ブックタイトルメカトロニクス5月号2014年

ページ
10/60

このページは メカトロニクス5月号2014年 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

メカトロニクス5月号2014年

10 MECHATRONICS 2014.5 御社の概要についてお聞かせ下さい佐野:当社は、チェコに本社を置くクライムストップグループ社の日本正規総代理店として、2012 年2月に設立しました。クライムストップグループ社は、『マイクロドット』という微細なニッケル粒を使用したセキュリティ技術を活用し、犯罪を防止する目的で創設された企業です。 当社は、私と南取締役で共同代表を務めていますが、その南取締役のお兄さんが偶々クライムストップグループ社の創設者でこのニッケル製のマイクロドットを開発されたレプタ氏と懇意にされており、レプタ氏から日本における代理店探しを一任されていました。私は当初、クライムストップグループ社の用意した英語の資料を日本語に翻訳するお手伝いをしていたのですが、実際にこのマイクロドットを見たときには優れたセキュリティ技術であると感銘を受け、またレプタ氏の「地球上を安全な場所に」という考え方にも賛同したことが、当社を起業するきっかけになっています。 マイクロドット自体の歴史は古く、元々は軍事用として開発された技術で、第一次世界大戦や第二次世界大戦の頃に情報を隠すための技術の一つとして使用されていました。近年では、この技術が犯罪防止の手段として利用され、プラスチックを素材にしたものが主流でしたが、クライムストップグループ社ではニッケルを素材にしたものを製造しています。 海外におけるマイクロドットの活用事例を挙げますと、南アフリカでは2012 年1月からすべての新車にマイクロドットマーキングの義務付けが行われ、オーストラリアでは大手自動車メーカーが全新車に適用したことで盗難件数が60%減少し、また同じくオーストラリアを拠点とした日本の大手自動車メーカーでも全新車に導入後、プロの窃盗犯が95%減少していると報告されています。南アフリカだけでなくアメリカやカナダでも、警察が率先してマイクロドットの普及に力を入れています。 しかし日本では、当社が初めての導入となり、知名度もまったくないような状況でした。その背景には、日本 チェコに本社を置く、クライムストップグループ社(https://www.krimistop.com)の国内で唯一の正規代理店であるセキュマーク・ジャパン株式会社。『マイクロドット』という微細なニッケル粒を使用したセキュリティ技術を活用し、事業展開を進める同社の概要とセキュリティシステムなどについて、代表取締役 佐野 源美 氏にお話を伺った。セキュマーク・ジャパン株式会社代表取締役佐野 源美 氏直径0.2~0.5mmのニッケル粒を使用したセキュリティシステム~製品ブランドや産地証明などの偽造防止に貢献~は世界的にも犯罪の発生率が少なく、安全な国だという認識が先行して、マイクロドットのようなセキュリティ製品を売り出していくということは非常に難しい状況でもありました。ただ色々調べていくと、「偽造される」ということに関しては、かなり大きな被害が発生していることが分かってきました。そのため、海外のように窃盗防止目的を主にするのではなく、識別をして真贋を見分けることにより偽造防止することを主眼にしていこうと考えました。特に最近では、日本製品の偽造が増えており、品質の劣るものが真正品と思われ、ブランド価値を下げ、さらに潜在需要を奪う、ということが起こっています。そこで当社では、偽造を防止するとともに製品(ブランド)の保護を提案していくことで、事業展開を開始しました。 マイクロドットは、それ自体だけでは最終的な製品になりません。対象物に装着させる必要があります。当初は、マイクロドットを販売した企業先の方でその企業に適した製品を独自につくってもらえると考えていましたが、なかなか当社の思惑通りにはいきませんでした。そのため、販売と並行して、マイクロドットを最大限に活かせる装着技術をもつパートナー企業を探すことにしました。現在では、商工会議所の紹介や異業種交流会などを通じて数社の優秀な技術をもつパートナー企業との提携で、製品の開拓をしています。今後の展開を考えると、まだまだ多くのパートナー企業の協力が必要です。 今年で3 年目を迎えますが、ようやくアプリケーションなども揃い始め、本格的な事業展開を進められる体制が整ってきた状況です。 マイクロドットの特徴やマイクロドット を付着させた製品についてお聞かせ下 さい佐野:当社のニッケル製マイクロドットは、直径0.2~0.5mm、厚さ7μ~10μの微小なニッケル粒に、片面にはロゴやマークをホログラム作成し、反対面には識別コードがエッチングされることにより、オリジナリティを証明することができます(写真1、2)。また、そのことにより、偽造防止や盗難を抑止します。企業向けではブランドの真正性を、1 万ドット毎の個別用タイプでは正当な所有者を特定します。 主な特徴としては、①耐熱温度は-40~200℃に対応、②錆びない、摩擦、化学変化に強い、③セキュリ写真1 クライムストップグループ社製マイクロドット(10円硬貨との比較)写真2 マイクロドットの拡大写真(デジタル顕微鏡で写した写真を印刷したもの)