ブックタイトルメカトロニクス11月号2013年
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メカトロニクス11月号2013年
62 MECHATRONICS 2013.11《第55回》2 設計から始めよう(その53)表2-47 拡散板に関する特許事件例(その1) 2-118)5.側射型照明装置(2)充実型側方照明( エッジライト) 方式⑯散乱・拡散シートⅳ 拡散シート(その3) 前々回から引き続いて、拡散板に関する特許事件例を調査してゆこう(表2-47)。狭い範囲の情報と思いきや収録した事例は想像以上に多く、この紙葉に収まりきれない。一つ一つの事例を精査して見ると、「拡散」技術が思わぬ分野で活用されているのに感嘆し、技術内容を濃く読むほどにその思考の深さが心に滲みてくる。 当面の課題は液晶表示装置のバックライトではあるが、拡散シートに特化して間口を広げてこうして俯瞰するのは、技術者として為すべき習性であるかもしれない。余計な回り道だがいつしか元の道角に戻ってくる。しかしその間の経験は人に言われぬ心の豊かさが残る。目先の課題を追うのに精一杯の職場の雰囲気では、周囲から時として誤解されるかもしれない。そのようなとき皮相的に周囲と調和するのが良いか、未来を望み独り探求うる方が好いかは、その本人の嗜好で耐えるしかない。だが暖められた精神から発想される技術は、既に以前の水準より高い。これ、本人のみぞ知る実感である。開発の世界では同一の課題はない。迫ってくる問題は常に初体験で、全力挑戦を強いられる。これが快感となるか苦痛となるかは、日ごろの鍛錬に頼るしかない。経験が積まれた人の勘は無駄の少ない直感が働いて、実践的な判断が有効な対処法に繋がっていく。周囲の理解が欲しいものである。 今回の特許事例集( 継続表2-47)の中で、“ 色切換えデバイス”を挿入して「照明光学装置」の光束の幅を狭くできることにより、従来の光学系よりも光学素子の負担を軽減して、液晶表示装置全体を小型化している技術着想がある(図2-198)。光拡散素子が液晶画像プロジェクタにも活用される事態を知った。従来技術による光学構成によれば、光源から偏光分離プリズムを直通した光線はP偏光であり、内部反射した光線はS偏光されてから1/4 波長板でP偏光に変換されて、共にインテグレータ光学系( 既出図2-27 参照) に入り、反射型液晶板( 既出図2-35 参照) を照明する。そこで得た画像は投影光学系でスクリーンに投射される。この照明光学系での光束は幅広く、偏光依存性がある色切換えデバイスを挿入する余地が無いために、カラーシーケンシャル方式の照明を実施できないという欠点があるという。 これに対してこの発明によれば、偏光変換装置とインテグレータ光学系を照明光学装置に装備する。第一案件では、コレステリック液晶装置が色換えデバイスとして挿入され、光源からの白色光に含まれるRGB