス エレクトロニクス( 株) 製『V850E2/PG4-L』）を採用している高品質なボードである（機能安全認証取得予定）。　安全コントローラとは車輪の回転で移動するタイプのロボットのモータを制御する高品質な汎用ボードのことで、①周囲の状況とシステム全体が正常に動作していることを常時監視、②障害物検出/ 異常検出時は外部からの指示に拠らずロボットを安全に停止、③安全コントローラが正しく使用される限り、ロボットが安全に保たれることを保証、という諸点を満たすもの。同社のサービスロボット用の安全コントローラは、ハードウエア、ソフトウエアを提供するもので、病院における食事配膳や工場での運搬などを担う様々な自走ロボットなどの使用が期待される。ブース内では乗車型のカートも展示され、多くの来場者の注目を集めていた。■液晶モジュール、タッチパネル、コント　ローラをセットで提供し、チューニング　などのソフトもトータルでサポート　NLTテクノロジー（株）では、PCAP（投影式静電容量方式）タッチパネル搭載オールインワントータルサポートを紹介していた。　同社では、液晶モジュール、タッチパネル、コントローラもセットで提供、ドライバやチューニングなどのソフトもトータルでサポートしており、標準構造とオプション構造のPCAPに対応している。標準構造の場合は、カバーガラスとセンサガラスからなるタッチパネルとLCDモジュールを接着テープで貼りあわせたものとなる。また、オプション構造では、センサガラスと、さまざまな厚みと材質の各種カバーガラスの上に、表面フィルム（クリア、AR、AG、AFP（防指紋））を貼り、さらに、LCDの間を光学樹脂で全面接着するオプティカルボンディングを採用している。この構造の場合は、空??がないため、外光環境下でも優れた視認性を発揮するものとなる。加えて、このサポートでは、タッチに対する感度の差についても微調整が可能であるという。■集荷中など、両手がふさがった状態で　も伝票をウエアラブルに読み取り　オムロン ソフトウェア（株）では、ウェアラブル 伝票認識システムを参考出展し、デモ実演を行っていた。　これはインテリジェントグラス（Android 搭載の、VUZIX社製　M100）に手書き郵便番号認識、バーコード認識、マーク認識、ジェスチャー認識を搭載した、伝票読み取りを行うシステム。両手がふさがった（配送物を持った／フォークリフト運転）状態でも配送伝票に読み取りが行えるので、たとえば伝票に記された宛先、指定時間を読み、これにより運送料金がすぐにわかる。加えて、認識したデータはスマートフォン経由で基幹システムへ送信できる他、認識対象を変更すれば海外旅行時の外国語メニューや看板の翻訳も可能になるという。■「コトバによる情報化社会」の実現を目　指す　（株）レイトロンでは、「コトバによる情報化社会」を目指す、音声認識のさまざまな技術や製品を紹介していた。　同社では、『Voice Magic』という独自の音声認識システム技術を用いた製品、並びに技術開発を行っている。このシステムは、雑音環境下においても高性能な音声区間検出を実現する他、Always Listening 機能の搭載によって認識トリガが不要である点、登録したフレーズのみを抽出する棄却フィルタリングを有している点、マイクから2～3m離れても認識可能である点、話者の音声登録が不要である点（不特定な話者に対応）、などの特徴を有している。ブースでは、この『Voice Magic』のシリーズとして、接続／搭載するだけで様々な機器を音声認識操作可能にするUSBやモジュールを紹介。このシステムを内蔵したTVやエアコンなどを、音声で操作するデモンストレーションを行っていた。■無線とセンサで生活リズムを簡単に記　録／管理　（株）村田製作所では、従来比1/4の小型サイズと従来比1/4 の低消費電力を実現したBluetooth Smartモジュールに関する展示を行っていた。これは各種プロファイルを搭載したBluetooth4.1対応通信モジュールで、ヘルスケアスポーツ＆フィットネス機器やウェアラブル機器などの用途がある。ブースでは、搭載の応用例として、赤ちゃんのためのライフログツールを参考展示していた。このツールは、無線とセンサで赤ちゃんの生活リズムを簡単に記録／管理するもので、同モジュール、記録ボタン、温湿度センサ、コイン電池（CR2032）、6軸モーションセンサで構成されている。アプリケーション例として、ボタンを押すだけで簡単に育児日記を作成、センサで赤ちゃんの周辺環境を測定、おでかけ時間をグラフ化して表示、などが紹介されていた。　同展示会の次回開催は、2015 年5 月13日（水）～15日（金）の3日間、東京ビッグサイトで行われる予定になっている。第17回 組込みシステム開発技術展2014年5月14日（水）～16日（金）東京ビッグサイトリード エグジビション ジャパン株式会社■ 会　期■ 会　場■ 主　催WINCOMM 社のブース赤ちゃんのためのライフログツールシマフジ電機（株）の安全コントローラウェアラブル 伝票認識システムに関する展示音声認識システム『Voice Magic』に関する展示PCAPに関する展示。右がエアギャップ（標準構造）、左がオプティカルボンディング（オプション構造）