ブックタイトルメカトロニクス11月号2013年

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概要

メカトロニクス11月号2013年

MECHATRONICS 2013.11 9所 在 地:U R L:事業内容:愛知県春日井市http://www.kitagawa-ind.com/コンピュータ・OA 機器・AV機器・家電製品・自動車・航空機・建築物などに使用される、エレクトロニクス機器の誤作動防止などを目的とする電磁波環境コンポーネント/各種機器機構部品や生産性に貢献する精密エンジニアリングコンポーネントの製造・販売、など。北川工業株式会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あわせてコンパクトに設計してほしい」という依頼で、実際に中に入れる基板を送って頂き、上下2ピースのかみ合わせで製作しており、上下固定用のビスは使用していません。製作数は年間200~300 台程度で、材質:ABS ナチュラル 3mmを使用し、メタリック塗装とロゴマークシルク印刷をしています。 また、「持ち運ぶために軽量化したい」という依頼で、検査測定器の筐体を製作しました(写真2)。従来は、アルミの溶接で筐体を製作していましたが、「溶接の仕上げが難しく見栄えが悪い」「手間がかかるため、小ロットではコストが掛かる」といった問題を抱えていました。MEFS の採用により、樹脂化することでアルミ同様の軽量でありながら見栄えが数段向上し、小ロットでもコストダウンを実現しています。製作数は年間50~100 程度で、材質:ABS ナチュラル 3mm、5mmを使用し、外観部ウレタン塗装とロゴマークシルク印刷をしています。 ホームページから直接問い合わせ頂いた案件で、ペット用炭酸泉発生器の筐体も製作しています(写真3)。従来は、小ロットのため板金筐体に塗装して製作していましたが、水を使用する環境のため、どうしても錆びや塗装のはがれが発生するという問題を抱えていました。また、この製品は図面などがなく、現物を送って頂いて当社の方ですべて設計し直して筐体の樹脂化を実現しています。製作数は年間200台程度で、材料:PVC 3mm、5mmを使用し、塗装はなく、ロゴマークシルク印刷をしています。 そして、研究開発中の装置の製品化を実現させるため、1台から対応した可搬型災害時燃料電池飲料水発生装置の筐体も製作しました(写真4)。この製品は、まだ開発中だったためイメージ画しかなく、そのため内部に取り付ける機器をすべて当社に送って頂き、内部構造も検討して製作しています。また、装置が大型のため板金では大変重くなり、搬送に支障が出るので、樹脂化する必要性もありました。製作数は試作1 台で、材料:PVC 3mm、5mmを使用し、塗装はなく、ロゴマークシルク印刷をしています。 さらに、静脈認証システムを利用した入退出管理端末の筐体も製作しています(写真5)。この製品は、ユーザーの要望に応じてたびたび微細な変更があり、金型を起こすと変更が難しくなるため、MEFSを採用頂いています。製作数は年間100台程度で、材料:ABSナチュラル 3mm、5mmを使用し、シルバーメタリック塗装とロゴマークシルク印刷をしています。 その他にも、レーザ顕微鏡のフロントカバー(写真6)やスピーカの筐体(写真7)など、製品のデザインを向上させるために採用して頂いた案件もあり、幅広い業界で支持を受けています。 現状の課題と今後の展開について お聞かせ下さい一井:現状の課題としては、3Dプリンタとの連携を上手く取れるようにしていきたいと考えています。MEFSは筐体のみですが、その中に入れる部品なども当社で製作し、セットというか完成品で提供できるようにするため、3Dプリンタを上手く連携させる体制に力を入れていきます。 現状では、0.1mmピッチでナイロンの粉末層をレーザで溶解固化し、積層して製品形状をつくるラピッドプロトタイピングシステム(粉末焼結積層造形法)を進めています。このシステムは、形状を積層して造形していくため複雑な形状も製作可能、ほかの造形方法に比べ強度があり機能評価モデルの造形が可能、3次元CADデータからの造形が可能、サポートが不要なので多部品の一括造形が可能、といった特徴をもっています。 また、この事業は当社のほかの事業部との連携も取りながら進めています。例えば、輸出などをする場合は認証を取る必要があり、当社は電磁波/ノイズ対策などに対して自社で評価でき、EMC 設計から規格適合までトータルにサポートする施設(春日井EMCセンター)も春日井工場内に設置しています。そして当社には、国際無線/通信/電磁気協会が認定する「iNARTE」の資格をもつEMC 技術者が多数在籍していますので、各フェーズに応じたサポートが可能になります。 このように、当社の評価施設やほかの事業部の技術など、そして3Dプリンタを連携させることで、筐体だけなくそれに付随する部分もフォローして最終完成品で提供していくことと、製品に関連するアドバイスや提案などをユーザーに対して行うサービス体制の強化を進めることが、今後の展開になっていくと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真5 入退出管理端末への導入事例写真7 スピーカへの導入事例写真2 検査測定器への導入事例写真4 可搬型災害時燃料電池飲料水発生装置への導入事例写真3 ペット用炭酸泉発生器への導入事例写真6 レーザ顕微鏡への導入事例