ブックタイトルメカトロニクス6月号2014年

概要

メカトロニクス6月号2014年

MECHATRONICS 2014.6 53　FPD（フラットパネルディスプレイ）の開発・製造に必要な製造装置、部品・材料から、タッチパネル、有機ELといった最新ディスプレイまで、業界の最新技術が一堂に出展する専門技術展第24 回 ファインテック ジャパンが、東京ビッグサイトで開催された。　同展示会と併せて『第5 回 高機能フィルム展 ～フィルムテック ジャパン～』『第3 回 高機能プラスチック展～プラスチックジャパン～』『第1 回 高機能 金属展 ～メタル ジャパン～』『Photonix2013 ～第14 回 光・レーザー総合技術展～』も開催され、3日間の来場者は合わせて57,177名に上った。■フルフラットでデザイン性が高い　タッチテーブル　（株）タッチパネル研究所では、フルフラットタッチテーブルを展示していた。　この製品はテーブル表面に段差がないフルフラットを実現しており、高いデザイン性を実現。天板は一枚ガラス（全面強化ガラス）で完全防水となっているため、幅広い用途に適している。ソフトをインストールすれば、画面の天地を回転することもできるので、対面に座った人とも情報を共有しやすい。タッチパネルは静電容量方式を採用し、10 点マルチタッチ式となっている。ITO 膜不採用のため、画質の変化がないのも大きな特徴となっている。バリエーションは四隅に脚のついたダイニング型、脚のないリビングローテーブル型、一脚タイプのバーレストランテーブルがある。■ソフトモールド／フィルム基板製品の　量産にも適するナノインプリント技術　JX日鉱日石エネルギー（株）では、ナノインプリント技術に関する展示を行い、多くの来場者の注目を集めていた。　同社は、同技術の「生産性の高いロールプロセス」「高いクリーン管理」といった特徴を活かしながら様々な機能性フィルムを開発中で、ソフトモールド／フィルム基板製品の量産に関する相談も受け付けている。ガラス基板への無機材料インプリントについてはG2.5（400×500mm）まで実証している、という。　ブースでは、開発品として、同社独自の疑似周期構造を利用した有機EL 照明用光取出し基板も紹介していた。同基板を使用することで、広い波長帯域で優れた視野角特性をもった光取り出し効率の向上を実現する。また、他にも、微細構造を利用した用途のコンセプトとしてナノサイズの凸凹構造を利用した曇らないフィルム、無機物のインプリントによる反射防止構造付ガラス、ナノサイズプリズム構造を利用した装飾用フィルムを紹介していた。■構成材料をすべてポリエチレンとした　オールポリエチレンカートリッジフィルタ　アドバンテック東洋（株）では、半導体、液晶ディスプレイなどの電子工業界のレジスト濾過用のオールポリエチレンカートリッジフィルタ『TCEタイプ』を紹介していた。　同製品は、カートリッジフィルタの構成材料をすべてポリエチレンとしており、低溶出を実現、電子工業界で使用されるPGMEAに対してもクリーン性に優れている。また、従来のPTFEメンブレンに比べ、孔径の小さいポリエチレンを採用し、高い粒子捕捉性能を実現している。同タイプの製品のうち『TCE-0003』は、公称孔径は3nm、有効濾過面積（cm3/250mmタイプ）：15,000を実現したものとなっており、特に注目を集めていた。■高性能ながら操作性にも優れる　デジタルマイクロスコープ　（株）ハイロックスでは、デジタルマイクロスコープ『KH-8700』を紹介していた。　同製品は、観察、計測、撮影のそれぞれについて優れた機能をもつ装置。高い性能と独自開発のエンジン（GENEXエンジン）により、2メガピクセルCCDカメラを搭載して最速24フレーム/秒を実現している他、同エンジンの機能を最大限に引き出すために高い演色性（色温度5700K）を備えたLEDランプを採用。また、高精度な3D計測機能をはじめとした多彩な計測テクノロジーを集約しており、ニーズや目的に応じた測定を可能にする。加えて、5800万画素高解像度画像取込機能などをもつ、高解像度な画像を提供する製品となっている。その能力からさまざまな業界、ニーズに応えるものとして、来場者は熱心にその説明に耳を傾けていた。■囲いがないオープンな空間に　ISOクラス1のスーパークリーンな　空間を形成　興研（株）では、囲いのない空間であってもISOクラス1というきわめてクリーンな空間を作り出す、オープンクリーンベンチ『KOACH C 900-F』を紹介していた。　同製品は、それぞれに気流を送り出すプッシュフードを対向に配置することによってフード間のゾーンの完全なクリーン空間化を実現する、というもの。並び作業、対面作業も可能となっている。プッシュフードから出る気流の風速は、微かながらもタフなものであり、その密度勾配によってゾーン内の外へ外へと押し出す力が働くので少々の外乱には負けないため、ゾーン内でも作業や周囲で人が移動してもクリーン度が大幅に低下することはない。囲いがなくても清浄度を維持される他、スイッチをつければ非常に短時間で目的清浄度を達成できる。また、どこにでも移動できる点、作業に強いので内部が汚染されない点も特徴となっている。■サインペンで入力できる　静電容量マルチタッチパネル　ぺんてる（株）では、サインペンで入力できる32W 型液晶マルチタッチパネルを紹介していた。　タッチパネルのガラス表面は滑りやすいことから、やはり同様に滑りやすいペン先をもつペンでの入力は不向きであったが、このタッチパネルは、ペン先にフェルトを使用したサインペンでの入力が可能で、心地よいフィーリングが得られるというもの。50 年以上の歴史をもつ同社製品のサインペンの筆記をそのままタッチパネルでも体感できる。また、指でもペンでも10点認識、という点の他、外光の映り込みを防止したAGハードコートを採用している点、厚さ3.8mm のガラスを用いているため衝撃に強く割れにくいという点も特徴となっている。　同展示会の次回開催は、2015 年4 月8日（水）～10日（金）の3日間、東京ビッグサイトで開催される予定となっている。第24回 ファインテック ジャパン2014年4月16日（水）～4月18日（金）東京ビッグサイトリード エグジビション ジャパン（株）■ 会　期■ 会　場■ 主　催フルフラットタッチテーブル（ダイニング型）JX日鉱日石エネルギーのブースデジタルマイクロスコープ『KH-8700』サインペンで入力できる32W 型液晶マルチタッチパネルオープンクリーンベンチ『KOACH C 900-F』に関する展示オールポリエチレンカートリッジフィルタ『TCEタイプ』に関する展示