ブックタイトルメカトロニクス7月号2013年
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メカトロニクス7月号2013年
10 MECHATRONICS 2013.7 御社の概要についてお聞かせ下さい吉江:当社は、1945 年に吉江鉄工所として大阪市東成区にて創業を開始しました。創業当時より、町の鉄工所として機械部品加工などを行っていましたが、経営合理化のため、1954 年に現在の睦工業株式会社を設立し、創業からの機械部品加工技術を活かして、主にフォークリフトの部品製造を行い、フォークリフトメーカーに納めていきました。 1971 年には、自社で製造した部品を保管する部品倉庫が必要になってきたため、立体自動倉庫『ピッカーリフト』を開発するなど、部品製造だけでなく開発案件も手掛けていくようになりました。また、翌年の1972年には、電気炉粉塵処理機『造粒機 MG-1800』の設計/製作なども行っています。この装置は、電気炉で鉄をつくるときに発生する粉塵を粒状の粉にして処理するために設計されました。当時は、部品加工以外にも取り引き先などから、「このような装置がほしい、このような装置はつくれないか」といったニーズを受けて装置の試作品などを製作していましたが、なかなか製品化には繋げられないような状況でした。 そのような時に、当時タイプライタで事業展開されていた株式会社モトヤと電気関連で事業展開されていた会社と当社の3社で、電動和文タイプライタの共同開発を行うことになりました。当時、電動のタイプライタは世に出回っていましたが、電動の和文タイプライタはまだ出回っていない状況でした。当社と電気関連の 創業当時からの機械部品加工技術を活かし、油圧バルブ製造、セル組立、機械部品加工を柱に事業を展開する睦工業株式会社。小ロット短納期を実現する1個流しセルを基本とした、独自の生産体制を確立するとともに、コア技術を活かして新たな分野へチャレンジする同社の概要と技術、製品などについて、常務取締役 吉江真一 氏にお話しを伺った。睦工業株式会社常務取締役吉江 真一 氏ユーザーニーズにより進化する油圧バルブ~1個流しセルを基本とした生産体制により小ロット短納期を実現~会社がメカトロニクスの部分の開発/製造を担当し、販売などは株式会社モトヤが担当して量産に繋げていきました。1981年には、この電動和文タイプライタが「第6回発明大賞考案功労賞」「第1回科学技術庁長官賞」を受賞しています。 1982 年には、現在の所在地である大阪府八尾市に八尾工場を完成させ、1984 年に本社も移転しています。2010 年には、ISO9001に即した品質マネジメントシステムの指導を受けるとともに、経済産業省の推進する事業である「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」の採択を受け、大学との産学連携による『可変柔軟ロボット関節』の開発事業なども行っています。さらに、翌年の2011 年には、環境マネジメントシステム「エコアクション21」を取得し、大阪府の推進する中小企業顕彰制度「大阪ものづくり優良企業賞2011」にも受賞しています。 そして現在は、油圧バルブ製造、セル組立、機械部品加工を柱に進めており、その中でも特に油圧バルブに力を入れながら、主にフォークリフト分野に事業展開を行っています。 御社の技術や生産体制などについて お聞かせ下さい吉江:当社のコア技術は、創業より培われた機械部品加工技術になります。この技術が、当社の主力となる油圧バルブや油圧部品に活かされています。 油圧バルブや油圧部品は、基本的にメーカーから図面を頂いて製作しますが、図面上では表せられない部分というものが存在します。最近では、海外に工場をもつ企業が増え、そこで使用するフォークリフトの部品も地産地消の考えで現地調達するケースが増えているようですが、いざ現地の業者に図面通り製作させても不具合が発生することが多いようです。その場合、当社にも相談に来られることがありますが、なかなか言葉や図面上で表現することは難しく、対応に苦慮することもあります。当社も、メーカーから頂いた図面に基づいて製作を行っていますが、社内で油圧試験を行ったり、品質改善活動を通して一つのノウハウへと繋げてきました。そのノウハウの積み重ねにより、図面だけで表せられない部分に対応することができるようになり、それが当社の強みにもなっています。 また、その油圧バルブや油圧部品で培った技術/ノウハウなどを活かして、精密機械部品加工なども行っています。加工事例としては、レーダなどの大物部品から電子基板用ケース/蓋などの小型部品まで、アルミを中心に精度/外観/傷に細心の注意を払い加工するマイクロ波部品(写真1)、XYステージや測定器スタンドなど、高い精度が求められる精密測定器の可動部品(写真2)、3D図面によるアルミ試作部品の削りだしなどが挙げられます(写真3)。 それから、試作品の製作は1個からお受けしており、その後の量産についても徹底した品質管理で対応し、開発のお手伝いを行っています。コストについては、写真1 マイクロ波部品事例写真2 精密測定器の可動部品事例写真3 アルミ試作部品の削りだし事例