ブックタイトルメカトロニクス5月号2014年

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概要

メカトロニクス5月号2014年

MECHATRONICS 2014.5 11所 在 地:U R L:事業内容:東京都三鷹市http://www.secumarkjp.comCRIMESTOP GROUP LTD.の日本正規総代理店、識別認証、偽造防止用品の販売およびシステム管理、など。セキュマーク・ジャパン株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ティ効果に対し、非常に低コストで導入できる、といったことが挙げられます。検証法としては、40 倍以上の顕微鏡で拡大すると簡単に識別コードを読み取ることができます。最近普及が進んでいるスマートフォンのカメラ機能を応用すると20倍の顕微鏡でも検知でき、そのセキュリティ情報をスマートフォンのカメラで撮影することでデータ管理なども行えます。すでに登録されているデータベースと照合することでスピーディーな真贋判定が実現できます。 このようなニッケル製マイクロドットを、当社とパートナー契約を結んだ企業の装着技術により製品化したものが『セキュマークシステム』になります。装着する対象物としては、紙、プラスチック、フィルム、ガラス、金属、木材など、それぞれ適した技法により使用可能です。使用法としては、①接着剤に混入してブラシで塗布、②ラッカ/ペイントに混入してスプレーで塗布、③インクに混入して印刷、④プラスチック成形、⑤シールで貼り付け、⑥紙の上層部に圧着、⑦ディスペンサで射出、⑧インクジェット印刷などが挙げられます。そして、セキュマークした対象物に当社、あるいはユーザー会社の警告マークを貼付することで、盗難を抑止する効果があり、特に車両の盗難や、保険金詐欺などに効果的です(写真3)。 日本で販売していくセキュマーク製品については、機能は勿論のこと、さらに美麗さが求められます。デザインの一部に加えたり、マイクロドットを美しい形状に並べるなど、様々な工夫を凝らしていかないとなかなか採用してもらえません。そのため、パートナー企業も機械の改良と試作を重ね、デザイン性に優れた製品の開発に努力してもらっています。 セキュマークシステムの 導入事例についてお聞かせ下さい佐野:昨年の秋から、秋田県産あきたこまちのブランド米である『ハチ米』と、同じ秋田県産の日本酒『重右衛門の酒』に国内で初めて採用されました(写真4)。このラベルに採用されているマイクロドットには、当社のロゴとオリジナルのID 番号がエッチングされ、これにより秋田県産のブランドを証明することになります。今後、日本でもTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が導入されてくると、産地証明などは非常に重要になりますので、当社でも地域における特産物のブランド化をご提案するとともに、地域を活性化するシステムづくりのお手伝いを進めています。 また、ワイアードペコ株式会社( http://www.wiredpeco.co.jp)が販売している気温/湿度/照度/電力/熱中症危険度などを、いつでもどこからでもモニタできるWebセンシングシステム『みてるくん』(http://www.miterukun.com)にも採用されています(写真5)。このシステムは、「離れた場所からでも高齢者の生活環境がモニタリングできたらいいのに」という動機から誕生した製品です。小型センサも端末も、市販製品をみてるくん用にカスタマイズした製品であるという証明手段として使って頂いています。 そのほかにも、CTI 社の光学技術を駆使したクリスタル内部彫刻が施された日本発の特許取得クリスタルにも採用されています(写真6)。この製品には、戸籍証明としてセキュマークシステムが使われています。 当社は、このセキュマークシステムが国内でただ採用して頂ければいいということではなく、やはり日本製という中で品質の誇れる優れた製品や生産物などに対して使って頂きたいと考えています。製品であれば、そのブランドに対して使って頂きますが、生産物の産地証明については、各々の地方自治体や業界団体などの認定を受けたものに対して使って頂くような仕組みをとっています。 今後の展開についてお聞かせ下さい佐野:まずは、セキュマークシステムの製品ラインアップを増やしていきたいと考えています。今までは、企業/団体などを対象にパートナー企業との提携で、直径0.3mmと0.5mm のマイクロドットを使用した製品を販売してきました。いずれも0.8gが最小単位になっていて、0.3mmは28 万粒、0.5mmは11 万5 千粒になります。ラベルにすると、1 万枚から1 万4 千枚程できます。改良により、さらに多く生産することも期待されます。 また、個人向け用のIDセットも販売しています(写真7)。この製品はマイクロドット1 万粒毎に個別の認識コードが発行され、スプレーやマーカーペン、シールタイプで簡単に使用することができます。IDセットには登録カードが付属していて、このカードに記載された個別情報で世界中央登録サイト(WCR)にアクセス、対象物を登録することによって、紛失や盗難の際の発見時に、所有者を特定し、返還を容易にします。このシステムにより、盗品であることが判明し、盗難被害を抑止する効果があります。(写真8)。 セキュマーク製品は、装着する対象物によって技法が変化します。現状では、紙や布への印刷、シールタイプやプラスチック成形、多層フィルムの中に入れるものなどが出来ていますが、今後はディスペンサでの接着、PPバンドや梱包テープのセパなしタイプ、シリコンゴムに含有させる、などさらに幅広いニーズに対応できる環境を整えていきます。今後一年間で、製品とアプリケーションの数は飛躍的に伸ばしていく予定です。セキュマークが日本で初めて導入されて以来、パートナー企業には知恵を絞って頂いており、今では海外を上回る技術ができています。印刷もセキュマークラベルの上からさらに情報を付与し、ブランドを証明しつつ、個別識別なども可能になりました。 当社は、既存の技術を排除して当社のセキュリティシステムを提案するのではなく、その会社がもっている既存の技術にセキュマークシステムをプラスすることで新たなセキュリティ製品を製作して頂き、ユーザーの声を反映しながら、他社との差別化を図った事業展開を進めてほしいと願っています。 セキュマークシステムを通して、「Made in Japan」を守り、犯罪を抑止し、ご縁のある会社全てが喜びを分かち合うことができれば、この上ない幸せです。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真8 セキュマークシステムの登録カード写真7 個人用IDセット写真4 『ハチ米』と『重右衛門の酒』に採用されたラベル写真6 特許取得クリスタル写真3 セキュマークシステムの警告マーク写真5 『みてるくん』に採用されたセキュマークシステム