ブックタイトルメカトロニクス4月号2014年

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概要

メカトロニクス4月号2014年

MECHATRONICS 2014.4 11所 在 地:U R L:事業内容:東京都新宿区http://tnth.co.jp1. 持株会社事業2.知的財産権の取得、利用方法の開発、実 施、使用許諾、管理、貸与および譲渡並び にこれらの仲介3.デジタル映像表示機器の企画、開発、製 造、販売、貸与、輸出入並びに保守管理4.コンテンツ配信、情報サービスの提供、情 報システムの企画、研究、開発、販売、運用 および保守管理5.広告、宣伝に関する企画、制作および代理 店業務6.企業経営に関する調査、診断、企画、提案、 指導並びに支援業務7.居住環境、生活環境、生態環境、地球環境 等を改善する製品の企画、開発、製造、販 売、輸出入並びに技術、工法、農法等の解 決策の実施、など。東京新技術ホールディングス株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・があります。 ボックス型の透過液晶ディスプレイは、文字通り箱の中に製品を入れるタイプになります(写真1)。これまで、イギリス、アメリカをはじめとする海外の高級百貨店や世界的高級ブランド製品のショーウインドウ、ショーケースなどに採用されており、躍動感溢れる映像表現は、売り手が消費者に伝えたい価値を余すところなく伝達することを可能にしました。製品に手を触れることなく、色/柄/サイズなど異なる製品もタッチパネルで瞬時に見せることができ、お客様が欲しい製品をすぐに探すことができます。 そして、テーブル型の透過液晶ディスプレイは、デスクワークやアミューズメントの未来を変えていく可能性があります(写真2)。デスクそのものが大型のディスプレイになるため、タッチパネルで様々な仕事が簡単に片付き、子供達が遊ぶカードゲームは、迫力満点の小劇場に早変わりします。 それから、スタンド型の透過液晶ディスプレイは、自動ドア、窓、床、天井、壁、パーテーションなど、内装/外装の素材として活用することができ、その用い方によって空間を広く使うことができます(写真3)。例えば、応接間の間仕切りとして使用する場合、「来客時には美しい映像を表示してお客様を楽しませる」ことも、「PC のデータをそのまま表示して商談などをする」ことも、「光を遮断して鏡にする」ことも可能です。もちろん、お客様がお帰りになられた後はただの透明なガラス同様に、間仕切りの向こう側は透けて見えます。 また、今お話したのは平面タイプのものですが、昨年末それに加えて柔らかな丸みを帯びたフォルムの曲面タイプとなる透過液晶ディスプレイの開発に成功しました(写真4)。視野角が広く、美しい映像を滑らかに表示できる曲面タイプは、凹凸の両方を取り揃えています。曲面タイプが加わったことで、流れるような映像美を色彩豊かに再現することが可能になりました。 当社の透過液晶ディスプレイにおける最大の特徴は、“ 黒色”を透過させず鮮明に表示できることです。光を通し透過させると同時に、光を遮断して黒を透過させずに表示することは、透過液晶ディスプレイの長年の課題でしたが、この課題を克服した当社の新技術を用いた製品は、おそらく国内でもトップクラスの実力を有していると思います。 御社の技術第二部で事業展開されてい るエネトラップの特徴などについてお聞 かせ下さい原田:エネトラップの最大の特徴は、可動部が存在しないことです(写真5)。従来のスチームトラップの多くには可動部があり、この可動部が動くことによってドレンを排出する仕組みになっています。また一方で、ドレン排出のために動いた可動部が元の位置に戻るまでの時間、排出すべきではない蒸気が漏れてしまう課題がありました。さらに、可動部の損傷や摩耗などの経年劣化により、購入時に期待された性能を長期にわたり維持することが困難な場合がありました。 蒸気の損失は、目に見えにくいため気づきにくいですが、損失は意外に大きなものになります。例えば、24時間稼働で年間340日操業の工場では、蒸気単価を5.50 円/ kgとした場合、一個所の蒸気トラップから蒸気がほんの少し漏れている状態(5kg / h 程度)で、年間約40t、金額にすると224,000円/個所の損失に繋がることになります。また、かなり漏れている状態(15kg / h 程度)、いわゆる吹きっ放しの状態では、年間約120t、673,220 円/個所の損失に上ります。工場では、通常数十個から数百個の蒸気トラップが設置されていますから、膨大な量の無駄が日々垂れ流されている可能性があります(写真6)。 エネトラップは、蒸気の輸送効率を改善し、燃料使用量を軽減するとともに、ボイラへの負担や水の使用量が低下します。すでに導入された食品加工工場からは、従来掛かっていた燃料コストの約50%の削減に成功されたという結果が出ており、また大手化学工場では、蒸気温度と流量における一層の安定が確認され、品質管理の向上に役立っているという結果を伺っています。さらに、導入現場からはこれらのほかに、①回収期間が短いため導入を検討しやすい、②蒸気トラップ以外の設備を変更する必要がない、③メンテナンスが容易になる、④5年間の保証期間(本体部分)が安心、などの評価を頂いています。そして、導入前に行われる性能比較試験は、担当者の立会いのもとに実施され、約2時間程度で完了し、結果はその場で明らかになります。 蒸気を製造工程に利用している代表的な業界としては、食品、飲料、酒、製糖、ソース、米飯、製麺、セントラルキッチン、給食センター、油精製、金属加工、ゴム、プラスチック、繊維、化学、製薬、化粧品、製紙、段ボール、クリーニングなどが挙げられ、極めて多岐にわたる分野の工場で、温める/煮る/溶かす/乾かす/殺菌するなどの用途で利用されています。コスト削減のターゲットは、電力から蒸気に変わりつつあり、エネトラップはボイラの運転に要する燃料コストやCO2排出量を大幅に削減できる可能性を秘めています。 今後の展開についてお聞かせ下さい原田:当社技術第一部では、今後も屋内はもちろん、技術的難易度の高い屋外型を得意とするデジタルサイネージの開発にはじまり、現在の透過液晶ディスプレイ、そして将来的にはウェアラブルな映像表示技術の開発、それに融合させた音についての技術開発も目指していきます。このような、多層的な組み合わせを進めることで、ユニークな製品が生まれてくると考えています。技術第二部の方でも、蒸気とは異なる分野の、熱に関する新たな技術開発を進めていきます。 また、それ以外にもいくつかの新技術を活かした事業展開を検討しています。当社は、ホールディング会社という立場であり、取り扱うものに関しては種類が多いに越したことはないと思いますので、今後も事業の幅をどんどん広げていきたいと考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真6 エネトラップ導入のメリット写真5 エネトラップ写真4 第2回 東京デザイン照明展に出展された曲面タイプの透過液晶ディスプレイ